人口じんこう)” の例文
夢心地ゆめごこちをドンとひとたれたやうに、そも/\人口じんこう……まん戸數こすう……まんなる、日本につぽん第二だいに大都だいと大木戸おほきどに、色香いろかうめ梅田うめだく。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
例の「きり/″\すなくや霜夜のさむしろに」の歌が人口じんこう膾炙かいしゃしている通り、秋の虫の中ではコオロギが冬まで生延びることになっている。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
だん/\と人口じんこうがふえ、みんなの智慧ちえひらけてるにしたがつて、やうやくといふものを使つかふことをり、ものたりいたりしてべるようになり
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
そして、登簿とうぼ、金印調べまで、すっかり終って、これで労役につく仕事場がきまれば、まず地獄人口じんこうの一員に数えられて、果て知れぬ苦役生活が始まるわけだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『来たか、庄さん、待ってた、ホイ』という人口じんこう膾炙かいしゃした文句があるんだ。名倉君はそれをもじったんだ。『橘高、庄さん、待ってた、ホイ』さ。うまいよ。当意即妙とういそくみょうじゃないか?
ロマンスと縁談 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
この火山島かざんとう直徑ちよつけいわづか三粁さんきろめーとる小圓錐しようえんすいであつて、その北側きたがは人口じんこう二千五百にせんごひやくまちがあり、北西ほくせい八合目はちごうめ噴火口ふんかこうがある。火孔かこう三箇さんこ竝立へいりつして鎔岩ようがんたゝへ、數分間すうふんかんおきにこればしてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
衛生とは人のいのちぶるがくなり、人の命ながければ、人口じんこうえてしょくらず、社会しゃかいのためにはあるべくもあらず。かつ衛生のぎょうさかんになれば、病人びょうにんあらずなるべきに、のこれをとなうるはあやまてり云々。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
この句は人口じんこう膾炙かいしゃする句なれども俗気多くして俳句とはいふべからず。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
行水を捨てる句として最も人口じんこう膾炙かいしゃしたのは、鬼貫おにつらの「行水のすてどころなし虫の声」であろう。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
なほこのたい氣候きこう温和おんわひと居住きよじゆうにも適當てきとうし、また高山こうざん中腹ちゆうふく以下いかなのですから、土地とちはやくからひら人口じんこうおほく、物産ぶつさんるのも、ほかのたいよりずつと多量たりようです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
社長の説明の通り、来たか庄さんは余程人口じんこう膾炙かいしゃしているものらしい。
ロマンスと縁談 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
東京とうきやう四萬よまんかずおほいやうだけれども、ころにしろ府下ふか一帶いつたい人口じんこうくらべては、辻駕籠つじかごほどにも行渡ゆきわたるまい、しかいつげつ税銀ぜいぎん八匁はちもんめ人力車じんりきしやである。なか/\もつ平民へいみんにはれさうにおもはれぬ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
このとき大地だいち開閉かいへいによつて土民どみん勿論もちろん彼等かれらつてゐた畜類ちくるい牛馬ぎゆうば駱駝らくだとういたるまでこと/″\くそれにまれ、八千はつせん乃至ないし一萬いちまん人口じんこうゆうしてをつたこの部落ぶらくそのために跡方あとかたもなくうしなはれたといふ。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
勿論もちろん有名とか、有名でないとかいうのも比較的の話で、中には相当人に知られた作家の句も混っているが、その場合は人口じんこう膾炙かいしゃした、有名な句をつとめて避けることにした。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
また一方いつぽうでは人口じんこう増加ぞうかにつれてこれまで食料しよくりようにしてゐたくさもだん/\りなくなり、それをおぎなふためにはたけをこしらへて、農作のうさくをする必要ひつようがおこるし、同時どうじにまた野獸やじゆう
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)