連日れんじつ)” の例文
○かくて産後さんご日をてのち、連日れんじつの雪も降止ふりやみ天気おだやかなる日、よめをつとにむかひ、今日けふ親里おやざとゆかんとおもふ、いかにやせんといふ。
新宿八王子間の電車線路工事が始まって、大勢の土方どかたが入り込み、村は連日れんじつ戒厳令のもとにでも住む様に兢々きょうきょうとして居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「全く危いところでしたよ。連日れんじつの努力で、もう身体も頭脳あたまも疲れ切っているのです。神経ばかり、たかぶりましてネ」と理学士もそばへよって来て述懐じゅっかいした。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
りやう以上いじやう盜賊たうぞくでなくても、くびつながらなかつた。死刑しけい連日れんじつおこなはれた。れが月番つきばんときは、江戸えどなら淺右衞門あさゑもんともいふべき首斬くびきやくやいばに、らぬとてはなかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
はやく、この十日とをかごろにも、連日れんじつ臆病おくびやうづかれで、るともなしにころがつてゐると、「きやうさんはゐるかい。——なには……ゐなさるかい。」と取次とりつぎ……といふほどのおくはない。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたくし地上ちじょうったころ朝廷ちょうていみなみきたとのふたつにわかれ、一ぽうには新田にった楠木くすのきなどがひかえ、他方たほうには足利あしかがその東国とうごく武士ぶしどもがしたがい、ほとんど連日れんじつ戦闘たたかいのないとてもない有様ありさまでした……。
連日れんじつの雪や雨にさながらぬまになった悪路に足駄あしだを踏み込み/\、彼等夫妻はなまりの様に重い心で次郎さんの家に往った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
連日れんじつ晴天せいてんも一時にへんじて雪吹となるは雪中の常也。其ちからぬきいへくじく。人家これがためくるしむ事枚挙あげてかぞへがたし。
「うん。わしは連日れんじつ、脳細胞を使い過ぎるので、どうしてもこれをやらないと、早く疲労ひろうがとれないのじゃ」
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
連日れんじつ風雨ふううでとまった東北線が開通したと聞いて、明治四十三年九月七日の朝、上野うえのから海岸線の汽車に乗った。三時過ぎ関本せきもと駅で下り、車で平潟ひらがたへ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
我国の雪意ゆきもよひ暖国だんこくひとしからず。およそ九月のなかばより霜をおきて寒気次第しだいはげしく、九月の末にいたれ殺風さつふうはだへ侵入をかし冬枯ふゆがれ諸木しよぼくおとし、天色てんしよくせふ/\として日のひかりざる事連日れんじつ是雪のもよほし也。
○さて戯場しばゐ造作ざうさく成就じやうじゆしても春の雪ふりつゞきて連日れんじつはれを見ず、興行こうぎやうの初日のびる時は役者になりたる家はさら也、此しばゐを見んとて諸方に逗留とうりうきやくおほく毎日そらをながめてはれまちわび