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頑強
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がんきょう
ふりがな文庫
“
頑強
(
がんきょう
)” の例文
それでも
頑強
(
がんきょう
)
なときわ葉で光線をさえぎり、それらトド松の間に散在する濶葉樹に対してたけだけしい勢いで
対峙
(
たいじ
)
し、圧迫していた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
あるものだけに注意が向いて、その他には
頑強
(
がんきょう
)
の抵抗があって、気が向けられないというような状態におらない事を指すのであります。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女が楽しみも目的もなしにただ生に執着してることを、彼は驚嘆し、何物にも頼らない彼女の
頑強
(
がんきょう
)
な道徳心を、ことに驚嘆した。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
サン・メーリーの
頑強
(
がんきょう
)
な警鐘の響きは、
逡巡
(
しゅんじゅん
)
してる者らを多少奮い立たした。ポアリエ街とグラヴィリエ街とに防寨が作られた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
なお一里ほど先には、
井上有景
(
いのうえありかげ
)
が千人をもって、
南庭瀬
(
みなみにわせ
)
の城を
頑強
(
がんきょう
)
にかため、国境の道の
喉首
(
のどくび
)
を、後生大事と守備しております
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
それは壁という壁から立ち上がる、
妖気
(
ようき
)
でもあるかのように、最初横蔵に発して、さしも
頑強
(
がんきょう
)
な彼も、日に日に衰えていった。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
さすがの悪魔もあまりにも
頑強
(
がんきょう
)
な女性の力にあきれ果てて、
愛慕
(
あいぼ
)
から逆転して
憎悪
(
ぞうお
)
へと、第二の手段に移るほかはなかった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「あたしは乗らないわ、だって登りがもうないんでしょう」と千枝子はまだ
頑強
(
がんきょう
)
に一人先に立って雪の中を歩いていった。
比叡
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
そして反動から、より
頑強
(
がんきょう
)
な心を持った、神経の
太々
(
ふてぶて
)
しい、大胆無法な勇気をもった、真の英雄的なものに憧憬している。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
もし培養のしかたによって、
頑強
(
がんきょう
)
な抵抗力は保存し、しかも実の充実を遂げる事ができればなおさら都合がいい。そういう事は望まれない事であろうか。
路傍の草
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
直衛が
頑強
(
がんきょう
)
に反対し、そのため
甲斐守教信
(
かいのかみのりのぶ
)
に
疎
(
うと
)
まれて、御代代実録という、藩史
編纂
(
へんさん
)
の頭取に左遷された。
改訂御定法
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「敵も旅順は
頑強
(
がんきょう
)
にやるつもりらしいですな。どうも海軍だけではだめのようですな」などと校長が言った。旅順の
陥落
(
かんらく
)
についての日が同僚の間に予想される。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
と言って、それを金にかえて目前の窮迫から救われようとする時があると、末摘花は
頑強
(
がんきょう
)
にそれを拒む。
源氏物語:15 蓬生
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
頑強
(
がんきょう
)
におし黙って駕籠を急がせながら、やがて乗りつけたところはその人形町名どころの
十軒店
(
じゅっけんだな
)
です。
右門捕物帖:22 因縁の女夫雛
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
X号はこの仕事にかかるとき、谷博士に手つだえと命令したが、博士は首をふって、
頑強
(
がんきょう
)
にこばんだ。それでX号はやむなく彼ひとりで仕事をはじめたのであった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼は
善
(
よ
)
く働くと私はつくづく感心した。それと同時に、彼を
駆逐
(
くちく
)
することは
所詮
(
しょせん
)
駄目
(
だめ
)
だと、私は
諦
(
あきら
)
めた。わたしはこの
頑強
(
がんきょう
)
なる敵と闘うことを中止しようと決心した。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その時はまだまだ諏訪勢の陣は堅く、樋橋に踏みとどまって
頑強
(
がんきょう
)
に抵抗を続けようとする部隊もあったが、
崩
(
くず
)
れはじめた全軍の足並みをどうすることもできなかった。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そういって、問いつめても、女はろくにわけをもいわずただ
頑強
(
がんきょう
)
に口を
噤
(
つぐ
)
んでいるばかりである。
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
あのはてしない
戦線
(
せんせん
)
で、あるときは、にごった
大
(
おお
)
きな
川
(
かわ
)
を
渡
(
わた
)
り、あるときは、けわしい
岩山
(
いわやま
)
をふみこえて、
