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各々
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おのおの
ふりがな文庫
“
各々
(
おのおの
)” の例文
各々
(
おのおの
)
従者を
随
(
したが
)
え、また友情に厚き人々のこととて多くの見舞品などを携え、沙漠の舟と
称
(
よ
)
ばるる駱駝に乗りて急ぎ来ったのであろう。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
そこの主人はこの町の三等郵便局に十何年勤続して、月給
僅
(
わずか
)
に五
拾円
(
じゅうえん
)
、盆暮れの手当てが
各々
(
おのおの
)
二拾円に
充
(
み
)
たないという身の上であった。
毒草
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
これは、この仲間うちで
各々
(
おのおの
)
の札につけ替えた名前である。一勝負かたづくと、例によって例の如く、かなり騒々しく議論を闘わした。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
人
各々
(
おのおの
)
その畑あり、先生が教壇に立たるるのは、これ明らかに演説をなさるがためであって、其許の演説を聴かれるためではない。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
すると寒月が「奥深く毛も見えずはいけますまいか」と
各々
(
おのおの
)
出鱈目
(
でたらめ
)
を並べていると、垣根に近く、往来で「
今戸焼
(
いまどやき
)
の
狸
(
たぬき
)
今戸焼の狸」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
けれども、
暫
(
やが
)
てその人たちも、劍の平蔵谷に、長次郎谷に、そのモニューメントを残して
各々
(
おのおの
)
山人らしくこの世を去ってゆくのであろう。
案内人風景
(新字新仮名)
/
百瀬慎太郎
、
黒部溯郎
(著)
それ故列強が
各々
(
おのおの
)
手に地図を案じ、
何処
(
どこ
)
から
何処
(
どこ
)
までが
何処
(
どこ
)
の勢力範囲だと定むる事も出来たが、支那はそれと全く事情を異にしている。
三たび東方の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
俳句はそれらの文芸に
較
(
くら
)
べて
各々
(
おのおの
)
短所を持っているものといえる、しかしそれと同時に俳句は他の文芸にない長所を持っている。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
つまり
各々
(
おのおの
)
異った光りをもつ四つの堂が、互に光りを交しながら全体として壮麗な美を現出するという、不思議な効果をもっているのだ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
王之臣
(
おうししん
)
は
補鍋
(
ほか
)
を
以
(
もっ
)
て生計を為さんとして
老補鍋
(
ろうほか
)
と称し、
牛景先
(
ぎゅうけいせん
)
は
東湖樵夫
(
とうこしょうふ
)
と称し、
各々
(
おのおの
)
姓を
埋
(
うず
)
め名を変じて
陰陽
(
いんよう
)
に
扈従
(
こしょう
)
せんとす。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
学生なら学校生活、職工ならその労働、会社員は会社の仕事、
各々
(
おのおの
)
の生活をすればいい。
而
(
しこう
)
して、小説を書く修業をするのが本当だと思う。
小説家たらんとする青年に与う
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
第十条 天皇ハ行政各部ノ
官制
(
かんせい
)
及
文武官
(
ぶんぶかん
)
ノ俸給ヲ定メ及文武官ヲ任免ス但シ
此
(
こ
)
ノ憲法又ハ他ノ法律ニ特例ヲ掲ケタルモノハ
各々
(
おのおの
)
其ノ条項ニ
依
(
よ
)
ル
大日本帝国憲法
(旧字旧仮名)
/
日本国
(著)
それは
各々
(
おのおの
)
の境遇が変つて了ふ為で、智恵子等のそれは、卒業してからも同じ職業に就いてるからこそ、同級会といふ様なものも出来るのだ。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そのときまで自分たちお互いは心のなかで、光の焦点のように
各々
(
おのおの
)
の心の中に現われている、あるひとつの想いについて寂しい路を歩いていたのだった。
涸沢の岩小屋のある夜のこと
(新字新仮名)
/
大島亮吉
(著)
(逸作もかの女も、自分の息子が子供時代を離れ、一つの人格として認め得た時から息子への愛が確立したのだ。)本能で
各々
(
おのおの
)
その親達が愛するのは
宜
(
よ
)
い。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
早稲田大学は
本
(
もとも
)
と高田、天野、坪内のトライアンビレートを以て成立した。三君
各々
(
おのおの
)
相譲らざる功労がある。
明治の文学の開拓者:――坪内逍遥――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
富三と栄吉とは大正十二年八月三十日に
各々
(
おのおの
)
家
(
うち
)
の金を五十円ずつ持って東京さして出かけましたが、腹の悪い富三は栄吉の五十円を奪う目的で、甘言をもって
頭蓋骨の秘密
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「ヨク菜ヲ治スル者ハ
