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鉄格子
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てつごうし
ふりがな文庫
“
鉄格子
(
てつごうし
)” の例文
旧字:
鐵格子
新館の上層たる望楼は、屋根裏の一種の大広間で、三重の
鉄格子
(
てつごうし
)
がはめてあり、大
鋲
(
びょう
)
をうちつけた二重鉄板の
扉
(
とびら
)
でしめ切ってあった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
後世
(
こうせい
)
地上
(
ちじょう
)
に
来
(
きた
)
るべき
善美
(
ぜんび
)
なる
生活
(
せいかつ
)
のこと、
自分
(
じぶん
)
をして一
分
(
ぷん
)
毎
(
ごと
)
にも
圧制者
(
あっせいしゃ
)
の
残忍
(
ざんにん
)
、
愚鈍
(
ぐどん
)
を
憤
(
いきどお
)
らしむる
所
(
ところ
)
の、
窓
(
まど
)
の
鉄格子
(
てつごうし
)
のことなどである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
新吉は、曲馬団のファットマンのことを思い出し、門の
鉄格子
(
てつごうし
)
の
扉
(
とびら
)
につかまって、中のようすをいっしんにのぞいていました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
鉄格子
(
てつごうし
)
のある窓です。その鉄格子に顔をくっつけるようにして、カーテンのすきまから、部屋の中をのぞいて見ますと……。
青銅の魔人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
博士の足が、実験台よりもすこし高くなったところで、小山嬢は、手にしていた
綱
(
つな
)
を壁際の
鉄格子
(
てつごうし
)
にしっかりと結びつけた。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
陰湿
(
いんしつ
)
な
穴蔵部屋
(
あなぐらべや
)
、手さぐりで
近寄
(
ちかよ
)
ると、
鉄格子
(
てつごうし
)
の
錆
(
さび
)
がザラザラ落ちた。すると、ウーム……とうめきだしたかすかな人声。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私はこんな
鉄格子
(
てつごうし
)
やガラスごしにではなく、じかに青空と太陽が見たいんです。——いいえ、見ないで置くもんですか!
アッタレーア・プリンケプス
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
大
(
おお
)
きな、
鉄格子
(
てつごうし
)
のはまった、四
角
(
かく
)
な
箱
(
はこ
)
を
車
(
くるま
)
に
乗
(
の
)
せてきました。その
箱
(
はこ
)
の
中
(
なか
)
には、かつて、とらや、ししや、ひょうなどを
入
(
い
)
れたことがあるのです。
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おまんが
梯子
(
はしご
)
を降りて行ったあと、吉左衛門はまた土蔵の明り窓に近く行った。
鉄格子
(
てつごうし
)
を通してさし入る十一月の光線もあたりを柔らかに見せている。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
昼飯を終えるころから、日は高い
鉄格子
(
てつごうし
)
の窓を通して流れ込み、コンクリートの壁をじりじりと
灼
(
や
)
いた。
癩
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
わたしは、人をかきわけて、
鉄格子
(
てつごうし
)
のはまった
窓
(
まど
)
に向かった自分の
場所
(
ばしょ
)
へたどりつくと、
両手
(
りょうて
)
を
頭
(
あたま
)
の下へあてがってあおむけにごろりと
寝
(
ね
)
て、目をつぶりました。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
みんなの視線が、
鉄格子
(
てつごうし
)
のはまった、
謹慎室
(
きんしんしつ
)
の小さな窓のほうへ昇って行った。
不細工
(
ぶさいく
)
な、野蛮な、にんじんの顔がのぞいている。彼はしかめっ
面
(
つら
)
をしてみせた。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
(
鉄格子
(
てつごうし
)
をはめた窓の外には枯れ葉さえ見えない
樫
(
かし
)
の木が一本、雪曇りの空に枝を張っていた。)
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
潜水艦の押しつぶされた
扉
(
とびら
)
、鉄の
箍
(
たが
)
、窓の
鉄格子
(
てつごうし
)
についてる金色の隠花植物、表門の上に口を
開
(
あ
)
