トップ
>
神仏
>
かみほとけ
ふりがな文庫
“
神仏
(
かみほとけ
)” の例文
お前が
神仏
(
かみほとけ
)
を念ずるにも、まず第一に拝むと云った、その言葉が嘘でなければ、言わずとも分るだろう。そのお方のいいつけなんだ。
湯島の境内
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そうでしょう。
神仏
(
かみほとけ
)
は分からぬものです。実はわたしはもう今までしたような事を
罷
(
や
)
めて、わたしの勝手にしようかと思っています」
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
これぎり
空
(
むなし
)
く相成候が、
余
(
あまり
)
に
口惜
(
くちをし
)
く
存候故
(
ぞんじさふらふゆゑ
)
、一生に一度の
神仏
(
かみほとけ
)
にも
縋
(
すが
)
り候て、此文には私一念を巻込め、
御許
(
おんもと
)
に
差出
(
さしいだ
)
しまゐらせ候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
私も
神仏
(
かみほとけ
)
に心の
中
(
うち
)
でお詫ばっかり致して居りました、
何卒
(
どうぞ
)
堪忍してお呉んなさい、お父様を怨まずに私を悪い者と恨んでお呉んなさいまし
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その恐ろしさというものは、まったくの
生命
(
いのち
)
がけで、月明りをタヨリに、
神仏
(
かみほとけ
)
の
御名
(
おんな
)
を唱えながら見ておりましたが……
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
人々は皆
神仏
(
かみほとけ
)
のように畏敬し、深く前の軽薄を悔いて気を失うばかり……自分の
襤褸
(
ぼろ
)
屋敷の門内を賃借りする雑姓を追い出し——追い出すどころか
白光
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
正に其通り、与右衛門さんは
神仏
(
かみほとけ
)
なんか信ずる様な事はせぬ、徹頭徹尾
自力宗
(
じりきしゅう
)
の信者である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
不意の救いに驚いたのであろう、
阿濃
(
あこぎ
)
はあわてて、一二
間
(
けん
)
這
(
は
)
いのいたが、老人の
後
(
しりえ
)
へ倒れたのを見ると、
神仏
(
かみほとけ
)
をおがむように、太郎の前へ手を合わせて、震えながら頭を下げた。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
されば人は
常
(
つね
)
に
神仏
(
かみほとけ
)
を
信心
(
しん/″\
)
して
悪事
(
あくじ
)
災難
(
さいなん
)
を
免
(
まぬか
)
れん事をいのるべし。
神仏
(
かみほとけ
)
を
信
(
しん
)
ずる心の
中
(
うち
)
より悪心はいでぬもの也。悪心の
无
(
なき
)
が
災難
(
さいなん
)
をのがるゝ第一也とをしへられき。今も
猶
(
なほ
)
耳
(
みゝ
)
に残れり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
兄の
蘿月
(
らげつ
)
に依頼しては見たものゝ
矢張
(
やつぱり
)
安心が
出来
(
でき
)
ない。なにも昔の
道楽者
(
だうらくもの
)
だからと
云
(
い
)
ふ
訳
(
わけ
)
ではない。
長吉
(
ちやうきち
)
に
志
(
こゝろざし
)
を立てさせるのは
到底
(
たうてい
)
人間業
(
にんげんわざ
)
では
及
(
およば
)
ぬ事、
神仏
(
かみほとけ
)
の力に頼らねばならぬと思ひ出した。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
そうして、あの人が生きているに違いないと思ったり、もう、
疾
(
と
)
うに死んでしまったように思えたり、どうも気になってたまらないものですから、
神仏
(
かみほとけ
)
にお願い申すよりほかはないと思いました。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
康頼 それは
神仏
(
かみほとけ
)
の力でなくてはとてもできることではありません。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
あゝ
神仏
(
かみほとけ
)
が
私
(
わし
)
の様な悪人をなに助けて置こうぞ、此の鎌で自殺しろと云わぬばかりの
懲
(
こらし
)
めかあゝ恐ろしい事だと思い詰めて居りましたが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
昔より信仰厚き人達は、
現
(
うつつ
)
に
神仏
(
かみほとけ
)
の
御姿
(
おんすがた
)
をも
拝
(
をが
)
み候やうに申候へば、私とても此の一念の力ならば、決して
愜
(
