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胎内
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たいない
ふりがな文庫
“
胎内
(
たいない
)” の例文
数千年来、数億の人々が
踏
(
ふ
)
み
固
(
かた
)
めてくれた、
坦々
(
たんたん
)
たる
平
(
たいら
)
かな道である。
吾人
(
ごじん
)
が母の
胎内
(
たいない
)
においてすでに幾分か聞いて来た道である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「私、母の
胎内
(
たいない
)
を出て、師僧に仕えてこの方、戒律を破ったことはありませぬ、それなのに、何故、お顔を拝ませて頂けないのでしょう」
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「自分のいのちは惜しみませんが、
胎内
(
たいない
)
のお子を産みおとすまで、どうかお情けに、生きることをゆるして下さい」と、
慟哭
(
どうこく
)
して訴えた。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寄
(
よ
)
つてお
出
(
い
)
でよと
甘
(
あま
)
へる
聲
(
こゑ
)
も
蛇
(
へび
)
くふ
雉子
(
きゞす
)
と
恐
(
おそ
)
ろしくなりぬ、さりとも
胎内
(
たいない
)
十
月
(
つき
)
の
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
して、
母
(
はゝ
)
の
乳房
(
ちぶさ
)
にすがりし
頃
(
ころ
)
は
手打
(
てうち
)
/\あわゝの
可愛
(
かわい
)
げに
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
金
(
かね
)
の
力
(
ちから
)
と
權威
(
けんゐ
)
を
以
(
もつ
)
て、
見事
(
みごと
)
に
此
(
こ
)
の
女
(
もの
)
祕藏
(
ひざう
)
し
見
(
み
)
すべし、
再
(
ふたゝ
)
び
是
(
これ
)
を
阿母
(
おふくろ
)
の
胎内
(
たいない
)
に
戻
(
もど
)
すことこそ
叶
(
かな
)
はずとも、などか
其
(
そ
)
の
術
(
すべ
)
のなからんや、いで
立處
(
たちどころ
)
に
驗
(
しるし
)
を
見
(
み
)
せう。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
小石姫は当時丁度
臨月
(
りんげつ
)
でございましたで、秋の夜露と消えました身の
胎内
(
たいない
)
から男の子が丸々と生れ出ました。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その
哥
(
うた
)
の一ツにハア〽うさぎ/\
児兎
(
こうさぎ
)
ハアヽ〽わが耳はなぜながいハアヽ〽母の
胎内
(
たいない
)
にいた時に
笹
(
さゝ
)
の
葉
(
は
)
を
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
現に私も月足らずの兒を生んだと評判をされる
口惜
(
くや
)
しさに、いろ/\の醫者にも學者にも訊き、子供が母親の
胎内
(
たいない
)
に宿るのは、丸十月(
太陰暦
(
たいいんれき
)
)足らずと知りました。
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
生れた時のことはむろんおぼえはなかったが、何でも母親の
胎内
(
たいない
)
に八月しかいなかったらしい。
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
耶蘇教は
我
(
が
)
強
(
つよ
)
く、仏教は
陰気
(
いんき
)
くさく、神道に
湿
(
しめ
)
りが無い。
彼
(
かの
)
大なる
母教祖
(
ははきょうそ
)
の
胎内
(
たいない
)
から生れ出た、陽気で簡明
切実
(
せつじつ
)
な平和の天理教が、
土
(
つち
)
の人なる農家に多くの信徒を
有
(
も
)
つは尤である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
砲塔のうしろの入口から
胎内
(
たいない
)
へおりるといきなり夜になってしまった。
だいこん
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
最も奇な事はその子が生れたからといって、決して洗いもしなければ
拭
(
ふ
)
きもしない。母の
胎内
(
たいない
)
から出て来た儘で少し汚れ物をほかへ取って置くだけの話。もっとも産婆というような者もありません。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