須
(
すべから
)
ク……一物ヲシテ
各々
(
おのおの
)
一性ヲ献ジ、一椀ヲシテ各々一味ヲ成サシム……」
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
政府の身になって見れば、この諸藩三百の大名が
各々
(
おのおの
)
色変りの武器を作り色変りの兵を備えて置くその始末に
堪
(
た
)
まるものじゃない、ドウしたッて一様にしたいと云うのは
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
この家には五十四、五になる夫婦と、若夫婦と、若夫婦の子供が二人に、弟が二人のほかに、店員と女中とが
各々
(
おのおの
)
一人ずつ、それに私を混ぜて都合十一人の家族が住んでいた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
白村
(
はくそん
)
の近代の恋愛観のエッセイを読み続けてゆくと、家名、利害をはさまず、人格と人格の結合、魂と魂との接触というが、白蓮、伊藤、宮崎
各々
(
おのおの
)
辿
(
たど
)
るべきをたどった。(鉄箒)
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
西洋料理人でも日本料理人でも今の有様は
椽
(
えん
)
の下の力持、誰が好い腕を持っている、誰が何料理を得意にすると
各々
(
おのおの
)
独得の
技倆
(
ぎりょう
)
を持っていながら
更
(
さ
)
らに世人へは知れていません。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
更に大きい爆弾で二百キロ、三百キロ、五百キロ、二千キロというようなところまである。
各々
(
おのおの
)
直径十三メートル、十五メートル、十七メートル、二十メートルといった孔が出来る。
空襲下の日本
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その左右の二個はやがて又、
各々
(
おのおの
)
上下の二個ずつに分裂、増殖する。そうして
矢張
(
やは
)
り、その四個とも一つに密着し合って、母胎から栄養を
摂
(
と
)
りつつ、一個の生物の機能を営んでいる。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
この女の対象はただ男の
各々
(
おのおの
)
の生殖器で、それに対する好奇心が全部であった。
いずこへ
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
軍はただちに台中・花蓮港・台北の各大隊より、
各々
(
おのおの
)
警察隊応援の目的で進発させた。警察隊と軍隊とは相協力して、埔里、能高、ビヤナンの三方面より霧社を挟撃しようというのである。
霧の蕃社
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
確かにあれ
丈
(
だ
)
けの変化が一度に起ったとは思われん。いや、それどころか
各々
(
おのおの
)
の変化には、みんなハッキリした順序が見えている。後頭部の打撲傷や身体各所の激しい擦過傷を思い出し給え。
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
甲板
(
デッキ
)
の上は一時
頗
(
すこぶ
)
る
喧擾
(
けんじょう
)
を
極
(
きわ
)
めたりき。乗客は
各々
(
おのおの
)
生命を
気遣
(
きづか
)
いしなり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
学問でも芸術でも宗教でも恋愛でも、それが人格と同化してしまって、芸術が自分か、自分が芸術か分らぬほど面白くなれば、それらの
各々
(
おのおの
)
の趣味が最も高い程度に達しているものだと私は心得ます。
離婚について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
かの十人の者ひとりも他国
仕
(
つかまつ
)
るな、という
仰
(
おお
)
せがあり、やがて初春の二十五日に、お役所からお達しがあり、かの十人の者ども
各々
(
おのおの
)
その女房を召連れてまかり出ずべし、もし女房無き者は、その姉妹
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
鷺娘
(
さぎむすめ
)
がむやみに踊ったり、それから吉原
仲
(
なか
)
の
町
(
ちょう
)
へ男性、中性、女性の三性が出て来て
各々
(
おのおの
)
特色を発揮する運動をやったりするのはいいですね。
虚子君へ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
明日
仏蘭西
(
フランス
)
二兵を増し、明後日
独逸
(
ドイツ
)
は更に三兵を増し、
露西亜
(
ロシア
)
、
墺地利
(
オーストリア
)
等もまた
各々
(
おのおの
)
これに応じて増すという風に競争して
世界平和の趨勢
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
建文帝の事、得る有る無し。
而
(
しか
)
れども
諸番国
(
しょばんこく
)
の使者
和
(
か
)
に
随
(
したが
)
って朝見し、
各々
(
おのおの
)
其
(
その
)
方物
(
ほうぶつ
)
を
貢
(
こう
)
す。
和
(
か
)
又
三仏斉国
(
さんぶつせいこく
)
の
酋長
(
しゅうちょう
)
を
俘
(
とりこ
)
として献ず。帝
大
(
おおい
)
に
悦
(
よろこ
)
ぶ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
第四十条 両議院ハ法律又ハ
其
