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雖然
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けれども
ふりがな文庫
“
雖然
(
けれども
)” の例文
雖然
(
けれども
)
顏の
寄麗
(
きれい
)
なのと、體格の
完全
(
くわんぜん
)
してゐるのと、おつとりした姿と、
美
(
うつく
)
しい
肌
(
はだ
)
とに心を
魅
(
チヤーム
)
せられて、賤しいといふ考を
忘
(
わす
)
れて了ふ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
雖然
(
けれども
)
、
心覺
(
こゝろおぼ
)
えで
足許
(
あしもと
)
の
覺束
(
おぼつか
)
なさに、
寒
(
さむ
)
ければとて、
三尺
(
さんじやく
)
を
前結
(
まへむす
)
びに
唯
(
たゞ
)
解
(
と
)
くばかりにしたればとて、ばた/\
駈出
(
かけだ
)
すなんど
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らない。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雖然
(
けれども
)
どう考えても、例えば此間盗賊に
白刃
(
はくじん
)
を持て追掛けられて怖かったと云う時にゃ、其人は
真実
(
ほんと
)
に怖くはないのだ。
私は懐疑派だ
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
雖然
(
けれども
)
風早學士は、カラ平氣で、
恰
(
まる
)
で子供がまゝ事でもするやうに、臟器を
弄
(
いぢく
)
ツたり摘出したりして、そして更に其の臟器を解剖して見せる。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
雖然
(
けれども
)
、
曳惱
(
ひきなや
)
んで、ともすれば
向風
(
むかひかぜ
)
に
押戻
(
おしもど
)
されさうに
成
(
な
)
る。
暗闇
(
やみ
)
は
大
(
おほい
)
なる
淵
(
ふち
)
の
如
(
ごと
)
し。……
前途
(
ゆくさき
)
の
覺束
(
おぼつか
)
なさ。
何
(
ど
)
うやら
九時
(
くじ
)
のに
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
ひさうに
思
(
おも
)
はれぬ。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
雖然
(
けれども
)
僕等はピュリタンで無いことを承知して貰ひたい。僕は人間なんで、人間には矛盾の多いものだから、從ツて矛盾の行爲も
敢
(
あへ
)
てするのさ。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
待
(
ま
)
てよ。
雖然
(
けれども
)
、
自分
(
じぶん
)
の
製作
(
こしら
)
へた
此
(
こ
)
の
像
(
ざう
)
だ、これが、もし
価値
(
ねうち
)
に
積
(
つも
)
つて、あの、お
浦
(
うら
)
より、
遥
(
はるか
)
に
劣
(
おと
)
つて
居
(
ゐ
)
たら
何
(
ど
)
うする。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
可
(
い
)
いさ、
俺
(
おれ
)
もそりや
何方
(
どつち
)
だツて
可
(
い
)
いさ。
雖然
(
けれども
)
是
(
これ
)
だけは
自白
(
じはく
)
して置く。俺はお前の
肉
(
にく
)
を
吟味
(
ぎんみ
)
したが、心は
吟味
(
ぎんみ
)
しなかツた。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
雖然
(
けれども
)
、
局
(
つぼね
)
が
立停
(
たちどま
)
ると、刀とともに奥の方へ
突返
(
つっかえ
)
らうとしたから、
其処
(
そこ
)
で、
袿
(
うちぎ
)
の
袖
(
そで
)
を掛けて、
曲
(
くせ
)
ものの手を取つた。それが刀を持たぬ方の手なのである。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
雖然
(
けれども
)
何んとなく物靜な、しんめりとした景色の中に、流の音が、ちよろ/\と響いてゐて、數の知れぬ螢が飛んでゐるところは實に
幽邃
(
ゆうえん
)
であつた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
雖然
(
けれども
)
、
驚
(
おどろ
)
くぢやありませんか。
突然
(
いきなり
)
、ばら/\と
擲附
(
ぶつか
)
つたんですからね。
何
(
なに
)
をする……も
何
(
なん
)
にもありはしない。
狂人
(
きちがひ
)
だつて
事
(
こと
)
は
初手
(
しよて
)
から
知
(
し
)
れて
居
(
ゐ
)
るんですから。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雖然
(
けれども
)
其等の物の一つとして、風早學士の心に何んの刺戟も與へなかツた。風に搖れるフラフ、または空を飛ぶ鳥を見るやうな
心地
(
こゝち
)
で、冷々として看過した。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
音信
(
おとづれ
)
して、
恩人
(
おんじん
)
に
禮
(
れい
)
をいたすのに
仔細
(
しさい
)
はない
筈
(
はず
)
。
雖然
(
けれども
)
、
下世話
(
げせわ
)
にさへ
言
(
い
)
ひます。
慈悲
(
じひ
)
すれば、
何
(
なん
)
とかする。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
俺
(
おれ
)
の方が
怜悧
(
れいり
)
になると、お前は涙といふ武器で俺を苦しめるんだからな。
雖然
(
けれども
)
近
(
ちか
)
、
斷
(
ことは
)
ツて置くが、
陰欝
(
いんうつ
)
なのは俺の性分で、
書
(
しよ
)
を讀むのと考へるのが俺の生命だ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
雖然
(
けれども
)
、いざ、
分
(
わか
)
れると
成
(
な
)
れば、
各自
(
てんで
)
が
心
(
こゝろ
)
寂
(
さび
)
しく、
懷
(
なつ
)
かしく、
他人
(
たにん
)
のやうには
思
(
おも
)
はなかつたほど
列車
(
れつしや
)
の
中
(
なか
)
は
人
(
ひと
)
稀
(
まれ
)
で、……
稀
(
まれ
)
と
云
(
い
)
ふより、
殆
(
ほとん
)
ど
誰
(
たれ
)
も
居
(
ゐ
)
ないのであつた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
否
(
いゝえ
)
、
雖然
(
けれども
)
、
不意
(
ふい
)
だつたら、お
遁
(
に
)
げなすつても
濟
(
す
)
んだんでせう。お
怪我
(
けが
)
ほどもなかつたんでせうのに。」
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雖然
(
けれども
)
妻に對して一種の反抗心を持ツてゐるのは事實だ………此反抗心は弱者が強者に對する
嫉妬
(
しつと
)
なんだから、
勢
(
いきほひ
)
憎惡
(
ぞうを
)
の念が起る………
所詮
(
つまり
)
俺
(
おれ
)
は妻が憎いのでなくツて、妻の強壯な體を憎むでゐるのだ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
雖然
(
けれども
)
、
襦袢
(
じゆばん
)
ばかりに
羽織
(
はおり
)
を
掛
(
か
)
けて
旅
(
たび
)
をすべき
所説
(
いはれ
)
はない。……
駈落
(
かけおち
)
と
思
(
おも
)
ふ、が、
頭巾
(
づきん
)
も
被
(
かぶ
)
らぬ。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雖然
(
けれども
)
、
野路
(
のみち
)
に
行暮
(
ゆきく
)
れて、
前
(
まへ
)
に
流
(
なが
)
れの
音
(
おと
)
を
聞
(
き
)
くほど、うら
寂
(
さび
)
しいものは
無
(
な
)
い。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雖
漢検1級
部首:⾫
17画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“雖”で始まる語句
雖
雖称
雖老
雖不知
雖生於戎羯
雖近而不見
雖千万人吾往矣
雖辺土未清余妖尚梗而