曹子ぞうし)” の例文
なるほど、六樹園大人は小伝馬町の名だたる旅亭りょてい糠屋ぬかやのおん曹子ぞうし、生涯衣食に窮せぬ財を擁してこそ、はじめて文学道の何のときいた風な口がきけやす。
仇討たれ戯作 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「もし、おん曹子ぞうし——まえにもいったとおり、まだその僧が、勝頼公かいなか、はっきり分っておらぬのに、そうご悲嘆ひたんなされてはこまる。どれ、わしもそろそろ鞍馬くらまの奥へ立ちかえろう」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「これを、どうぞおん曹子ぞうしさまにさしあげてくださいませ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おん曹子ぞうし——」と重々おもおもしく呼びかけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)