“ぞうし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
雑司45.8%
曹司22.0%
雑仕8.5%
双紙8.5%
曹子3.4%
草紙3.4%
臧志1.7%
草子1.7%
雑士1.7%
雑子1.7%
雙紙1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御府外雑司ぞうしヶ谷の薬草園、芝の魚籃坂ぎょらんざかにおける薬草園、小石川養生所の薬草園、こう三ヵ所が幕府経営の城外薬園地でありました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兵部卿の宮が中宮のお宿直とのい座敷から御自身の曹司ぞうしのほうへ行こうとしていられるところへ按察使あぜち大納言家の若君は来た。
源氏物語:45 紅梅 (新字新仮名) / 紫式部(著)
行子が黒谷の尼院のつぼねまがいで、似たような境遇の預姫あずかりひめと長い一日をもてあましていたころ、雑仕ぞうし比丘びく尼たちの乏しい食餌しょくじに悩み、古柯こかという葉を灰で揉んで噛んだり
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「もし、おん曹子ぞうし——まえにもいったとおり、まだその僧が、勝頼公かいなか、はっきり分っておらぬのに、そうご悲嘆ひたんなされてはこまる。どれ、わしもそろそろ鞍馬くらまの奥へ立ちかえろう」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いま筆者が参照している随筆『しぐれ草紙ぞうし』の著者、会津藩士小川わたるは天保十四年生れで、文久から明治戊辰ぼしんにかけて同藩現役の中堅であった。「ところ刑は」とかれは書いている。
せいばい (新字新仮名) / 服部之総(著)
東洋はこの結果を記して、「臧志ぞうし」という一書にまとめました。
杉田玄白 (新字新仮名) / 石原純(著)
秀吉はなお、雑士ぞうしたちのあいだをぶらぶら歩いて
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
肩にかついだささの枝には草の穂で作ったふくろうが踊りながらぶら下がって行く。おおかた雑子ぞうしヶ谷へでも行ったのだろう。軒の深い菓物屋くだものやの奥の方に柿ばかりがあかるく見える。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
濹東綺譚はその初め稿を脱した時、ただちに地名を取って「玉の井雙紙ぞうし」と題したのであるが、後にいささか思うところがあって、今の世には縁遠い濹字を用いて、殊更に風雅をよそおわせたのである。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)