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装
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よそほ
ふりがな文庫
“
装
(
よそほ
)” の例文
旧字:
裝
三
方
(
ぱう
)
は、
大巌
(
おほいは
)
夥
(
おびたゞ
)
しく
累
(
かさな
)
つて、
陰惨冥々
(
いんさんめい/\
)
たる
樹立
(
こだち
)
の
茂
(
しげみ
)
は、
根
(
ね
)
を
露呈
(
あらは
)
に、
石
(
いし
)
の
天井
(
てんじやう
)
を
蜿
(
うね
)
り
装
(
よそほ
)
ふ——こゝの
椅子
(
いす
)
は、
横倒
(
よこたふ
)
れの
朽木
(
くちき
)
であつた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丁度
祭日
(
まつりび
)
であつたその夕方に、綺麗に
装
(
よそほ
)
はれた街の幼い
男女
(
なんによ
)
は並木の
間々
(
あひだ/\
)
で鬼ごつこや何やと
幾団
(
いくだん
)
にもなつて遊んで居ました。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
湯加減を
偸
(
ぬす
)
んで名刀の名を馳せし刀鍛治左文字の故事を学ぶの最後の智慧を以て、或日は薄暮、或日は暁暗、亦時として通りすがりの様を
装
(
よそほ
)
つて、新八
名工出世譚
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼は女の貴族的に
装
(
よそほ
)
へるに反して、
黒紬
(
くろつむぎ
)
の紋付の羽織に
藍千筋
(
あゐせんすぢ
)
の
秩父銘撰
(
ちちぶめいせん
)
の袷着て、
白縮緬
(
しろちりめん
)
の
兵児帯
(
へこおび
)
も
新
(
あたらし
)
からず。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ついては明日、
曠
(
は
)
れの場を用ゐ、馬上
帯弓
(
たいきゅう
)
の
装
(
よそほ
)
ひにて、久々の御あいさつ申さむとこそ存ずれ。お覚悟いかに。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
奥様がわざ/\
磊落
(
らいらく
)
らしく
装
(
よそほ
)
つて、
剽軽
(
へうきん
)
なことを言つて、男のやうな声を出して笑ふのも、其為だらう。
紅涙
(
なんだ
)
が
克
(
よ
)
くお志保の顔を流れるのも、其為だらう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
もし万一信じられぬ場合は、少くとも信じてゐるらしい顔つきを
装
(
よそほ
)
はねばならぬものである。けれども
野蛮
(
やばん
)
なる菊池寛は信じもしなければ信じる
真似
(
まね
)
もしない。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
己は腹の立つのを我慢して、成るべく冷静な態度を
装
(
よそほ
)
つてこの気の変になつたドイツ人に道理を説いて聞かせた。その要点はかうである。お前の思案は好くあるまい。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
が何事も知らぬものゝ如く
装
(
よそほ
)
つて、
好加減
(
いゝかげん
)
に
話
(
はな
)
してゐた。すると
嫂
(
あによめ
)
が
一寸
(
ちよつと
)
自分の方を振り
向
(
む
)
いた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三度
(
みたび
)
⦅汝、詩人たるべし!⦆と呼び、
三度
(
みたび
)
我が
額
(
ぬか
)
を月桂樹もて
装
(
よそほ
)
うて、空の方へと連れ去つた。
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
蘭軒の歿後に、榛軒は抽斎、玄亭、椿庭の詩箋、枳園の
便面
(
べんめん
)
、玄道の短冊を一幅に
装
(
よそほ
)
ひ成したことがある。此幅は近年に至るまで徳さんの所にあつたが、今其所在を知らない。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そのせつ
那
(
な
)
に、
奧
(
おく
)
さんのまぶたに一
杯
(
ぱい
)
にじんでゐた
涙
(
なみだ
)
にひよいと
氕
(
き
)
がつくと、今まで
何氕
(
なにげ
)
なさを
装
(
よそほ
)
つてゐた青木さんの心は
思
(
おも
)
はずよろめいた。青木さんはあわててイスから
立
(
た
)
ち上つた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
たえ子はその
晩
(
ばん
)
も女中のお春と二人きりの
淋
(
さび
)
しい食卓に向つて、腹立しさと侮辱と悲哀とに
充
(
みた
)
された弱い心を
強
(
し
)
ひて平気らしく
装
(
よそほ
)
ひながら
箸
(
はし
)
を執つてゐたが、続いて来る
苛々
(
いら/\
)
しい長い一夜を考へると
復讐
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
波
(
なみ
)
の
珠玉
(
しゆぎよく
)
を
鏤
(
ちりば
)
め、
白銀
(
しろがね
)
の
雲
(
くも
)
の
浮彫
(
うきぼり
)
を
装
(
よそほ
)
ひ、
緑金
(
りよくきん
)
の
象嵌
(
ぞうがん
)
に
好木奇樹
(
かうぼくきじゆ
)
の
姿
(
すがた
)
を
凝
(
こ
)
らして、
粧壁彩巌
(
しやうへきさいがん
)
を
刻
(
きざ
)
んだのが、一
目
(
め
)
である。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
みな、
唐
(
から
)
の
装
(
よそほ
)
ひぞしたる。花かづらの色より始めて——天人の降り遊ぶらむもかくやとぞおぼゆる”
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
貫一は息も絶々ながら
緊
(
しか
)
と鞄を
掻抱
(
かきいだ
)
き、右の
逆手
(
さかて
)
に小刀を隠し持ちて、この上にも
狼藉
(
ろうぜき
)
に及ばば
為
(
せ
)
んやう有りと、油断を計りてわざと為す無き
体
(
てい
)
を
装
(
よそほ
)
ひ、
直呻
(
ひたうめ
)
きにぞ呻きゐたる。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
この
団欒
(
まどゐ
)
の中に彼の如く色白く、身奇麗に、しかも
美々
(
びび
)
しく
装
(
よそほ
)
ひたるはあらざるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
更
(
あらた
)
めて
其
(
そ
)
の
印
(
しるし
)
を
見
(
み
)
せう、……
前刻
(
さきに
)
も
申
(
まを
)
した、
鮫膚
(
さめはだ
)
の
縮毛
(
ちゞれけ
)
の、
醜
(
みにく
)
い
汚
(
きたな
)
い、
木像
(
もくざう
)
を、
仔細
(
しさい
)
ありげに
装
(
よそほ
)
ふた、
心根
(
こゝろね
)
のほどの
苦々
(
にが/\
)
しさに、へし
折
(
を
)
つて
捻切
(
ねぢき
)
つた、
女
(
をんな
)
の
片腕
(
かたうで
)
、
今
(
いま
)
返
(
かへ
)
すわ、
受取
(
うけと
)
れ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“装”の意味
《名詞》
(ソウ)装い。
(ソウ)書物の体裁。
(出典:Wiktionary)
装
常用漢字
小6
部首:⾐
12画
“装”を含む語句
扮装
服装
装束
装飾
身装
衣装
行装
旅装
装填
装置
偽装
盛装
黒装束
形装
仮装
装立
装幀
艤装
装上
装釘
...