突込つゝこ)” の例文
と、こゑないまで、したかわいたか、いきせはしく、をとこあわたゞしく、懷中ふところ突込つゝこんだが、かほいろせてさつかはつた。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
昆虫学者として名高い、それがためにノオベル賞金をももらつた仏蘭西フランスのアンリ・フアブル先生は、いつも風邪をひくと、自分の頭を灰のなかに突込つゝこむといふ事だ。
もしかして案内あんないするとり方角はうがく間違まちがへて、鳥屋とやあみにでもかゝらうものなら、いてとりなんありましてもみなおなじやうにそのあみくび突込つゝこんでしまひます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
かれはそれから大籠おほかご落葉おちばつかして茶釜ちやがました突込つゝこんだ。與吉よきちそばからちひさなつかんでげた。卯平うへいあしもとにははひおほうて落葉おちば散亂さんらんした。落葉おちば卯平うへい衣物きものにもとまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
さうして加減かげんのところで、突込つゝこんでさぐつてると、たしかさはるものがある。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「あなたは、ジエィン・エリオットと云ひましたね?」彼は突込つゝこんだ。
はゝは、ちゝが、木像もくざうどう挫折ひしをつた——それまたもろれた——のを突然いきなりあたまから暖炉ストーブ突込つゝこんだのをたが、折口をれくちくと、内臓ないざうがすつかり刻込きざみこんであつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それがまた二三反覆くりかへされた。内側うちがはがぼんやりとしてそれから段々だん/\あかるくつてやうやたもたれた。茶釜ちやがまそこれるばかりに突込つゝこまれた落葉おちばにはうしてけられた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いまはたいたまゝで、元二げんじが、財布さいふ出入だしいれをするうち縁側えんがははしいた煙管きせるつて、兩提りやうさげつゝ突込つゝこまうとするとき縁臺えんだいしたから、のそ/\と前脚まへあしくろした一ぴき黒猫くろねこがある。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
勘次かんじさんそれでも穀類こくるゐはなか/\容子ようすだね」突込つゝこんでくと
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)