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さくぶつ
ふりがな文庫
“
作物
(
さくぶつ
)” の例文
つまりその
作物
(
さくぶつ
)
の
背景
(
はいけい
)
になつてゐるものをのみこんで、
眞
(
しん
)
に
歌
(
うた
)
なり
俳句
(
はいく
)
なりを
味
(
あぢは
)
ひ
知
(
し
)
るといふことが、どうしても
必要
(
ひつよう
)
なのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
僕は日本誌壇の近状を
簡短
(
てみじか
)
に告げて、氏の
作物
(
さくぶつ
)
を読む者の
尠
(
すくな
)
からぬ事を述べ、最近に森鴎外氏が氏の小説を紹介せられた事などを話した。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
その人の
作物
(
さくぶつ
)
に接し度いのなら、印刷された書物を読んだ方がよかりさうなものだが、さういふ人達に限つて余り書物など読まうとしない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その内で自分の
作物
(
さくぶつ
)
を読んでくれる人は何人あるか知らないが、その何人かの大部分はおそらく文壇の裏通りも
露路
(
ろじ
)
も
覗
(
のぞ
)
いた経験はあるまい。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
エヽ講談の方の読物は、多く記録、其の
他
(
た
)
古書
等
(
とう
)
、多少
拠
(
よりどころ
)
のあるものでござりますが、浄瑠璃や落語人情噺に至っては、
作物
(
さくぶつ
)
が多いようでござります。
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
私は先生の
先
(
せん
)
の奥さんの若い生活のある一部のさまを拝借したことを白状する前に、あの
作物
(
さくぶつ
)
がいかに先生夫婦の心を
傷
(
きずつ
)
けたかといふことを思つて見た。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その偽蜀に仕えていたので、杜光庭の評判はあまり好くないようですが、単に
作物
(
さくぶつ
)
として見る時は、この『録異記』などは五代ちゅうでも屈指の作として知られています。
中国怪奇小説集:08 録異記(五代)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それをやるには誘惑を試みなければなりません、
剽窃
(
ひょうせつ
)
をも試みなければなりません。近代の芸術はそこで堕落が始まりました。かれらは
作物
(
さくぶつ
)
を模倣し、盗用することは平気です。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼の読者は、彼の小説につき纒っていた一種異様の鬼気を記憶するであろう。彼の
作物
(
さくぶつ
)
が常に、並々ならぬ猜疑心、秘密癖、残虐性を以て満たされていたことを記憶するであろう。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
なるほどその後の天平時代になってはこの点に関しよほど確実なる証拠も出るそうだが、それは天平以前の
作物
(
さくぶつ
)
にして誇るものは、我祖先の作物でないということを含むのではあるまいか。
民族優勢説の危険
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
私の
作物
(
さくぶつ
)
には生んだ親である自分にも
勝
(
まさ
)
つた愛を掛けて呉れる人達が
少
(
すくな
)
くも幾人かはある。私の分身の子には厳しい父親だけよりない、さうであるからなどヽ
恥
(
はづか
)
しい気もありながら思ふのです。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
見て
英国好
(
えいこくずき
)
の人なれば甚だ嬉しがりをり候文芸に型や主義は要らず縦横に書きまくるが
可
(
よ
)
しと考ふる小生は貴兄の
作物
(
さくぶつ
)
が鳥の歌ふ如く自然に流れでるのを羨ましく思をり候今後種々の方面へ筆を
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
此頃
(
このごろ
)
軟文学
(
なんぶんがく
)
の
好著
(
こうちよ
)
と
云
(
い
)
ふ者は
世間
(
せけん
)
に地を
払
(
はら
)
つて無かつた、(
書生気質
(
しよせいかたぎ
)
の有つた外に)
其処
(
そこ
)
へ
山田
(
やまだ
)
の
清新
(
せいしん
)
なる
作物
(
さくぶつ
)
が
金港堂
(
きんこうどう
)
の
高尚
(
こうせう
)
な
製本
(
せいほん
)
で出たのだから、
読書社会
(
どくしよしやくわい
)
が
震
(
ふる
)
ひ
付
(
つ
)
いたらうと
云
(
い
)
ふものです
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
すべて女といふものは、実世間の上にも、
作物
(
さくぶつ
)
の上にも、自分達を
買被
(
かひかぶ
)
つてゐるとか、見当違ひをしてゐるとかする人達を好くものなのだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
もしあんなものと同等なら創作をしたって、やっぱり同等の創作しか出来ない訳だ。同等でなければこそ、立派な人格を発揮する
作物
(
さくぶつ
)
も出来る。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分の
作物
(
さくぶつ
)
を読んだ一外国人が自分に
向
(
むか
)
