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碌々
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ろく/\
ふりがな文庫
“
碌々
(
ろく/\
)” の例文
生徒も心を
沈着
(
おちつ
)
けて
碌々
(
ろく/\
)
勉強することが出来ないといふ風だ。でも此節はいくらか慣れて、斯の混雑の中で、講義を続けることが出来る。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
初対面の
挨拶
(
あいさつ
)
の時、わたしの義理の子ともならう筈の若者は、いかにもムツツリと構へてゐて、ひと通りの礼儀としての挨拶も
碌々
(
ろく/\
)
せぬのだ。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
忠太は、お定に言つたと同じ樣な事を、繰返してお八重にも語つたが、お八重は返事も
碌々
(
ろく/\
)
せず、
脹
(
ふく
)
れた顏をしてゐた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
爲
(
な
)
す
有
(
あ
)
る
人
(
ひと
)
となれ』とは
先生
(
せんせい
)
の
訓言
(
くんげん
)
でした。
人
(
ひと
)
は
碌々
(
ろく/\
)
として
死
(
し
)
ぬべきでない、
力
(
ちから
)
の
限
(
かぎり
)
を
盡
(
つく
)
して、
英雄
(
えいゆう
)
豪傑
(
がうけつ
)
の
士
(
し
)
となるを
本懷
(
ほんくわい
)
とせよとは
其倫理
(
そのりんり
)
でした。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
管
(
かま
)
はんで置くと、好い気に
為
(
な
)
るだア。此奴の為めに、村中大騒を遣つて、夜も
碌々
(
ろく/\
)
寝られねえに、酒を
食
(
くら
)
はせて、勝手な事を言はせて置くつて言ふ法は
無
(
ね
)
えだ。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
友「有難うございます、
恐入
(
おそれいり
)
ます、お茶も
碌々
(
ろく/\
)
差上げませんで、明後日は相違なく夕方までに持参いたします、へえ/\有難うございます、左様ならお帰り遊ばせ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
くしやりと
首
(
くび
)
を
折
(
を
)
つたなり
家
(
うち
)
へ
歸
(
かへ
)
つて、
其
(
その
)
夜
(
よる
)
は
夫
(
をつと
)
の
顏
(
かほ
)
さへ
碌々
(
ろく/\
)
見上
(
みあ
)
げなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
或
(
ある
)
日の
午
(
ひる
)
過ぎ、
例
(
いつも
)
のやうに慌てて入つて来た。
心安立
(
こゝろやすだて
)
に
碌々
(
ろく/\
)
挨拶もしないで、膝を進めたと思ふと、
其処
(
そこ
)
に居合はせた娘の伯父の手を取つた。伯父は密源といつて頭を
円
(
まる
)
めた
僧侶
(
ばうさん
)
であつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と
云
(
い
)
ふものは、
碌々
(
ろく/\
)
貝塚
(
かひづか
)
を
發掘
(
はつくつ
)
して
見
(
み
)
もせずに、
直
(
たゞ
)
ちに
地中
(
ちちう
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
知
(
し
)
つた
振
(
ふり
)
をして、
僅少
(
きんせう
)
なる
遺物
(
ゐぶつ
)
を
材料
(
ざいれう
)
に、
堂々
(
だう/\
)
たる
大議論
(
だいぎろん
)
を
並
(
なら
)
べ、
然
(
さ
)
うして
自個
(
じこ
)
の
學説
(
がくせつ
)
を
立
(
た
)
てるのに
急
(
きふ
)
な
人
(
ひと
)
が
無
(
な
)
いでも
無
(
な
)
い。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
十二月
大晦日
(
おほつごもり
)
に持行けるが四郎右衞門其日は殊の外勘定に
取込居
(
とりこみをり
)
三郎兵衞の來りても
碌々
(
ろく/\
)
挨拶
(
あいさつ
)
もせず
帳合
(
ちやうあひ
)
を
爲居
(
なしゐ
)
たりし所へ三郎兵衞右の金百兩を返濟しければ
其儘
(
そのまゝ
)
硯筥
(
すゞりばこ
)
の上に置て下女に申付
酒
(
さけ
)
肴
(
さかな
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何方
(
どなた
