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残忍
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ざんにん
ふりがな文庫
“
残忍
(
ざんにん
)” の例文
旧字:
殘忍
後世
(
こうせい
)
地上
(
ちじょう
)
に
来
(
きた
)
るべき
善美
(
ぜんび
)
なる
生活
(
せいかつ
)
のこと、
自分
(
じぶん
)
をして一
分
(
ぷん
)
毎
(
ごと
)
にも
圧制者
(
あっせいしゃ
)
の
残忍
(
ざんにん
)
、
愚鈍
(
ぐどん
)
を
憤
(
いきどお
)
らしむる
所
(
ところ
)
の、
窓
(
まど
)
の
鉄格子
(
てつごうし
)
のことなどである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
こう
思
(
おも
)
った
瞬間
(
しゅんかん
)
、いままでの
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
のなごやかなまぼろしは
消
(
き
)
えてしまって、そこには、
残忍
(
ざんにん
)
な、
血
(
ち
)
なまぐさい
光景
(
こうけい
)
が、ありありと
浮
(
う
)
かびました。
太陽と星の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その青白い
皮膚
(
ひふ
)
の色と、つめたい、
鋭
(
するど
)
い眼の光とは、むしろ神経質な知識人を思わせ、また一方では、勝ち気で、ねばっこい、
残忍
(
ざんにん
)
な実務家を思わせた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
憎
(
にく
)
いにはあくまで憎いであろうが、一つはこの女の性質が
残忍
(
ざんにん
)
なせいでもあろうか、またあるいは多くの男に接したりなんぞして自然の法則を
蔑視
(
べっし
)
した
婦人等
(
おんなたち
)
は
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
なんという
残忍
(
ざんにん
)
な
微笑
(
びしょう
)
を
浮
(
うか
)
べながら、わたしはこの『なんにも』という句を、
繰返
(
くりかえ
)
したことだろう!
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
▼ もっと見る
女
侠客
(
きょうかく
)
といわれる者は、他にもあるが、「ドテラ婆さん」のような、男か女かわからない、人を殺すことを屁とも思っていない、執拗
残忍
(
ざんにん
)
な女に逢ったのははじめてだ。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
けわしい眼をした
残忍
(
ざんにん
)
の
相
(
そう
)
ではあるが、ともかくも若い顔になったのである。するとまたここへ、かの黒い影がおおって来て、前のごとくにかれらを暗いなかへ包み去った。
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
西南戦争の
後
(
のち
)
程もなく、世の中は、
謀反人
(
むほんにん
)
だの、
刺客
(
しかく
)
だの、強盗だのと、
殺伐
(
さつばつ
)
残忍
(
ざんにん
)
の話ばかり、少しく
門構
(
もんがまえ
)
の大きい地位ある人の屋敷や、土蔵の
厳
(
いか
)
めしい商家の縁の下からは
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかし、
異様
(
いよう
)
なその
風態
(
ふうてい
)
は、牛丸平太郎からなんども聞かされていた。鬼にもひとしい四馬頭目の
残忍
(
ざんにん
)
ぶりは、戸倉老人や牛丸平太郎から、耳にたこができるほど聞いていた。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いくら
捨
(
す
)
て
鉢
(
ばち
)
になったにしろ、よくこんな、
残忍
(
ざんにん
)
な盗みができることと思うが、
根
(
ね
)
を考えると、富士の
人穴
(
ひとあな
)
に
巣
(
す
)
をかまえていた時から、和田呂宋兵衛、このほうが本業なのだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は腕組みをしながら、ひたいに
残忍
(
ざんにん
)
な八の字をよせて、窓のきわに腰をかけていた。こうしていると、まったく彼はナポレオンに生き写しであった。リザヴェッタもそれを深く感じた。
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
悍悪
(
かんあく
)
の事に狼の字をいふもの○
残忍
(
ざんにん
)
なるを
豺狼
(
さいらう
)
の心といひ○声のおそろしきを
狼声
(
らうせい
)
といひ○
毒
(
どく
)
の
甚
(
はなはだ
)
しきを
狼毒
(
らうどく
)
といひ○事の
猥
(
みだりなる
)
を
狼々
(
らう/\
)
○
反相
(
はんさう
)
ある人を
狼顧
(
らうこ
)
○
義
(
ぎ
)
无
(
なき
)
を中山狼○
恣
(
ほしいまゝ
)
に
食
(
くふ
)
を
狼飡
(
らうざん
