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双方
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そうほう
ふりがな文庫
“
双方
(
そうほう
)” の例文
旧字:
雙方
私は年の若い上に、馬鹿の
肝癪持
(
かんしゃくもち
)
ですから、いっそ
双方
(
そうほう
)
とも断ってしまったら好いだろうと考えて、その手続きをやり始めたのです。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのような押し問答が二三回続いたあとで、ついに
双方
(
そうほう
)
の間に、一つの解決案がまとまった。それはどんな案かというのに
鬼仏洞事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それを
双方
(
そうほう
)
心得
(
こころえ
)
ちがいをして、かくべつべつに取りちがえてきた
以上
(
いじょう
)
、この
遠駆
(
とおが
)
け
試合
(
じあい
)
は、やりなおしか、
互角
(
ごかく
)
とするよりほかはありますまい
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
双方
(
そうほう
)
とも
死力
(
しりょく
)
をつくして
戦
(
たたか
)
いましたから、
容易
(
ようい
)
に
勝敗
(
しょうはい
)
はつきませんでしたが、
多
(
おお
)
くの
犠牲
(
ぎせい
)
をはらって
最後
(
さいご
)
に、ふじの
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
国
(
くに
)
は
勝
(
か
)
ったのでした。
ひすいを愛された妃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この点は実は
双方
(
そうほう
)
ともに、従来あまり注意しようとしなかったが、手がかりは幸いにまだ残っている。そうして互いに有力な暗示を与え合っている。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
積極的に争うなら、源三郎お手のもので、間髪を入れず処理がつくのですけれど、今の言葉でいう、いわばまア占拠……
双方
(
そうほう
)
じっとしてねばるだけだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
だいたい、この話は、
双方
(
そうほう
)
の老人たちの軽い茶話の間から生まれたことで、もともと道江の気持ちにもぼくの気持ちにも全くかかわりのないことだったのだ。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
現世
(
げんせ
)
の
見舞者
(
みまいて
)
よりはずっと
賑
(
にぎや
)
かでございました。
第
(
だい
)
一、
双方
(
そうほう
)
の
気分
(
きぶん
)
がすっかり
異
(
ちが
)
います。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
氏はまた
蒲公英
(
たんぽぽ
)
少しと、
蕗
(
ふき
)
の
晩
(
おく
)
れ
出
(
で
)
の
芽
(
め
)
とを採ってくれた。
双方
(
そうほう
)
共に苦いが、蕗の芽は
特
(
こと
)
に苦い。しかしいずれもごく
少許
(
しょうきょ
)
を味噌と共に味わえば、
酒客好
(
しゅかくごの
)
みのものであった。
野道
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
要するに、
双方
(
そうほう
)
全く同じ註文です。そこで私達は何事があっても夫婦同時に憤らないという
家憲
(
かけん
)
を
拵
(
こしら
)
えました。これを今日に至るまで忠実に守っています。独り相撲は取れません。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その地方の細かい
双方
(
そうほう
)
の話題が
暫
(
しばら
)
く高田と梶とを捨てて
賑
(
にぎ
)
やかになっていくうちに、とうとう栖方は自分のことを、田舎言葉まる出しで、「おれのう。」と梶の妻に云い出したりした。
微笑
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
「おなごか鯉魚かわしが見んことには判らん。これは一つ昭公と
大衆
(
だいしゅ
)
と
法戦
(
ほっせん
)
をして、その対決の上で裁くことにしよう。
早速
(
さっそく
)
、鐘を打つがよろしい。
双方
(
そうほう
)
、法堂へ行って支度をしなさい」
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そして
双方
(
そうほう
)
とも、
泥
(
どろ
)
だらけになり、やがて
血
(
ち
)
までがだらだら
流
(
なが
)
れ
出
(
だ
)
しました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「もしそうだとすると」とゴルドンは、
双方
(
そうほう
)
の
争
(
あらそ
)
いをなだめながら
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
もともと二人でする事を一人で兼ねるむりな芸だからしまいには「偉大なる暗闇」も講義の筆記も
双方
(
そうほう
)
ともに関係がわからなくなった。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんなようなことで、つねに
時間
(
じかん
)
から、
双方
(
そうほう
)
の
争
(
あらそ
)
いが
絶
(
た
)
えませんでした。そのうちに、ふとしたことから、
乙
(
おつ
)
のほうの
時計
(
とけい
)
が
壊
(
こわ
)
れてしまいました。
時計のない村
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「米連と欧弗同盟とは、宿敵です。ここへ来て
双方
(
そうほう
)
刃物をふり上げているのに、今更、どうして手を握れましょう」
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「ただいまのこと、一同
評議
(
ひょうぎ
)
の
結果
(
けっか
)
、これはやはり
御岳
(
みたけ
)
の
神慮
(
しんりょ
)
におまかせいたすのがとうぜんであろうという
