心理しんり)” の例文
〔譯〕心理しんりは是れたての工夫なり、愽覽はくらんは是れよこの工夫なり。たての工夫は、則ち深入しんにふ自得じとくせよ。よこの工夫は、則ち淺易せんい汎濫はんらんなれ。
すなは太古たいこ國民こくみんかならずしもいし工作こうさくして家屋かをくをつくることをらなかつたのではない。たゞその心理しんりから、これを必要ひつえうとしなかつたまでゞある。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
しゅ殺気さっき群集ぐんしゅう心理しんりをあっして、四ばん試合じあい、五番試合をいいつのる者も、それをぼうかんしている立場たちばの者も、なんとなくあらッぽい気分にねっしてきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
アメリカの資本家しほんか搾取さくしゆされるのも、日本にほん資本家しほんか搾取さくしゆされるのもおなじわけだが、日本にほん勞働者らうどうしやとしては、まつたく『おなじわけ』にかない心理しんりのこつてゐる。
老工夫ろうこうふは、この狡猾こうかつな、暴虐者ぼうぎゃくしゃ心理しんりさとると、このままにしておけないがしたのでした。
言ひ換へれば、氏はあまうますぎて、人間の本當の心理しんりの境を越えて飛躍ひやくしすぎるのでせう。
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
しかし、私はたゞなにらずに煙草たばこを吹かせてぼんやりとしてゐただけである。このぼんやりとしたゆるんだ心理しんりつゞいてゐる空虚くうきよ時間じかんに、もく々として私達わたしたち運命うんめいうごかせてゐた何物なにものかがあつた。
美しい家 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
群集ぐんしゅう心理しんりが、かく落ちつかなくなったものを、にわかに鎮撫ちんぶすることは、とうてい容易よういなことではない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たゞし、資本しほんは一めんいておほいに國家的こくかてきであるから國際戰爭こくさいせんさうおこり、したがつてまた國家的こくかてき社會主義者しやくわいしゆぎしやもあり、コスモポリタンにざる心理しんりはたらきがそこにる。
自分じぶんの一心理しんり標準へうじゆんとし、これたゞしいものと獨斷どくだんして、の一心理しんり否認ひにんすることは兎角とかく誤妄ごもうおちいるのおそれがある。これはおほい考慮かうりよしなければならぬことである。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
んでゐると、そのえた力におどろき、亦引摺ひきずられても行きますが、さて頁を伏せて見て、ひよいと今作者さくしやに依つてゑがかれた人物の心理しんりを考へて見ると、人物の心理のせんすぢけはきはめてあざやかに
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
A フーン、そいつア面白おもしろはなしだね。學生がくせいとしてはすこ不穩ふおん行動かうどうかもれないが、多數たすう葉書はがき受取うけとひと心理しんり研究けんきうするには材料ざいれうだね。きみ實際じつさい葉書研究はがきけんきう專門家せんもんかだよ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
またひと建築けんちく本義ほんぎは「實」であるとふかもれぬ。いづれがせいいづれがじやであるかは容易よういわからない。ひと心理状態しんりじやうたい個々こゝことなる、その心理しんり境遇きやうぐうしたが移動いどうすべき性質せいしつもつる。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
必然ひつぜんにどうしてもその心理しんりうごき方が、む者の心持こゝろもちにしつくりはまつて來ないといふがします。これを言ひへれば、氏の心理描寫しんりべうしや心理解剖しんりかいばうであつて、心理描寫しんりべうしやではないのでありますまいか。
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
したがつてまた勞働運動者らうどううんどうしや心理しんりがコスモポリタンになるのは當然たうぜんである。