いてる怪物、あちらこちらに、思いもかけぬところには皆敷いてある、青い瀬戸の敷き石
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
脱獄のシーンに現われる二重の
高塀
(
たかべい
)
の描く単純で力強い並行線のパースペクチヴ。
牢屋
(
ろうや
)
や留置場の窓の
鉄格子
(
てつごうし
)
、工場の窓の十字格子。終わりに近く映出される丸箱に入った蓄音機の幾何学的整列。
映画雑感(Ⅰ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
父母とともに行く
歌舞伎座
(
かぶきざ
)
や新富座の
緋毛氈
(
ひもうせん
)
の美しい
棧敷
(
さじき
)
とは打って変って薄暗い
鉄格子
(
てつごうし
)
の中から人の頭を越して
覗
(
のぞ
)
いたケレンだくさんの小芝居の舞台は子供の目にはかえって不思議に面白かった。
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
かれは
鉄格子
(
てつごうし
)
に顔をおしつけて、わたしを見た。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
各寝室の
鉄格子
(
てつごうし
)
の窓には灯火が上下し、新館の上層には一本の
炬火
(
たいまつ
)
が走り動き、
傍
(
かたわら
)
の
屯所
(
とんしょ
)
にいる消防夫らは呼び集められていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
とつぜん仏壇の横手の
鉄格子
(
てつごうし
)
が、外からむしりとられた。太いまっ黒な手が、外から窓へさしいれられた。人間の腕ではない。くろがねの
巨手
(
きょしゅ
)
だ。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
中村係長は窓の所へ行って、
鉄格子
(
てつごうし
)
に顔をくっつけるようにして、外を見はっている警官たちによびかけました。
青銅の魔人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と、
彼
(
かれ
)
は
思
(
おも
)
い
来
(
きた
)
り、
更
(
さら
)
にまた
彼
(
か
)
の六
号室
(
ごうしつ
)
の
鉄格子
(
てつごうし
)
の
中
(
なか
)
で、ニキタが
患者等
(
かんじゃら
)
を
打殴
(
なぐ
)
っていること、モイセイカが
町
(
まち
)
に
行
(
い
)
っては、
施
(
ほどこし
)
を
請
(
こ
)
うている
姿
(
すがた
)
などを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
す。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「まったく、そうです。あんな
鉄格子
(
てつごうし
)
のおりに
入
(
い
)
れておく
必要
(
ひつよう
)
はありませんね。」といいました。
白いくま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これもおのずから
透明
(
とうめい
)
になり、
鉄格子
(
てつごうし
)
の中に
群
(
むらが
)
った何匹かの猿を現して見せる。それからまた塀全体は
操
(
あやつ
)
り
人形
(
にんぎょう
)
の舞台に変ってしまう。舞台はとにかく西洋じみた室内。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
窓には
鉄格子
(
てつごうし
)
がはまっている。外に出るわけにいかない。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
切り石の
床
(
ゆか
)
と、一つのたたみ寝台と、
鉄格子
(
てつごうし
)
をはめた一つの軒窓と、一つの鉄の
二重扉
(
にじゅうとびら
)
とでできていて、地牢と呼ばれていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
巨人ハルクのとじこめられた倉庫の、
通風窓
(
つうふうまど
)
にはめられてあった
鉄格子
(
てつごうし
)
が、きいきいとおとをたてはじめた。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そうして
貴方
(
あなた
)
はたとい三
重
(
じゅう
)
の
鉄格子
(
てつごうし
)
の
内
(
うち
)
に
住
(
す
)
んでいようが、この
幸福
(
こうふく
)
をもっているのでありますから。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
すっかり
鉄格子
(
てつごうし
)
がはめてあったし、壁
一重
(
ひとえ
)
向うの
焚
(
た
)
き
口
(
ぐち
)
には女中がいるのだし、窓の外は少しの空地を隔てて、高い塀が厳重に建てめぐらしてあったので、殆ど不安を感じることはないのだ。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
