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きんりん
ふりがな文庫
“
近隣
(
きんりん
)” の例文
余此蝶を見ざりしゆゑ、
近隣
(
きんりん
)
の
老婦
(
らうふ
)
若
(
わか
)
きころ渋海川の
辺
(
ほと
)
りより
嫁
(
か
)
せし人ありしゆゑ
尋
(
たづ
)
ね
問
(
と
)
ひしに、その
老婦
(
らうふ
)
の
語
(
かた
)
りしまゝをこゝに
記
(
しる
)
せり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
音曲指南
(
おんぎょくしなん
)
の看板にも鵙屋春琴の名の傍へ小さく
温井
(
ぬくい
)
琴台の名を掲げていたが佐助の忠義と温順とはつとに
近隣
(
きんりん
)
の同情を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
松川
彼処
(
かしこ
)
に
住
(
すま
)
ひてより、別に
変
(
かは
)
りしこともなく、
二月
(
ふたつき
)
余も
落着
(
おちつ
)
けるは、いと珍しきことなりと、
近隣
(
きんりん
)
の人は
噂
(
うはさ
)
せり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
藁
(
わら
)
や
粟幹
(
あはがら
)
は
近所
(
きんじよ
)
の
手
(
て
)
から
與
(
あた
)
へられた。
彼
(
かれ
)
は
住居
(
すまゐ
)
を
失
(
うしな
)
つた
第
(
だい
)
二
日目
(
かめ
)
に
始
(
はじ
)
めて
近隣
(
きんりん
)
の
交誼
(
かうぎ
)
を
知
(
し
)
つた。
南
(
みなみ
)
の
女房
(
にようばう
)
は
古
(
ふる
)
い
藥鑵
(
やくわん
)
と
茶碗
(
ちやわん
)
とを
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
てくれた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ぞ
迷
(
まよ
)
しける
中
(
うち
)
近隣
(
きんりん
)
の社人
玉井大學
(
たまゐだいがく
)
の若黨に源八と
云者
(
いふもの
)
ありしが
常々
(
つね/″\
)
通仙
(
つうせん
)
の見世へ來ては
話
(
はな
)
しなどして出入りしに
此者
(
このもの
)
至
(
いたつ
)
て
好色
(
かうしよく
)
なれば娘お高を
見初
(
みそめ
)
兩親の見ぬ時などは
折々
(
をり/\
)
手
(
て
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
竹渓は晩年下谷
御徒町
(
おかちまち
)
に住した。その子枕山は
仲
(
なか
)
御徒町に詩社を開き、鷲津毅堂もまたその
近隣
(
きんりん
)
に
帷
(
い
)
を下して生徒を教えた。わたくしがこの
草稿
(
そうこう
)
を下谷叢話と名づけた
所以
(
ゆえん
)
である。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
目
(
め
)
はぱっちりとして、
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
は
黒
(
くろ
)
く
長
(
なが
)
く、
色
(
いろ
)
は
白
(
しろ
)
くて、この
近隣
(
きんりん
)
に、これほど
美
(
うつく
)
しい
娘
(
むすめ
)
はないといわれるほどでありましたから、
両親
(
りょうしん
)
の
喜
(
よろこ
)
びは、たとえようがなかったのであります。
笑わない娘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
襷
(
たすき
)
がけのまゝ人に聞き/\
近在
(
きんざい
)
を
買物
(
かいもの
)
に駈け歩いて、
今日
(
きょう
)
は
斯様
(
こん
)
な処を歩きました、
妙
(
みょう
)
な処に
店
(
みせ
)
は出してない
呉服屋
(
ごふくや
)
がありましたと一々報告した。彼女は忽ち
近隣
(
きんりん
)
の人々と
懇意
(
こんい
)
になった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
家畜衛生会
(
かちくえいせいかい
)
のほうもそうとうに
収入
(
しゅうにゅう
)
がある。ただ
近隣
(
きんりん
)
から
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
主人
俄
(
にはか
)
に籠を作らせ心を
尽
(
つく
)
して
養
(
やしな
)
ひ、やゝ長じて
鳴音
(
なくこゑ
)
も
烏
(
からす
)
に
異
(
こと
)
ならず、我が
近隣
(
きんりん
)
なれば朝夕これを
観
(
み
)
たり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼等
(
かれら
)
は
當日
(
たうじつ
)
の
前夜
(
ぜんや
)
に
口見
(
くちみ
)
だといつて
近隣
(
きんりん
)
の
者等
(
ものら
)
が
寄
(
よ
)
つてたかつて、
鍋
(
なべ
)
で
幾杯
(
いくはい
)
となく
沸
(
わか
)
しては
飮
(
の
)
むので
夥
(
したゝ
)
か
減
(
へ
)
らして
畢
(
しま
)
つて、それへ一
杯
(
ぱい
)
に
水
(
みづ
)
を
注
(
さ
)
して
置
(
お
)
くのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
致し居る
位
(
くらゐ
)
の事にて一向世帶には
構
(
かま
)
はぬ人なり又酒は元より大酒故
日毎
(
ひごと
)
に一二升づつ飮ぬ日とてはなく然れども今は何一ツ
不自由
(
ふじいう
)
なく
暮
(
くら
)
し居けるが
兎角
(
とかく
)
に
他
(
ひと
)
の
世話好
(
せわずき
)
にて丸龜の城下は勿論
近隣
(
きんりん
)
の村々まで
困窮
(
こんきう
)
の者へは米錢を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
主人
俄
(
にはか
)
に籠を作らせ心を
尽
(
つく
)
して
養
(
やしな
)
ひ、やゝ長じて
鳴音
(
なくこゑ
)
も
烏
(
からす
)
に
異
(
こと
)
ならず、我が
近隣
(
きんりん
)
なれば朝夕これを
観
(
み
)
たり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
此事
近隣
(
きんりん
)
に
聞
(
きこ
)
えて人々
集
(
あつま
)
り
種々
(
さま/″\
)
に
評議
(
ひやうぎ
)
して
居
(
ゐ
)
たるをりしも
一老夫
(
いちらうふ
)
来
(
きた
)
りていふやう、あるじの見え給はぬとや、
我
(
われ
)
心
(
こゝろ
)
あたりの事あるゆゑしらせ申さんとて
来
(
きた
)
れりといふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
しか/″\のよし母にかたりければ、
不思議
(
ふしぎ
)
の
宝
(
たから
)
を
得
(
え
)
たりとて親子よろこび
近隣
(
きんりん
)
よりも来りみるもありしが、ものしらぬ者どもなれば
趙壁随珠
(
てうへきずゐしゆ
)
ともおもはずうち
過
(
すぎ
)
けり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
井中より
俄
(
にはか
)
に火をいだし
火勢
(
くわせい
)
さかんに
燃
(
もえ
)
あがりければ
近隣
(
きんりん
)
のものども
火事
(
くわじ
)
なりとしてはせつけ、井中より火のもゆるを見て此井を掘しゆゑ此火ありとて村のものども口々に主人を
罵
(
のゝし
)
り
恨
(
うら
)
みければ
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
“近隣”の意味
《名詞》
近隣(きんりん)
隣近所。付近。
(出典:Wiktionary)
近
常用漢字
小2
部首:⾡
7画
隣
常用漢字
中学
部首:⾩
16画
“近隣”で始まる語句
近隣迷惑妻惚居士