(
そ
)
ノ他ノ事件ニ
付
(
つき
)
各々
(
おのおの
)
其
(
そ
)
ノ意見ヲ政府ニ建議スルコトヲ
得
(
う
)
シ
其
(
そ
)
ノ
採納
(
さいのう
)
ヲ得サルモノハ同会期中ニ
於
(
おい
)
テ
再
(
ふたた
)
ヒ建議スルコトヲ得ス
大日本帝国憲法
(旧字旧仮名)
/
日本国
(著)
ただ見る
幾重畳
(
いくちょうじょう
)
の大岩壁と変り、頂上からは、それらの紅がら色の岩壁が丁度一輪の花の
各々
(
おのおの
)
の花瓣の形で、遙かの波打際まで重なり合って見えるのです。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それから生徒は、痩せた体の何処から出るかと許り高い渠の号令で、
各々
(
おのおの
)
その新しい教室に導かれた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
話は大正十二年八月三十日に
遡
(
さかのぼ
)
ります。死んだ少年草野富三は、同級(尋常六年生)の少年津田栄吉と、
各々
(
おのおの
)
、家の金五十円ほどずつを持ちだして行方不明になりました。
頭蓋骨の秘密
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
◯実験を以て与えられし問題を実験を以て解かんとしてヨブの
苦
(
くるし
)
める時、エリパズ、ビルダデ、ゾパルの三友人現れ、
各々
(
おのおの
)
独特の思想と論法とを以てヨブを慰めんとする。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
ものには
各々
(
おのおの
)
天分があるものだと云う事がつくづく思わせられる、それから以後、別々に母屋と寮との間に毎晩はなして寝かせて、鼠族鎮台の役を勤めさせることにした。
百姓弥之助の話:01 第一冊 植民地の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
云わば薬師如来という面にあらわれた
菩薩
(
ぼさつ
)
道であって、一切衆生の病
癒
(
い
)
えざる限り、如来の悲願もまた尽きず、本願を拝し祈るものは、
各々
(
おのおの
)
現実的利益を動機とするけれど
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
そうして下品上生、下品中生、下品下生の仏をその位置にあらしめるのみでなく、上品上生、上品中生、上品下生の仏あることを見落さないで、
各々
(
おのおの
)
その位置につかしめることが肝要である。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
鉱物、一切の元素が、
一々
(
ひとつ
)
ずつ微細なる活字となって、しかも、
各々
(
おのおの
)
五色の
輝
(
かがやき
)
を放ち、名詞、代名詞、動詞、助動詞、主客、
句読
(
くとう
)
、いずれも個々別々、七彩に照って、かく開きました
真白
(
まっしろ
)
な
枚
(
ペエジ
)
の上へ
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
従来世界の各文明国では宗教を以て教化の根源としたのであって、宗教には
各々
(
おのおの
)
その本尊が有る。
基督
(
キリスト
)
教のゴッド、仏教の仏の如き本尊が有る。
日本の文明
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
第四十六条 両議院ハ
各々
(
おのおの
)
其
(
そ
)
ノ総議員三分ノ一以上出席スルニ
非
(
あら
)
サレハ議事ヲ開キ議決ヲ
為
(
な
)
スコトヲ得ス
大日本帝国憲法
(旧字旧仮名)
/
日本国
(著)
彼方の岸の
突出
(
とっしゅつ
)
した部分には、この森での唯一の例外として、数本の
椿
(
つばき
)
の老樹が、
各々
(
おのおの
)
一丈ばかりもある濃緑の肌に、点々と血をにじませて夥多の花を開いています。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
智恵子の来なかつたのは、来なければ
可
(
い
)
いと願つた吉野を初め、信吾、静子、さては或る
計画
(
もくろみ
)
を抱いてゐた富江の
各々
(
おのおの
)
に加留多に気を
逸
(
はず
)
ませなかつた。其夜は詰らなく過ぎた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
喜多村緑郎があり、深沢恒造がありその他門下
各々
(
おのおの
)
英材が満ち充ちて役者に不足はなかったのだが脚本に全く欠乏していたのである、というのは、
不如帰
(
ほととぎす
)
でもなし、乳姉妹でもなし
生前身後の事
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
各々
(
おのおの
)
存在の価値がある。俳句もまたその一つである。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
ところが日本は一緒に教えておるのは小学だけで、小学以上の程度に
上
(
のぼ
)
ると男子と女子と
各々
(
おのおの
)
教育を違えておる。
女子教育の目的
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
ボーイの案内につれて、私と私の婦人とは、隅の方のテーブルにつきました。見ると、給仕人はなくて、
各々
(
おのおの
)
のテーブルの上に、二つのグラスと二本の洋酒の瓶が置かれてあります。
覆面の舞踏者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
各
常用漢字
小4
部首:⼝
6画
々
3画
“各々”で始まる語句
各々方
各々位