つて印度へ旅行した事があるだらうと問ふから、
否
(
いな
)
と云つたら、其れは不思議だ
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
あなた
方
(
がた
)
の
若
(
わか
)
い
心
(
こゝろ
)
には、かういふ
歌
(
うた
)
の
興味
(
きようみ
)
はわからないかも
知
(
し
)
れませんが、
日本
(
につぽん
)
の
文學
(
ぶんがく
)
には、かういつた
靜
(
しづ
)
かなかすかな
味
(
あぢは
)
ひが、よい
作物
(
さくぶつ
)
にはずっととほつてゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
わたしは従来自分の
作物
(
さくぶつ
)
の上演ということに就いては余りに敏感でない方である。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「いや、それは酷だ、君はまだあの
作物
(
さくぶつ
)
を通読していないか、そうでなければ読んでいながら理解するだけの頭がないのか、そうでなければ相当にわかっていながらわざと
誣
(
し
)
うるものだ」
山道
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼は相手の意外な言葉に、顔の筋一つ動かさないで、そればかりか、はからずも、彼の昔の
作物
(
さくぶつ
)
の愛読者を見出した、不思議な喜びをさえ感じながら、懐しく言葉を続けるのでありました。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
けれどもただ念力だけでは
作物
(
さくぶつ
)
のできばえを左右する訳にはどうしたって行きっこない、いくら
佳
(
い
)
いものをと思っても
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
仏蘭西の作家モリエエルは、自分の
作物
(
さくぶつ
)
が出来上ると、先づ婆さんの女中に読み聞かせてみて、婆さんの解らない
点
(
ところ
)
は幾度か書き直したといふ事だ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其れで会費を納めぬ会員の方が多数であるけれども催促がましい事を
為
(
し
)
無い。
而
(
そう
)
して会費を納める人も納めぬ人も分け隔て無く其
作物
(
さくぶつ
)
を批判し添削して遣つて居る。
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
ほんとうに
當人
(
とうにん
)
の
作物
(
さくぶつ
)
か、
判斷
(
はんだん
)
のつかぬところがあります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「まだ卒業したばかりだから、そう急に有名にはなれないさ。そのうち立派な
作物
(
さくぶつ
)
を出して、
大
(
おおい
)
に本領を発揮する時に天下は我々のものとなるんだよ」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(
画家
(
ゑかき
)
だの、詩人だのといふものは
神来
(
インスピレーシヨン
)
といふものを持つてゐる。それを
作物
(
さくぶつ
)
の製作に使はうが、借金の言ひ訳に用ゐようが、つまりは勝手である。)
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
或
(
ある
)
人は自分の
作物
(
さくぶつ
)
に東洋の思想と共通の点があると評したが君達は何と思ふか」と問はれた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
その言葉によると、自分の雑誌では今度著名の作家達からそれ/″\自信のある
作物
(
さくぶつ
)
を貰ひたいと思つて、手始めに女史の
許
(
ところ
)
に頼みに来たわけなのだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
前
(
ぜん
)
申した通り作家(すなわち
作物
(
さくぶつ
)
)を取り崩してかからんと不都合が生ずるごとく、作家(すなわち作物)を本位として動かすべからざるものとすると
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
学者や芸術家といふ
輩
(
てあひ
)
には、自分の研究や
作物
(
さくぶつ
)
に熱中し出すと、つい自分をも、世間をも忘れてしまふやうな人がよくある。
況
(
ま
)
して晩飯や借金の事などは。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
著者の名前も
作物
(
さくぶつ
)
の名前も、一度は新聞の広告で見たようでもあり、また全く新奇のようでもあった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかしそれは作者が
自然天然
(
しぜんてんねん
)
に書いたものを、他の人が見てそれに philosophical の解釈を与えたときに、その
作物
(
さくぶつ
)
の中からつかみ出されるもので
無題
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
紐育
(
ニユーヨーク
)
の
書店
(
ほんや
)
でふだん宗教物ばかり出版してゐる店が、
欧羅巴
(
ヨーロツパ
)
のいろんな国から、その代表的作家の代表的
作物
(
さくぶつ
)
を選んで何々叢書といつたやうな小説集を出版しようともくろんだものだ。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
尤
(
もっと
)
も不愉快なる方法によって、健全なる文芸の発達を計るとの漠然たる美名の下に、行政上に都合よき
作物
(