かな
)
はぬ願にも
無御座
(
ござなく
)
と
存参
(
ぞんじまゐ
)
らせ候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
一晩と附切って介抱することのならなかった蝶吉の気はどんなであった? 人が
神仏
(
かみほとけ
)
を
怨
(
うら
)
むのは正にそういう時である。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お前はこれから思いきって、この土地を逃げ延びて、どうぞ都へ登っておくれ。
神仏
(
かみほとけ
)
のお導きで、よい人にさえ出逢ったら、筑紫へお下りになったお父うさまのお身の上も知れよう。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
兄の蘿月に依頼しては見たもののやっぱり安心が出来ない。なにも昔の道楽者だからという訳ではない。長吉に志を立てさせるのは到底
人間業
(
にんげんわざ
)
では
及
(
およば
)
ぬ事、
神仏
(
かみほとけ
)
の力に頼らねばならぬと思い出した。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
小野の小町
神仏
(
かみほとけ
)
の
悪口
(
わるぐち
)
はおよしなさい。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
神仏
(
かみほとけ
)
を祈って御座ったいじらしさ。
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
なんたる因果のことか、此の貧乏の中へ眼病とは実に
神仏
(
かみほとけ
)
にも見放されたことかと、
唯
(
たゞ
)
私
(
わし
)
の困る事よりお前に気の毒でならない
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どの道、妙に惚れてる奴だから、その真実愛しているものの云うことは、娘に取っては、
神仏
(
かみほとけ
)
の
御託宣
(
おつげ
)
と
同一
(
おんなじ
)
です。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
文の
主
(
ぬし
)
はかかれと祈るばかりに、命を捧げて
神仏
(
かみほとけ
)
をも驚かししと書けるにあらずや。貫一は又、自ら何の
故
(
ゆゑ
)
とも知らで、
独
(
ひと
)
りこれのみ
披
(
ひら
)
くべくもあらぬ者を披き見たるにあらずや。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「うん。それは分からん。分からんのが
神仏
(
かみほとけ
)
だ」
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
又親父が
遺
(
のこ
)
してまいりました
遺物
(
かたみ
)
同様の大事な品でございますから、是を取られては
神仏
(
かみほとけ
)
にも見離されたかと申して泣き倒れて居りまして
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
詮方
(
せんかた
)
なさに信心をはじめた。世に人にたすけのない時、源氏も平家も、
取縋
(
とりすが
)
るのは
神仏
(
かみほとけ
)
である。
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若
(
も
)
しや貴方にお目にかゝられる事もありましょうかと、
神仏
(
かみほとけ
)
を信じて居りました甲斐があって、お目にかゝる事が出来ました
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
母はもとより天道の
大御心
(
おおみこころ
)
には
協
(
かな
)
わぬ
生立
(
おいたち
)
、自分の体を
牲
(
にえ
)
にして、そして
神仏
(
かみほとけ
)
の手で、つまり
幽冥
(
ゆうめい
)
の間に蝶吉の身を救ってやろう、いずれ
母娘
(
おやこ
)
が、揃って泥水稼業というは
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あゝ実にお前に会うのも
皆
(
みんな
)
神仏
(
かみほとけ
)
のお叱りだと思うと、身を切られる程つらいと云う事を此の頃始めて覚えました、云わない事は解りますまいが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
推量して下さいまし、
愛想尽
(
あいそづか
)
しと思うがままよ、鬼だか
蛇
(
じゃ
)
だか知らない男と一つ処……せめて、
神仏
(
かみほとけ
)
の前で輝いた、あの、光一ツ
暗
(
やみ
)
に無うては
恐怖
(
こわ
)
くて死んでしまうのですもの。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
善「多助それというのもお前の心掛にある、
神仏
(
かみほとけ
)
