“甑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こしき85.7%
かめ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
艫部に乘つた五十六人は薩摩國こしき島郡に、舳部に乘つた四十一人は、肥後國天草郡に漂着して、不思議に生命を全くしたことがある。
大師の入唐 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)
イヒはこしきでふかすこと今日の赤飯のごとくであったが、そんな方法をもって飯を製することは節供せっくの日ばかりになった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それが窓にさわって、がさがさ云ったのだね。それは好いが、そこらにかめのような物やら、かごのような物やら置いてあって、その奥に粟稈に半分うずまって、人がいる。たしかに人だ。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
女はそれを夜なかに食ったり、かめの中へ便を足したりすることになっていたのを、小川君が聞き附けたのだね。顔が綺麗だから、兵隊に見せまいと思って、隠して置いたのだろう。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)