おは)” の例文
あまりにこひしうなつかしきをりみづかすこしははづかしきおもひ、如何いかなるゆゑともしるにかたけれど、且那だんなさまおはしまさぬとき心細こゝろほそへがたう、あにともおやとも頼母たのもしきかたおもはれぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よくよく見れば、伊東巳代治みよぢの君と岡崎邦輔の君となり。何れ劣らぬ梅桜、世にもしほらしき人達にておはせば、婦人室は尤も似つかはしく、何事をか語らひて居たまひけん。
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
國々へひろめんとて又々諸國武者修行むしやしゆぎやうこゝろざし旅立たびだちせんと云に半四郎は是をとゞめ最早御老年の御事此上の御修行にもおよぶまじければ是までの如く當所たうしよおはして以後は月雪花つきゆきはなながめともとなし老を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今年ことし三月さんぐわつなかばより、東京市中とうきやうしちうおだやかならず、天然痘てんねんとう流行りうかうにつき、其方此方そちこちから注意ちういをされて、身體髮膚しんたいはつぷこれを父母ふぼにうけたりあへそこなやぶらざるを、と父母ふぼおはさねども、……生命いのちしし
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御胎内の尊きにておはすひりをの若君を我等にあらはし玉へ
そのなかに君はおはせり。緑髪みどりがみ肩に波うち
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
父母はおはして待てど
駱駝の瘤にまたがつて (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
うもなんともはれぬ氣持きもちなりました、貴郎あなたにはわらはれて、かられるやうこと御座ござりましよとしたいておはするに、ればなみだつゆたまひざにこぼれてあやしうおもはれぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
偖主人の鬼一殿は何処におはすぞと見てあれば、大玄関の真中に、大礼服のよそほひ美々しく、左手ゆんで剣𣠽けんぱを握り、右に胡麻塩ごましほ長髯ちようせんし、いかめしき顔して、眼鏡を光らしつゝたゝずみたまふが
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
聞て大いに驚き扨は御客樣が後藤先生にておはせしか御縁ごえんと云ものは眞實まことに不思議なものなり知ぬ事とは申ながら先刻せんこくより大いに失禮仕しつれいつかまつりしだん眞平まつぴら御免ごめん下さるべし只今たゞいま上州大間々に御道場を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
深く御柔軟、深く御哀憐すぐれておは
目鼻めはなだちよりかみのかゝり、ならびのところまでたとはおろ毋樣はゝさまそのまゝのうまれつき、奧樣おくさま父御てゝごといひしは赤鬼あかおにらうとて、十ねん以前まへまではものすごいひからせておはしたるものなれど
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ころ徳太郎君と申し御部屋ずみにて將監方におはしけるが彼澤の井に御手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)