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れんじつ
十
兩以上の
盜賊でなくても、
首は
繋がらなかつた。
死刑は
連日行はれた。
彼れが
月番の
時は、
江戸なら
淺右衞門ともいふべき
首斬り
役の
刃に、
血を
塗らぬ
日とてはなかつた。
早く、この
十日ごろにも、
連日の
臆病づかれで、
寢るともなしにころがつてゐると、「
鏡さんはゐるかい。——
何は……ゐなさるかい。」と
取次ぎ……といふほどの
奧はない。
私の
地上に
居った
頃は
朝廷が
南と
北との
二つに
岐れ、一
方には
新田、
楠木などが
控え、
他方には
足利その
他東国の
武士どもが
附き
随い、
殆んど
連日戦闘のない
日とてもない
有様でした……。