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つゝこ
もしかして
案内する
鳥が
方角を
間違へて、
鳥屋の
網にでもかゝらうものなら、
隨いて
行く
鳥は
何十
羽ありましても
皆同じやうにその
網へ
首を
突込んでしまひます。
彼はそれから
大籠の
落葉を
攫み
出して
茶釜の
下に
突込んだ。
與吉も
側から
小さな
手で
攫んで
投げた。
卯平の
足もとには
灰を
掩うて
落葉が
散亂した。
落葉は
卯平の
衣物にも
止つた。
と訊くと、独身哲学者はもじや/\した頭の毛に
掌面を
衝込んで、
智慧を駆り出しでもするやうに
其辺を掻き廻した。
味噌汁を
拵へるのに、味噌の煮え立つ前に、
滑つこい
焼石を
鍋に
衝込むものがある。かうすると味噌がはつと
吃驚して、その瞬間に
所謂味噌の味噌臭い匂ひが
失くなつて、
真実の味となる。