のお恵みにあるから、これを貰わないと云う訳はない、貰え/\/\」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
まあね、……まるでお見えなさらないと言うじゃあないの。しまった、と思ったわ。半分夢中で、それでも私がここへ来たのは
神仏
(
かみほとけ
)
のお助けです。秦さん、私が助けるんだと思っちゃあ
不可
(
いけな
)
い。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
音「何も心配は有りませんが、
何
(
なん
)
にしても若旦那が眼が悪いんざますから、私は
神仏
(
かみほとけ
)
に願って御全快を祈りましょう」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そら、幻にでも
神仏
(
かみほとけ
)
を見たいでしょう。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此方
(
こなた
)
のお町は
隅
(
すみ
)
の方に
蹲
(
うずく
)
まり、両手を合せて一心に
神仏
(
かみほとけ
)
を念じて居りますと、何か落ちて手の甲に当りました。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
実は姉と私と
神仏
(
かみほとけ
)
に信心をして、行方を捜したのだが、今に死んだか生きたか
生死
(
しょうし
)
の程も分らずに居るが
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と云うので
此方
(
こちら
)
も見送る、右内は見返りながら、金の出来よう筈はないが、
神仏
(
かみほとけ
)
の
恵
(
めぐみ
)
で、何うか才覚したいものだと考えながら、うか/\と大原村という処へ掛りました所が
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
急がれる程
尚
(
な
)
おおじ/\致しますが、一生懸命に心の内に
神仏
(
かみほとけ
)
を念じて粗相のないようにと元のように皿を箱に入れてしまい、是れから白菊の方の紐を解いて、
漸々
(
だん/″\
)
三重箱迄開け
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お金の
抵当
(
ていとう
)
に
此処
(
こゝ
)
の伯母さんに此の観音様を取られましたから、母は
神仏
(
かみほとけ
)
にも見離されたかと申して泣き続けて居りますから、どうか母の気を休めようと思い、旦那を取ると申しまして
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
もう国を出ましてから十九年で、私が
未
(
いま
)
だ生れぬ前に、江戸屋敷詰に成りまして、それから江戸屋敷から行方知れずに成りましたので、段々姉と
両人
(
ふたり
)
で
神仏
(
かみほとけ
)
に祈念して行方を捜しましたが
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此の鎌は女房のお累が自害をし、
私
(
わっち
)
が人を
殺
(
あや
)
めた草苅鎌だが、廻り廻って
私
(
わっち
)
の手へ来たのは此の鎌で死ねという
神仏
(
かみほとけ
)
の
懲
(
こらし
)
めでございまするから、其のいましめを背かないで自害致しまする
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
えゝ命から次の大事なものでも
拠
(
よんどころ
)
ない、
斯
(
こ
)
ういう
切迫詰
(
せっぱつま
)
りになって、人の手に観音様が入ってしまうのは、親子三人
神仏
(
かみほとけ
)
にも見離されたと諦めて、お上げ申さなければ話が
落着
(
おちつ
)
かねえではないか
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
混雑の中だからどんな怪我がないものでもない、さすれば却って不孝になりますよ、
神仏
(
かみほとけ
)
と云うものは
家
(
うち
)
にいて拝んでも
利益
(
りやく
)
のあるものだから、夜中に来てお百度を踏むのは止したほうがよろしい
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
早くナ
婿
(
むこ
)
でも貰い、楽隠居がしたいと思い、日頃信心
気
(
け
)
のない
私
(
わたくし
)
なれども、娘の病気を治そうと思い、夏とは云いながら此の老人が水をあびて
神仏
(
かみほとけ
)
へ祈るくらいな訳で、ところが昨夜娘のいうには
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
祖「あゝ有難い、
神仏
(
かみほとけ
)
のお引合せで、
図
(
はか
)
らず親の
仇
(
かたき
)
に
廻
(
めぐ
)
り逢った」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
神
常用漢字
小3
部首:⽰
9画
仏
常用漢字
小5
部首:⼈
4画
“神仏”で始まる語句
神仏混淆
神仏耶