)
○
病
(
やまひ
)
烈
(
はげしき
)
を
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
左膳の一眼が
残忍
(
ざんにん
)
な光を増した。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
このとき、
姉
(
あね
)
は、
残忍
(
ざんにん
)
な
笑
(
わら
)
いを
顔
(
かお
)
にうかべました。そして、
勝利者
(
しょうりしゃ
)
のごとく、どこかへ
去
(
さ
)
ってしまいました。
灰色の姉と桃色の妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
悍悪
(
かんあく
)
の事に狼の字をいふもの○
残忍
(
ざんにん
)
なるを
豺狼
(
さいらう
)
の心といひ○声のおそろしきを
狼声
(
らうせい
)
といひ○
毒
(
どく
)
の
甚
(
はなはだ
)
しきを
狼毒
(
らうどく
)
といひ○事の
猥
(
みだりなる
)
を
狼々
(
らう/\
)
○
反相
(
はんさう
)
ある人を
狼顧
(
らうこ
)
○
義
(
ぎ
)
无
(
なき
)
を中山狼○
恣
(
ほしいまゝ
)
に
食
(
くふ
)
を
狼飡
(
らうざん
)
○
病
(
やまひ
)
烈
(
はげしき
)
を
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
だから、むろん、
祭壇
(
さいだん
)
はあれほうだいだし、もとの
教会堂
(
きょうかいどう
)
には、
槍
(
やり
)
や
鉄砲
(
てっぽう
)
をたくわえこみ、うわべこそ
伴天連
(
バテレン
)
の
黒布
(
こくふ
)
をまとっているが、心は、
人穴
(
ひとあな
)
時代からかわりのない
残忍
(
ざんにん
)
なるかれであった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もし、だれか
村
(
むら
)
のものがこの
有
(
あ
)
り
様
(
さま
)
を
見
(
み
)
たら、あの
平常
(
ふだん
)
口
(
くち
)
もきかない
男
(
おとこ
)
に、こんな
残忍
(
ざんにん
)
なことができるかと、かつて
想像
(
そうぞう
)
のできなかっただけびっくりするでしょう。
火を点ず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
神
(
かみ
)
さまの
与
(
あた
)
えられた
生命
(
いのち
)
を
奪
(
うば
)
ってしまうという、
残忍
(
ざんにん
)
な
行為
(
こうい
)
は、ゆるされないのでないかね。
太陽と星の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
見
(
み
)
なれない百
姓
(
しょう
)
だな。」と
思
(
おも
)
って、
彼
(
かれ
)
も、
立
(
た
)
ち
止
(
ど
)
まって、その
顔
(
かお
)
を
見上
(
みあ
)
げますと、
赤銅色
(
しゃくどういろ
)
に
日
(
ひ
)
に
焼
(
や
)
けて、
角張
(
かくば
)
った
顔
(
かお
)
は、なんとなく、
残忍
(
ざんにん
)
な
相
(
そう
)
をあらわして、あちらをにらんで
死と話した人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そう
思
(
おも
)
うと、いい
知
(
し
)
れぬ
不快
(
ふかい
)
を、だれがしたか、この
残忍
(
ざんにん
)
な
行為
(
こうい
)
から
感
(
かん
)
じられました。
生
(
い
)
きている
鳥
(
とり
)
を
本位
(
ほんい
)
にして、かえって、
無理
(
むり
)
に
鳥
(
とり
)
を
小
(
ちい
)
さくしようとする、
冷酷
(
れいこく
)
さを
思
(
おも
)
わずにいられません。
自由
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「おたがいに、
愛情
(
あいじょう
)
があり、しんせつだったから、
万物
(
ばんぶつ
)
の
長
(
ちょう
)
といわれたが、いまは、
残忍
(
ざんにん
)
なこと、ほかの
動物
(
どうぶつ
)
の
比
(
ひ
)
でないから、かえって、
悪魔
(
あくま
)
に
近
(
ちか
)
いといえるだろう。」と、
S少年
(
エスしょうねん
)
がいいました。
太陽と星の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これを
見
(
み
)
ると、
残忍
(
ざんにん
)
な
姉
(
あね
)
は、あまりのうれしさに
身震
(
みぶる
)
いがしたのです。
消えた美しい不思議なにじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、
涙
(
なみだ
)
のない
残忍
(
ざんにん
)
なことをいったものもあります。
黒い旗物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“残忍”の解説
残忍
(出典:Wikipedia)
残
常用漢字
小4
部首:⽍
10画
忍
常用漢字
中学
部首:⼼
7画
“残忍”で始まる語句
残忍性
残忍事
残忍酷薄