かわ)” の例文
新字:
車外しやぐわい猛獸まうじうは、る/\うち氣色けしきかわつてた。すきうかゞつたる水兵すいへいは、サツと出口でぐちとびらひらくと、途端とたん稻妻いなづまは、猛然まうぜんをどらして、彼方かなたきし跳上をどりあがる。
ことさま/″\にうもへられぬおもひのありしに、飛石とびいし足音あしおとより冷水ひやみづをかけられるがごとく、かへりみねども其人そのひとおもふに、わな/\とふるへてかほいろかわるべく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
遂々とう/\かわりにかわつて、あしができ、しつぽがれて、ちひさいけれど立派りつぱかへるになりました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
おもへども、れぬ不審ふしんうたがひのくもりて、たゞ一トさほ箪笥たんす引出ひきだしより、柳行李やなぎこりそこはかと調しらべて、もし其跡そのあとゆるかとぐるに、ちり一はしの置塲おきばかわらず
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大路おほぢ見渡みわたせばつみなき子供こどもの三五にんひきつれていらいたらいたなんはなひらいたと、無心むしんあそびも自然しぜんしづかにて、くるわかよくるまおとのみ何時いつかわらずいさましくきこえぬ。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さても/\のかはやう我身わがみ嫁入よめいりのうわさきこそめころから、やけあそびのそこぬけさわぎ、高坂かうさか息子むすこまる人間にんげんかわつたやうな、でもさしたか、たゝりでもあるか、よもや只事たゞごとではいと其頃そのころきしが
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
表町おもてまちとて横町よこちやうとておな教塲けうじやうにおしならべば朋輩ほうばいかわりははづを、をかしきへだてと常日頃つねひごろ意地いぢち、れはをんなの、とてもかなひがたき弱味よわみをば付目つけめにして、まつりの處爲しうちはいかなる卑怯ひきやうぞや
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)