頑強
(
がんきょう
)
にていこうする
敵兵
(
てきへい
)
と、すさまじい
砲火
(
ほうか
)
をまじえ、これを
潰滅
(
かいめつ
)
し
しらかばの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「いやだ……帰ろう……。」子供は
頑強
(
がんきょう
)
に言い張った。そして
疳
(
かん
)
の募ったような声を出して泣き叫んだ。終いには腰の立たない体をベッドから
跳
(
は
)
ね出して、そこらをのた打ちまわった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
けれどもかれはなかなか
頑強
(
がんきょう
)
で、その
強情
(
ごうじょう
)
にいつも打ち勝つことは
困難
(
こんなん
)
であった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
そのくせ、靄のようにとりとめもなく、それでいて変に
頑強
(
がんきょう
)
な行為がそこにあって、それが
苛立
(
いらだ
)
たしいほど
饒舌
(
じょうぜつ
)
なものに感じられ、
煩
(
わずら
)
わしくてならなかった。とにかく酒でも呑もうと思った。
小さな部屋
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
彼らのうち
頑強
(
がんきょう
)
で
獰猛
(
どうもう
)
な者は自殺してしまうし、頑固であっても弱い者は互いに滅ぼし合うだろう、その他のいくじのない不仕合わせな者たちは、われわれの足もとへはい寄って、こう叫ぶのだ
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
私も実際
嬉
(
うれ
)
しかったのです。あんなに
頑強
(
がんきょう
)
に見えたシカゴ軍があんまりもろく
粉砕
(
ふんさい
)
されたからです。
斯
(
こ
)
う云ってはなんだか野球のようですが全くそうでした。そこで
電鈴
(
でんれい
)
がずいぶん永く鳴りました。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
この
頑強
(
がんきょう
)
な敵の中にあって、ワグナーの音楽を
憚
(
はばか
)
りなく演奏し、真に芸術を愛するものの享受に待つためには、理想の芸術殿堂とも言うべき、非営利主義の劇場を作るのほかはないと悟ったのである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
医師
(
いし
)
島本守
(
しまもとまもる
)
は、はじめは
頑強
(
がんきょう
)
に
犯行
(
はんこう
)
を
否認
(
ひにん
)
した。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
拝啓
柳暗花明
(
りゅうあんかめい
)
の好時節と相成候処いよいよ御壮健
奉賀
(
がしたてまつり
)
候
(
そうろう
)
。小生も
不相変
(
あいかわらず
)
頑強
(
がんきょう
)
、
小夜
(
さよ
)
も息災に候えば、
乍憚
(
はばかりながら
)
御休神
可被下
(
くださるべく
)
候
(
そうろう
)
。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして他の者なら死んでしまってるかもしれないほどの
放埒
(
ほうらつ
)
と不摂生にも、彼の
頑強
(
がんきょう
)
な健康は害されないらしかった。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
もしイギリスの近衛の四個中隊と勇敢なベルギーのペルポンシェル師団とが
頑強
(
がんきょう
)
に陣地を維持し得なかったならば、その計画は成功していたであろう。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
するとまた、更に
頑強
(
がんきょう
)
な新手が加わって来た。流木は次第に大きく重くなった。ながい間水に浸されてかちかちになり、時を得て猛然と暴れだしたかのようであった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
同時にその性状が
奇矯
(
ききょう
)
で
頑強
(
がんきょう
)
である場合が多いから、学者と言っても同じく人間であるところの同学や先輩の感情を害することが多いという事実も争われないのである。
時事雑感
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ナポレオンの田虫は
頑癬
(
がんせん
)
の一種であった。それは
総
(
あら
)
ゆる皮膚病の中で、最も
頑強
(
がんきょう
)
な
痒
(
かゆ
)
さを与えて輪郭的に拡がる性質をもっていた。
掻
(
か
)
けば花弁を踏みにじったような汁が出た。
ナポレオンと田虫
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
局舎内には、警備司令部の塩原大尉を首脳として、司令部付の警報班員が数名いて、最後まで
頑強
(
がんきょう
)
に抵抗したが、数十倍に達する暴徒を向うに廻しては、勝てよう筈がなかった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
なにしろ、
敵
(
てき
)
はトーチカに
閉
(
と
)
じこもり、
機関銃
(
きかんじゅう
)
を
乱射
(
らんしゃ
)
して、
頑強
(
がんきょう
)
に
抵抗
(
ていこう
)
するのです。ついに、
決死隊
(
けっしたい
)
が
募
(
つの
)
られました。
我先
(
われさき
)
にと
申
(
もう
)
し
出
(
で
)
たので、たちまちの
間
(
あいだ
)
に
定員
(
ていいん
)
に
達
(
たっ
)
したのです。
とびよ鳴け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「なかなか
頑強
(
がんきょう
)
だ!」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
いかなる権威を彼は握ることだろう!