嘗てここに人間を愛してみたいと思つた
虚
(
うろ
)
の
胎内
(
たいない
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
かゝる
怨家
(
ゑんか
)
の
胎内
(
たいない
)
より
薄運
(
はくうん
)
の二
情人
(
じゃうじん
)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
胎内
(
たいない
)
くぐり
魔法博士
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
窟
(
あな
)
は、仏体の
胎内
(
たいない
)
にでも
象
(
かたど
)
ってあるのか、口はせまく、行くほどに広くなり、四壁には、諸仏、
菩薩
(
ぼさつ
)
、十二神将などの像が、
彫
(
ほ
)
りつけられてある。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
哥
(
うた
)
の一ツにハア〽うさぎ/\
児兎
(
こうさぎ
)
ハアヽ〽わが耳はなぜながいハアヽ〽母の
胎内
(
たいない
)
にいた時に
笹
(
さゝ
)
の
葉
(
は
)
を
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
宜敷
御廻
(
おまは
)
り下さるべし是のみ
心懸
(
こゝろがか
)
り故
縁者
(
えんじや
)
同樣の
貴殿
(
きでん
)
なれば此事頼み置なり
又
(
また
)
妻子
(
さいし
)
のことも
宜
(
よろし
)
くお
世話下
(
せわくだ
)
されよと
遺言
(
ゆゐごん
)
なし夫より
悴
(
せがれ
)
吉三郎に向ひ利兵衞殿
娘
(
むすめ
)
お菊は
其方
(
そなた
)
と
胎内
(
たいない
)
より
云號
(
いひなづけ
)
せしに付利兵衞殿を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
古
(
いにしえ
)
の名僧は、
大蔵
(
だいぞう
)
へ入って
万巻
(
まんがん
)
を読み、そこを出るたびに、少しずつ心の眼をひらいたという。おぬしもこの暗黒の一室を、母の
胎内
(
たいない
)
と思い、生れ出る支度をしておくがよい。
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
上
(
あげ
)
私し事は上州より
毎年
(
まいねん
)
江戸へ
太物商賣
(
ふとものしやうばい
)
に
參
(
まゐ
)
る
井筒屋茂兵衞
(
ゐづつやもへゑ
)
の
悴
(
せがれ
)
吉
(
きち
)
三郎と申者にて候是なる利兵衞は私し
親
(
おや
)
茂兵衞
(
もへゑ
)
と
兄弟
(
きやうだい
)
同樣
(
どうやう
)
に
交
(
まじは
)
り其上利兵衞の娘菊事私し
胎内
(
たいない
)
よりの
云號
(
いひなづけ
)
なり然るに私し十二歳の
際
(
とき
)
父茂兵衞病氣に付
枕元
(
まくらもと
)
へ利兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
数寄屋橋の原で、奉行所衆の割竹の下に、
莚
(
むしろ
)
をならべて、共に百叩きに会ったあげく、西と東に放たれたあの時は——もう彼女の肉体に、今の子どもは
胎内
(
たいない
)
にあったわけである。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さっき一同が
甲府
(
こうふ
)
から
指
(
さ
)
してきた時に、
汗
(
あせ
)
をしぼって一列に
駈
(
か
)
けた
野呂川
(
のろがわ
)
の
右岸
(
うがん
)
で、その
胎内
(
たいない
)
の
間道
(
かんどう
)
をくぐり、その
絶頂
(
ぜっちょう
)
のとりでへでようとこころみた
小太郎山
(
こたろうざん
)
そのものの
姿
(
すがた
)
は
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
胎内
(
たいない
)
にいた時、母が十分に食物を
摂
(
と
)
っていなかったせいか、五年漬の梅干みたいな顔をして生れ落ちたこの子は、七歳になっても、まだその不足が取り返せないとみえ、他の子より小粒で
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
下
(
お
)
りるとまたうねうねと道々がある、まるで
富士
(
ふじ
)
の
胎内
(
たいない
)
くぐりという
形
(
かたち
)
だ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
形を母の
胎内
(
たいない
)
に
托
(
たく
)
す
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
胎
常用漢字
中学
部首:⾁
9画
内
常用漢字
小2
部首:⼌
4画
“胎内”で始まる語句
胎内潜
胎内佛
胎内竇