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鹿児島
鹿児島、
津和野、高知、名古屋、金沢、秋田、それに
仙台——数えて来ると、同門の藩士もふえて来たね。
山吹、
苗木なぞは言うまでもなしさ。
十勝の山奥に来て薩摩琵琶とは、思いかけぬ
豪興である。
弾手は
林学士が部下の
塩田君、
鹿児島の
壮士。何をと問われて、取りあえず「
城山」を
所望する。
千々岩安彦は
孤なりき。父は
鹿児島の藩士にて、維新の戦争に
討死し、母は安彦が六歳の夏そのころ
霍乱と言いけるコレラに
斃れ、六歳の孤児は
叔母——父の妹の手に引き取られぬ。