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深林
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しんりん
ふりがな文庫
“
深林
(
しんりん
)” の例文
鈍
(
にぶ
)
い
砂漠
(
さばく
)
のあちらに、
深林
(
しんりん
)
がありましたが、しめっぽい
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふ
)
く五
月
(
がつ
)
ごろのこと、その
中
(
なか
)
から、おびただしい
白
(
しろ
)
い
蛾
(
が
)
が
発生
(
はっせい
)
しました。
北海の波にさらわれた蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
小木
(
せうぼく
)
は
枝
(
えだ
)
諸共
(
もろとも
)
に
伐
(
き
)
り
倒
(
たほ
)
して
猛進
(
まうしん
)
するのであるから、
如何
(
いか
)
なる
險山
(
けんざん
)
深林
(
しんりん
)
に
會
(
くわい
)
しても、
全
(
まつた
)
く
進行
(
しんかう
)
を
停止
(
ていし
)
せらるゝやうな
患
(
うれひ
)
はないのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
竹童
(
ちくどう
)
はヒラリと身をかえして、また
以前
(
いぜん
)
のお
花畑
(
はなばたけ
)
から
陣馬
(
じんば
)
ヶ
原
(
はら
)
を
馳
(
か
)
けぬけて、
愛鷲
(
あいしゅう
)
クロを
飼
(
か
)
っておく
深林
(
しんりん
)
のくぼへ走りこんだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
独
(
ひとり
)
坐幽篁裏
(
ゆうこうのうちにざし
)
、
弾琴
(
きんをだんじて
)
復長嘯
(
またちょうしょうす
)
、
深林
(
しんりん
)
人不知
(
ひとしらず
)
、
明月来
(
めいげつきたりて
)
相照
(
あいてらす
)
。ただ二十字のうちに
優
(
ゆう
)
に
別乾坤
(
べつけんこん
)
を
建立
(
こんりゅう
)
している。この乾坤の
功徳
(
くどく
)
は「
不如帰
(
ほととぎす
)
」や「
金色夜叉
(
こんじきやしゃ
)
」の功徳ではない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
併し既に営まれている二十に近い開墾小屋は、とても他人を容れる余地を持たない、いずれも小さなものばかりだった。彼等は開墾場に近い
深林
(
しんりん
)
の中に枯れ木を焚いて一夜を明かした。
熊の出る開墾地
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
▼ もっと見る
秋
寂
(
さ
)
びた
深林
(
しんりん
)
の
背景
(
はいけい
)
に、何と云う
好調和
(
こうちょうわ
)
であろう。彼等アイヌは
亡
(
ほろ
)
び行く
種族
(
しゅぞく
)
と
看做
(
みな
)
されて居る。然し此
森林
(
しんりん
)
に於て、彼等は
正
(
まさ
)
に
主
(
あるじ
)
である。
眼鏡
(
めがね
)
やリボンの我等は
畢竟
(
ひっきょう
)
新参
(
しんざん
)
の
侵入者
(
しんにゅうしゃ
)
に過ぎぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
千古
斧鉞
(
ふゑつ
)
の入らないやうな
深林
(
しんりん
)
が、人間の知識や感情では何うしても入つて行くことの出来ないやうな境があることを言つたが、さういふ境であるにも拘らず、作者はよくそこに入つて行つては
小説新論
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
それよりして
奥入瀬川
(
おいらせがは
)
の
深林
(
しんりん
)
を
穿
(
うが
)
つて
通
(
とほ
)
る、
激流
(
げきりう
)
、
飛瀑
(
ひばく
)
、
碧潭
(
へきたん
)
の、
到
(
いた
)
る
処
(
ところ
)
に、
松明
(
たいまつ
)
の
如
(
ごと
)
く、
灯
(
ともしび
)
の
如
(
ごと
)
く、
細
(
ほそ
)
くなり
小
(
ちひ
)
さくなり、また
閃
(
ひらめ
)
きなどして、——
子
(
ね
)
の
口
(
くち
)
の
湖畔
(
こはん
)
までともなつたのは、この
焚火
(
たきび
)
と
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この
深林
(
しんりん
)
を背景に、重太郎は無言の
俳優
(
やくしゃ
)
として舞台に立っていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼方
(
かなた
)
の
山背
(
やまかげ
)
からぞろ/\と
現
(
あら
)
はれて
來
(
き
)
たが、
我
(
わ
)
が
鐵車
(
てつしや
)
を
見
(
み
)
るや
否
(
いな
)
や
非常
(
ひじやう
)
に
驚愕
(
おどろ
)
いて、
奇聲
(
きせい
)
を
放
(
はな
)
つて、
向
(
むか
)
ふの
深林
(
しんりん
)
の
中
(
なか
)
へと
逃
(
に
)
げ
失
(
う
)
せた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
自分
(
じぶん
)
たちの
生
(
う
)
まれた、
故郷
(
こきょう
)
の
深林
(
しんりん
)
をふたたびかすめて
飛
(
と
)
び、さらに、
明
(
あ
)
くる
日
(
ひ
)
は、
鈍
(
にぶ
)
い
砂漠
(
さばく
)
を
越
(
こ
)
して、
遠
(
とお
)
くまでいったのでありました。
北海の波にさらわれた蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
……
奥入瀬
(
おいらせ
)
の
深林
(
しんりん
)
を一
処
(
ところ
)
、
岩窟
(
いはむろ
)
へ
入
(
はい
)
る
思
(
おも
)
ひがした。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかし、こんなに、みんながこの
深林
(
しんりん
)
を
見捨
(
みす
)
てて、
出発
(
しゅっぱつ
)
した
後
(
あと
)
にも、二十や、三十の
蛾
(
が
)
は、みんなといっしょにゆかずにあとにとどまりました。
北海の波にさらわれた蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見
(
み
)
る/\
内
(
うち
)
に
其
(
その
)
形
(
かたち
)
は
一團
(
いちだん
)
となつて、
深林
(
しんりん
)
の
中
(
なか
)
に
見
(
み
)
えずなつた。
稻妻
(
いなづま
)
は
果
(
はた
)
してよく
此
(
この
)
大使命
(
だいしめい
)
を
果
(
はた
)
す
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
るであらうか。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
“深林”の意味
《名詞》
樹木が茂る深い林。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
深
常用漢字
小3
部首:⽔
11画
林
常用漢字
小1
部首:⽊
8画
“深”で始まる語句
深
深山
深傷
深淵
深更
深切
深川
深夜
深々
深沈