“そうし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
草紙16.9%
荘子15.5%
壮士12.7%
相思9.9%
曾子8.5%
草子7.0%
双紙2.8%
壮志2.8%
宋史2.8%
曹司2.8%
宋子1.4%
冊子1.4%
册子1.4%
壮紙1.4%
宗子1.4%
宗師1.4%
稗史1.4%
繰糸1.4%
1.4%
草姿1.4%
走尸1.4%
走屍1.4%
送使1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小野おの小町こまち几帳きちょうの陰に草紙そうしを読んでいる。そこへ突然黄泉よみ使つかいが現れる。黄泉の使は色の黒い若者。しかも耳はうさぎの耳である。
二人小町 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
荘子そうしに虚舟のたとえがある。今の予は何を言っても、文壇の地位を争うものでないから、誰も怒るものは無い。彼虚舟と同じである。
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
十勝の山奥に来て薩摩琵琶とは、思いかけぬ豪興ごうきょうである。弾手ひきて林学士りんがくしが部下の塩田君しおだくん鹿児島かごしま壮士そうし。何をと問われて、取りあえず「城山しろやま」を所望しょもうする。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
西東にしひがし長短のたもとを分かって、離愁りしゅうとざ暮雲ぼうん相思そうしかんかれては、う事のうとくなりまさるこの年月としつきを、変らぬとのみは思いも寄らぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
(四) 曾子そうし曰く、われ日に三たび吾が身をかえりみる、人のためにはかりて忠ならざるか、朋友と交わりて信あらざるか、習わざるを伝うるかと。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
竹斎ちくさいだか何だったか徳川初期の草子そうしにも外法あたまというはあり、「外法の下り坂」という奇抜なことわざもあるが、福禄寿のような頭では下り坂は妙に早かろう。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と申すはこの頃ふとここへ参って、予も人並に双紙そうしを一つ綴ろうと思い立ったが、つらつら独り考えて見れば、生憎あいにく予はこれと云うて、筆にするほどの話も知らぬ。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
かくて、鹿之介幸盛ゆきもりの生涯も、その壮志そうしも、ここに終った。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あれは多紀茝庭たきさいていの命じた名だということが、抽斎と森枳園もりきえんとの作った序に見えており、訪古の字面じめんは、『宋史そうし鄭樵ていしょうの伝に、名山めいざん大川たいせんあそび、奇を捜しいにしえを訪い、書を蔵する家にえば、必ず借留しゃくりゅう
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「かわいそうに、この迷い子、どこの曹司そうしやら?」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「このさい妄動もうどうは禁物だ。ヘタな藪蛇やぶへびは、逆に宋子そうし(宋江)の落命を早めてしまおう。この計略は入念に入念を要する」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「しまった、千慮の一失! あのにせの返信が、逆に宋子そうし(宋江)の命とりとならねばいいが」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
故にこの冊子そうし、たとい今日に陳腐ちんぷなるも、五十年の後にはかえって珍奇にして、歴史家の一助たることもあるべし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しゃさけ出来栄できばえに、たちまち一部の册子そうしとなりぬ。そもこの話説はなしの初集二集は土竈どがまのパットせし事もなく。起炭おこりずみにぎやかなる場とてもあらねど後編は。駱駝炭らくだずみ立消たちぎえなく。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
油塗のこれらの紙が朝鮮の床に皮革のように光る様は誰も知るところであろう。もとより此処では温突紙の外、壮紙そうしあるいは明紙みんしを作る。質が甚だよい。
全羅紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
宗子そうし城邑ヲ納メラルヽモシカモ朝廷更ニ駿遠参三国ヲ賜ヒ、先祀せんしヲ奉ゼシム。君あずかツテ力アリ。然レドモ謙冲敢テ功ニ居ラズ。マタカツテ人ニ語ラズ。ここテ世コレヲル者すくなシ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
支考しこう乙州いっしゅうら、去来きょらいに何かささやきければ、去来心得て、病床の機嫌きげんをはからい申していう。古来より鴻名こうめい宗師そうし、多く大期たいご辞世じせい有り。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
今や報讐かたきうち稗史そうし世に行われて童児これを愛す。にや忠をすすめ孝にもとづくること、なわもて曳くがごとし。しかしその冊中面白からんことを専にして死亡のていを多くす。
仇討たれ戯作 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そして、そのくせ御法川みのりがわ式だとか小岩井式だとかいふ高級な繰糸そうし機械にばかり興味をもつてゐる二人を、からかふやうに見較べながら言ふのだつた。
灰色の眼の女 (新字旧仮名) / 神西清(著)
そこで私は次の術——即ち、木遁の一手であって身を木の形に順応させそうしてその木と同化させる所の所謂「木荒隠形もくこういんぎょう」の秘法。それを使ったのでございます。
赤格子九郎右衛門 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
螢草ほたるぐさ鴨跖草おうせきそうなぞ云って、草姿そうしは見るに足らず、唯二弁よりる花は、全き花と云うよりも、いたずら子にむしられたあまりの花の断片か
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
支那にも同様の伝説があるがまた別に僵尸きょうしとか走尸そうしとかいうものがある。
妖怪漫談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
劉はそこにある腰掛けに腰をおろして、すぐに画筆を執りはじめると、その死骸はたちまきあがった。劉ははっと思うと同時に、それが走屍そうしというものであることを直ぐにさとった。
いま加わった騎馬武者の一団は、これを送使そうしの大将道誉へ報じ終っていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)