頑強
(
がんきょう
)
な批評家は数年のうちに、(と若い専制者クリストフは考えた、)一般趣味のナポレオンとなることもでき
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
一方に異議があり、一方に
頑強
(
がんきょう
)
があった。見知らぬ男がジャン・ヴァルジャンに投げ与えた「引っ越せ」という突然の忠告は、非常に彼を脅かして頑固ならしめた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それでも
頑強
(
がんきょう
)
に応じないと、あとから立つ人の演説の中で
槍玉
(
やりだま
)
にあげられる。迷惑な事である。
路傍の草
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
自分はさすが
頑強
(
がんきょう
)
の長蔵さんも今度こそ食いに
這入
(
はい
)
るに違なかろうと思った。ところが這入らない。その代りぴたりと留った。見ると腰障子の奥の方では何だか赤いものが動いている。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
まず
舵
(
かじ
)
は大丈夫使える。船底はかなり
傷
(
いた
)
んではいるが、水のもれる心配はまずない。帆は完全といってもよい位に保存されている。
小船
(
ボート
)
も
頑強
(
がんきょう
)
な奴が積んであり、難船の時の用意も出来ている。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかしこの記事の筆者は、ビスマルクよりもいっそう
頑強
(
がんきょう
)
で、尊敬や恋愛にとらわれない強い人物の一人だった。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
熱狂的な
頑強
(
がんきょう
)
な政府党であって、時機がこないのに早くも射撃をしたくてたまらなくなり、自分ひとりですなわち自分の中隊で
防寨
(
ぼうさい
)
を占領しようという野心に駆られた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
長い間人間の目の
敵
(
かたき
)
にされて虐待されながら
頑強
(
がんきょう
)
な抵抗力で生存を続けて来た
猫草
(
ねこぐさ
)
相撲取草
(
すもうとりぐさ
)
などを急に温室内の
沃土
(
よくど
)
に移してあらゆる有効な肥料を施したらその結果はどうなるであろう。
路傍の草
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
案に相違して健三は
頑強
(
がんきょう
)
であった。同時に細君の
膠着力
(
こうちゃくりょく
)
も固かった。二人は二人同志で
軽蔑
(
けいべつ
)
し合った。自分の父を何かにつけて標準に置きたがる細君は、ややともすると心の中で夫に反抗した。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
たえず自制していたので、また
頑強
(
がんきょう
)
な力が
鬱積
(
うっせき
)
して少しも費やされなかったので、そのためにいらだってきた。するともうどんな馬鹿げた事でもやりかねなかった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
も一人の男は
頑強
(
がんきょう
)
に反対の方向をさし示したらしかった。第一の男が向き直った瞬間に、月の光がその顔をすっかり照らし出した。ジャン・ヴァルジャンは十分にジャヴェルの顔を認めた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
しかし単にいろいろの優秀な楽器が寄り集まっただけでは音楽にはならないと同様に、単にいろいろな個性が他と没交渉に各自の個性を
頑強
(
がんきょう
)
に主張しているだけでは連句は決して成立しない。
連句雑俎
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
教師の細君たちは皆、多少の料理法を心得ていて、
頑強
(
がんきょう
)
に学者ぶってしゃべりたてていた。男たちの方もその問題には同じく趣味を覚えていて、ほとんど劣らないくらいの脳力を示していた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
彼が信じていたことはすべて消散した。自分の欲しない真実が
頑強
(
がんきょう
)
につきまとってきた。今後彼は別の人間とならなければならなかった。突然
内障眼
(
そこひ
)
の手術を受けた本心の異様な苦痛に悩んだ。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
しかしながら事実は曲げ難いものであり、
頑強
(
がんきょう
)
なるものである。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
頑
常用漢字
中学
部首:⾴
13画
強
常用漢字
小2
部首:⼸
11画
“頑”で始まる語句
頑固
頑
頑丈
頑張
頑是
頑健
頑迷
頑冥
頑愚
頑童