意見
(
いけん
)
に一
決
(
けつ
)
したが、
双方
(
そうほう
)
ごいぞんはないであろうか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たとえば一つの
甕
(
かめ
)
に
醸
(
かも
)
した酒、一つの
甑
(
こしき
)
で
蒸
(
む
)
した
強飯
(
こわめし
)
、一つの
臼
(
うす
)
の
餅
(
もち
)
や一畠の
瓜
(
うり
)
大根
(
だいこん
)
を、分けて
双方
(
そうほう
)
の腹中に入れることは、そこに眼に見えぬ力の連鎖を作るという
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
が、泰軒は忠相の
鬢
(
びん
)
に、忠相は泰軒のひげに、初霜に似た白いものをみとめて、何がなしにこころわびしく感じたのであろう。
双方
(
そうほう
)
ふっと黙りこんで燭台の灯影に眼をそらした。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
と堀口内藤、
双方
(
そうほう
)
こわい顔をして身をもがいている中に授業の
鐘
(
かね
)
が鳴ってしまった。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
お
互
(
たが
)
いに塾そのものの内容をいっそう
充実
(
じゅうじつ
)
させるためにも、また、
双方
(
そうほう
)
の塾生が地方に帰ってから気持ちよく提携ができるようにするためにも、今後は二つの塾がもっと連絡を密にする必要がある
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
これには
双方
(
そうほう
)
とも
大
(
たい
)
へんに
困
(
こま
)
り
抜
(
ぬ
)
き、
何
(
なん
)
とか
良
(
よ
)
い
工夫
(
くふう
)
はないものかと、いろいろ
相談
(
そうだん
)
を
重
(
かさ
)
ねましたが、もともと
男
(
おとこ
)
の
方
(
ほう
)
でも
女
(
おんな
)
が
気
(
き
)
に
入
(
い
)
って
居
(
お
)
り、
又
(
また
)
女
(
おんな
)
の
方
(
ほう
)
でも
男
(
おとこ
)
が
好
(
す
)
きだったものでございますので
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
二人は
双方
(
そうほう
)
で互に認識したように、しだいに双方から近づいて来る。余が視界はだんだん
縮
(
ちぢ
)
まって、原の真中で一点の
狭
(
せま
)
き間に
畳
(
たた
)
まれてしまう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
博士の方にも、また各村の住民諸君の方にも、今回の事件についてそれぞれ言い分はあると思うが、ここで水に流して、
双方
(
そうほう
)
仲よくやってもらいましょう。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかし、長安のほうに渡すのが
至当
(
しとう
)
か、五
菩薩
(
ぼさつ
)
の
仮名
(
けみょう
)
をつかってでてきた者にわたしたほうがいいものか、
双方
(
そうほう
)
のあいだにはさまって、まったくとうわくの顔色だ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
双方
(
そうほう
)
ともよけいな話にならないであろうと、磯五もいっしょに捜しに出て来たのだった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
夫婦仲
(
ふうふなか
)
は
至
(
いた
)
って
円満
(
えんまん
)
で、
双方
(
そうほう
)
の
親達
(
おやたち
)
も
大
(
たい
)
そう
悦
(
よろ
)
こびました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
と
双方
(
そうほう
)
いがみあったが、皆に止められてしまった。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
こうして、
時計
(
とけい
)
によって
双方
(
そうほう
)
が
争
(
あらそ
)
ったのです。
時計のない村
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そこで次郎は
双方
(
そうほう
)
の中間に進み出て言った。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
もう少しで
双方
(
そうほう
)
がぴたりと出合って一つに収まるというところで、時の流れが急に向きを換えて永久の中に注いでしまう。原口さんの
画筆
(
ブラッシ
)
はそれより先には進めない。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
やがて
双方
(
そうほう
)
の引力の絶対値が等しくなるところへ本艇がはいり込むのだ。そのときは、本を上へ放り上げても、下へおちてこないで、空間の或るところにじっと停ってしまう。
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
双方
(
そうほう
)
不動。あごをひいた左膳がかすかに左剣にたるみをくれて、隻眼をはすに棒のように静止したままペッペッと唾を吐きちらしているのは、いつもの癖で、満身の闘志が洩れて出るのだ……。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「これが広田先生。高等学校の……」とわけもなく
双方
(
そうほう
)
を紹介してしまった。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いつの間にか、船長ノルマンは、
双方
(
そうほう
)
の間へとびだしていた。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ここの夫婦はいか銀とは違って、もとが士族だけに
双方
(
そうほう
)
共上品だ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
双
常用漢字
中学
部首:⼜
4画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“双方”で始まる語句
双方共
双方合併
双方必死