さくぶつ
)
のみを奨励して、その他を圧迫するは見やすき道理である。
文芸委員は何をするか
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さういふ人達がタゴオルの親友であるのは
夢更
(
ゆめさら
)
疑ふのでは無い。だが、実をいふと、そんなに詩人と懇意なのだつたら、もつと早くタゴオルの人物と
作物
(
さくぶつ
)
とを紹介して貰ひたかつたのだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
しかも自家に固有なる
作物
(
さくぶつ
)
と評論と見識との
齎
(
もたら
)
した価値によって、国家を代表するのではない。
文芸委員は何をするか
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
婦人記者は美しい声で、この文人がボストンに来た用向きから、その最近の
作物
(
さくぶつ
)
や
生活方
(
くらしかた
)
迄こまめに
聞
(
き
)
き
訊
(
たゞ
)
した。リレエは丁寧に一々それに返辞をした。すると、最後に婦人記者は訊いた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
著者
(
ちよしや
)
の
名前
(
なまへ
)
も
作物
(
さくぶつ
)
の
名前
(
なまへ
)
も、一
度
(
ど
)
は
新聞
(
しんぶん
)
の
廣告
(
くわうこく
)
で
見
(
み
)
た
樣
(
やう
)
でもあり、
又
(
また
)
全
(
まつた
)
く
新奇
(
しんき
)
の
樣
(
やう
)
でもあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
京都大学の
新村
(
しんむら
)
教授は日本画家の
作物
(
さくぶつ
)
を
難
(
けな
)
して、
画家
(
ゑかき
)
はどうしても本を読まなければ駄目だと言つたさうだ。
画家
(
ゑかき
)
に本を読めといふのは大学教授に
髯
(
ひげ
)
を
剃
(
そ
)
れといふのと同じやうに良い事には相違ない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その主義に
叶
(
かな
)
う局部(
作物
(
さくぶつ
)
の)を排列して、この主義の実例とするが適当だろうと思います。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は自己を代表すべき
作物
(
さくぶつ
)
を転地先よりもたらし帰る代りに、より偉大なる人格論を
懐
(
ふところ
)
にして、これをわが友中野君に
致
(
いた
)
し、中野君とその細君の好意に
酬
(
むく
)
いんとするのである。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
著者の心情を容赦なく学術上の
作物
(
さくぶつ
)
に冠してその序中に詳叙するは妥当を欠くに似たり。
『文学論』序
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
現代の
作物
(
さくぶつ
)
ではないが
沙翁
(
さおう
)
のオセロなどはその一例であります。事件の発展や、性格の描写は真を得ておりましょう、私も二三度講じた事があるから、その辺はよく心得ている。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
作物
(
さくぶつ
)
の現状と文士の窮状とは既に上説の如くであって、ここに保護のために使用すべき金が若干でもあるとすれば、それを分配すべき比較的
無難
(
ぶなん
)
な方法はただ一つあるだけである。
文芸委員は何をするか
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(ある意味から云えば、今でも感服している。ここに余のいわゆるある意味を説明する事のできないのは
遺憾
(
いかん
)
であるが、
作物
(
さくぶつ
)
の批評を
重
(
おも
)
にして書いたものでないからやむをえない。)
長谷川君と余
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうしてそれが
尊
(
たっ
)
とい文芸上の
作物
(
さくぶつ
)
を読んだあとの気分と同じものだという事に気がついた。有楽座や帝劇へ行って得意になっていた自分の過去の影法師が何となく浅ましく感ぜられた。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これはあなた方を奨励するためにこういうことを言っているのである。それからまた日本人は雑誌などに出るちょっとした
作物
(
さくぶつ
)
を見て、西洋のものと殆ど比較にならぬというが、それは嘘です。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうして私の
作物
(
さくぶつ
)
をまた
賞
(
ほ
)
めてくれた。けれども私の心はむしろそういう話題を避けたがっていた。三度目に来た時、女は何かに感激したものと見えて、
袂
(
たもと
)
から
手帛
(
ハンケチ
)
を出して、しきりに涙を
拭
(
ぬぐ
)
った。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だから話と云ったところで
作物
(
さくぶつ
)
の批評などではありません。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“作物(
農作物
)”の解説
農作物(のうさくぶつ、のうさくもつ)または作物(さくもつ)とは、農地に作る栽培植物全般を指す。
(出典:Wikipedia)
作
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“作物”で始まる語句
作物語
作物出
作物所