)
がお出でになってもお逢いにはなりません、
種々
(
いろ/\
)
な名を附けてお出でになります、
碌々
(
ろく/\
)
知らんものでも
馴々
(
なれ/\
)
しく私は書家でございます、
拙筆
(
せっぴつ
)
を御覧に入れたいと
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何か思出したやうに嘆息して、『近頃の人物を数へると、いづれも年少気鋭の士ですね。我輩なぞは斯の
年齢
(
とし
)
に成つても、未だ
碌々
(
ろく/\
)
として居るやうな訳で、考へて見れば実に御恥しい。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それは
外
(
ほか
)
でもない。
父
(
ちゝ
)
と
兄
(
あに
)
が、近来目に
立
(
た
)
つ様に、
忙
(
いそが
)
しさうに奔走し始めて、此四五日は
碌々
(
ろく/\
)
寐
(
ね
)
るひまもない位だと云ふ報知である。全体何が
始
(
はじま
)
つたんですと、代助は平気な
顔
(
かほ
)
で聞いて見た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
根本
(
ねもと
)
(青年の名は根本
行輔
(
かうすけ
)
と言ふので)の家柄は村では左程重きを置かれて居ないので、今でこそ村第一の
富豪
(
かねもち
)
などと威張つて居るが、親父の代までは人が
碌々
(
ろく/\
)
交際も
為
(
し
)
ない程の貧しい身分で
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
碌々
(
ろく/\
)
耳にも入ず
適々
(
たま/\
)
の御無心と云殊には母のことなれば
何樣
(
どのやう
)
にも都合して
上度
(
あげたき
)
は山々なれども
當暮
(
たうくれ
)
は未だ
掛先
(
かけさき
)
より少も拂ひが集まらず
其外
(
そのほか
)
不都合だらけにて
頓
(
とん
)
と金子は手廻り兼ればお氣の毒ながら御
斷
(
ことわ
)
り申ます
勿々
(
なか/\
)
私し
風情
(
ふぜい
)
の身にて人の
合力
(
がふりよく
)
など致す程の
器量
(
きりやう
)
はなし
外々
(
ほか/\
)
にて御都合成れよと取付端もなき
返
(
へん
)
答にお菊は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
文「やい最前から是ほど申しても分らぬか、いかに言葉が
碌々
(
ろく/\
)
通ぜずとも、あれ程手を合わして頼んだじゃないか、いよ/\
肯
(
き
)
かずば
打殺
(
うちころ
)
すぞ、さア
何
(
ど
)
うだ、これでもか」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
噫
(
あゝ
)
。我輩の
生涯
(
しやうがい
)
なぞは実に
碌々
(
ろく/\
)
たるものだ。』と敬之進は更に嘆息した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「本当に因つて
了
(
しま
)
ふですア、夜も
碌々
(
ろく/\
)
寝られないのですから」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
卑
(
ひく
)
ふして頼けるに三郎兵衞は
碌々
(
ろく/\
)
耳にも入ず合力は一向なり申さず
勿論
(
もちろん
)
昔
(
むかし
)
は借用致したれども夫は殘らず返濟したり
然
(
さ
)
すれば何も申分有べからずとの返答に四郎右衞門
成程
(
なるほど
)
其金は受取たれども
仕舞
(
しまひ
)
の百兩は
大晦日
(
おほみそか
)
の事にて
帳
(
ちやう
)
へは付ながら金は見え申さず不思議の事と思へども
最早
(
もはや
)
夫
(
それ
)
は
昔
(
むかし
)
の事我等が
厄落
(
やくおと
)
しと存じ思切て
濟
(
すま
)
したり夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
重「
先達
(
さきだっ
)
ては
御恵
(
おめぐ
)
みを受け、
碌々
(
ろく/\
)
お礼も申上げやせんでしたが、今日は少々急ぎますから」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
また
上
(
かみ
)
に置かせられてもお聞き及びの通り御病中ゆえ、
碌々
(
ろく/\
)
お訪ね申さんが、予の病気より梅の御殿の方が案じられると
折々
(
おり/\
)
仰せられます、
今日
(
こんにち
)
は御病気伺いとして
御名代
(
ごみょうだい
)
に
罷
(
まか
)
り出ました
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
碌
漢検1級
部首:⽯
13画
々
3画
“碌”で始まる語句
碌
碌碌
碌米
碌素法