三人が初めて案内された病室には、
束髪
(
そくはつ
)
に結った令嬢が、熱心にオルガンを
弾
(
ひ
)
いていた。オルガンの前には
鉄格子
(
てつごうし
)
の窓があって、その窓から洩れて来る光が、冷やかに令嬢の
細面
(
ほそおもて
)
を照らしていた。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
地面がつきて水となってる所に、
分厚
(
ぶあつ
)
な錠前と三つの太い
肱金
(
すじかね
)
とのついてる大きな低い円形の
鉄格子
(
てつごうし
)
を、彼は認めたのだった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
いつものように
頬
(
ほお
)
かぶりをし、その上にうす茶色の、かたのくずれた鳥打帽をのせていた。彼は、監房の
鉄格子
(
てつごうし
)
をとんとんと叩いて、牛丸少年に早く食器をだせとさいそくした。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
福田氏はその前夜も就寝前に、書斎の
扉
(
ドア
)
にはちゃんと内部から
締
(
しま
)
りをして置いた。庭に面した窓には、皆
鉄格子
(
てつごうし
)
がはめてあるのだし、無論締りも出来ていた。紙切を投げ込む隙間なんてある
筈
(
はず
)
がない。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そのまた
鉄格子
(
てつごうし
)
の門の向うには
棕櫚
(
しゅろ
)
が何本もそよいでいる。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ジャン・ヴァルジャンの前に親切にも
鉄格子
(
てつごうし
)
を開いてやったのは、テナルディエの一つの妙策だったことも、また同様にわかるはずである。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
吉岡清君
(
よしおかきよしくん
)
は、動物園のお猿のように、窓の
鉄格子
(
てつごうし
)
につかまって
覗
(
のぞ
)
きこんでいる。
大空魔艦
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鉄格子
(
てつごうし
)
夜光人間
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
跣足
(
はだし
)
の爪先でそっと
鉄格子
(
てつごうし
)
の方へ進み寄り、外をのぞき、指を口にあて、決心のつかないようなふうでしばらくたたずんだ。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
真正面の大きい窓硝子が
滅茶滅茶
(
めちゃめちゃ
)
に
壊
(
こわ
)
れて、ポッカリ異様な
大孔
(
おおあな
)
が出来、
鉄格子
(
てつごうし
)
が
肋骨
(
ろっこつ
)
のように露出していた。その窓の下に寝台があって、その上に寝ているのは重症の赤星龍子だった。
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
騎馬門と徒歩門とはその
鉄格子
(
てつごうし
)
が続いていて、そばに一つの小屋があった。ペロンネという建築者が建てたもので、墓地の門番が住んでいた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ロープの端っこは、素早く機関車の
鉄格子
(
てつごうし
)
に結びつけられた。
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
壁に張ってある
南京紙
(
なんきんし
)
の小さな花模様が、その
鉄格子
(
てつごうし
)
に静かに整然と接していたが、それでも花模様のなごやかな様子は少しも乱されてはいなかった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
と、仏が、
鉄格子
(
てつごうし
)
の中を
覗
(
のぞ
)
きこみながら、いうと
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鉄格子
(
てつごうし
)
と手錠とで
禿鷹
(
はげたか
)
の幽閉されてる墓穴の中を吹き過ぎていたが、なおいっそう酷烈悲壮なる
朔風
(
きたかぜ
)
は、これらの
鳩
(
はと
)
のはいってるかごの中を吹いていた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
“鉄格子”の意味
《名詞》
鉄(鋼鉄)でできた格子。
(context、figurative)監獄。刑務所。
(出典:Wiktionary)
“鉄格子”の解説
鉄格子(てつごうし)は、鉄でできた格子状の構造物。
(出典:Wikipedia)
鉄
常用漢字
小3
部首:⾦
13画
格
常用漢字
小5
部首:⽊
10画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“鉄格子”で始まる語句
鉄格子口