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座蒲團
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ざぶとん
原稿を
書く、
氣もちよく
筆が
運ぶので
夢中になつた、その
夢中を
覺ました
聲は
猫である、あら
座蒲團に
座つて、すましてゐる。
焔の
下をくゞるときは、
手拭にて
頭部を
被ふこと。
手拭が
濕れてゐれば
猶よく、
座蒲團を
水に
浸したものは
更によし。
二三
人小さな
療治が
濟んで十二三の
男の
子が
仕事衣の
儘な二十四五の
百姓に
負はれて
醫者の
前に
据ゑられた。
醫者は
縁側の
明るみへ
座蒲團を
敷いて
出た。
さも/\
待ちかねたといふ
風にして、
但馬守は
座蒲團の
上から
膝を
乘り
出した。
越しての
肩縫あげ
可愛らしき
人品なりお
高さま
御覽なされ
老人なき
家の
埒のなさ
兄は
兄とて
男の
事家内のことはとんと
棄物私一人が
拍つも
舞ふもほんに
埃だらけで
御座いますと
笑ひて
誘ふ
座蒲團の
上おかまひ
遊ばすなと
沈み
聲にお
高うやむやの
胸の
關所たれに
打明けん
相手もなし
朋友の
誰れ
彼れ
睦まじきもあれどそれは
其の
席に
配つた、
座蒲團一つ
一つの
卓の
上に、
古色やゝ
蒼然たらむと
欲する
一錢銅貨がコツンと
一個。
座にひらきを
置いて、
又コツンと
一個、
會員の
數だけ
載せてある。
對向ひに、
一寸背を
捻つた、
片手を
敷辷らした
座蒲團の
端に
支いて、すらりと
半身、
褄を
内掻に
土間に
揃へた、
九か
二十と
見えた、
白足袋で、これも
勝色の
濃いコートを
姿よく
着たが、
弟を
横にして