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捩
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ねぢ
ふりがな文庫
“
捩
(
ねぢ
)” の例文
これは荒川が仏蘭西へ行つた当座、物珍らしい最中に、
巴里
(
パリ
)
の町で買つたのである。口は
入違
(
いりちがひ
)
になつて銀の小さい玉を
捩
(
ねぢ
)
つて開けるやうになつてゐる。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
汝
(
われ
)
何處
(
どこ
)
さ
行
(
え
)
くんだ。こうれ」
勘次
(
かんじ
)
は
引
(
ひ
)
つ
捉
(
つか
)
まうとしたがおつぎは
身
(
み
)
を
捩
(
ねぢ
)
つてさつさと
行
(
ゆ
)
く。
勘次
(
かんじ
)
は
慌
(
あわ
)
てゝ
草履
(
ざうり
)
の
爪先
(
つまさき
)
が
蹶
(
つまづ
)
きつゝおつぎの
後
(
あと
)
に
跟
(
つ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
粗羅紗の長上衣を著て長い
捩
(
ねぢ
)
れた泥鰌髭をはやした楽師が
弓
(
きゆう
)
を一触するや、一同の者が否応なしに、一斉に調子をそろへて踊り出す、その光景を眺めては
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「菓子がなければ、早く買つて
置
(
お
)
けば
可
(
い
)
いのに」と代助は水道の
栓
(
せん
)
を
捩
(
ねぢ
)
つて湯呑に水を
溢
(
あふ
)
らせながら云つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ば折られても、二度と父母の処へも戻ったのぢゃ。なれども
健
(
すこや
)
かな二本の脚を、何面白いこともないに、
捩
(
ねぢ
)
って折って放すとは、何といふ
浅間
(
あさま
)
しい人間の心ぢゃ。
二十六夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
『よろしい、
參
(
まい
)
りませう。』と
琵琶
(
びは
)
投
(
な
)
げ
捨
(
す
)
てゝ、
一番
(
いちばん
)
鬪
(
たゝか
)
つたが、
忽
(
たちま
)
ちウンと
捩
(
ねぢ
)
り
倒
(
たを
)
された。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
何
(
ど
)
うも
是
(
これ
)
は耳へ
附
(
つ
)
けて
聴
(
き
)
くのに、ギン/\と
微
(
かす
)
かに
聴
(
きこ
)
えて
判然
(
はつきり
)
解
(
わか
)
らぬやうだが、
何
(
ど
)
うか
斯
(
か
)
う耳へ
当
(
あて
)
ずに
器械
(
きかい
)
をギユーと
捩
(
ねぢ
)
ると、
判然
(
はつきり
)
音色
(
おんしよく
)
が
席中
(
せきぢう
)
一
抔
(
ぱい
)
に
大音
(
だいおん
)
に
聴
(
きこ
)
えるやうに
仕
(
し
)
たいものだ。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
鳥屋の店先で
青
(
あを
)
ン
膨
(
ぶくれ
)
の若者が、パタ/\
踠
(
あが
)
いてゐる鷄を
攫
(
つかん
)
で首をおツぺしよるやうに引ン
捩
(
ねぢ
)
ツてゐることや、肉屋の店に皮を剥がれたまゝの豚が
鈎
(
かぎ
)
に吊されて逆さになツてゐることや
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
廊下を
二角
(
ふたかど
)
程
曲
(
まが
)
つてギヤルソンの
開
(
あ
)
けたのは白い冷たい感じのする部屋であつた。かちかちと云はせてあちこちの
捩
(
ねぢ
)
をねぢると、あるだけの
灯
(
ひ
)
が皆
点
(
つ
)
いた。黄色い
間
(
ま
)
に見えるやうになつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
滿身すべて
涜聖
(
とくせい
)
の言葉に
捩
(
ねぢ
)
れ
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
暖かい日の
午過
(
ひるすぎ
)
食後の運動がてら水仙の水を易へてやらうと思つて洗面所へ出て、水道の
栓
(
せん
)
を
捩
(
ねぢ
)
つてゐると、其看護婦が受持の
室
(
へや
)
の茶器を洗ひに來て、例の通り挨拶をしながら
変な音
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
及
(
およ
)
び
後方
(
こうほう
)
に
設
(
まう
)
けられたる
遞進機
(
ていしんき
)
とを
使用
(
しよう
)
して、
登
(
のぼ
)
る
山道
(
やまみち
)
の
大木
(
たいぼく
)
巨巖等
(
きよがんとう
)
を
力
(
ちから
)
に、
螺旋形
(
らせんけい
)
の
尖端
(
せんたん
)
は
先
(
ま
)
づ
螺釘
(
らてい
)
の
如
(
ごと
)
く
前方
(
ぜんぽう
)
の
大木
(
たいぼく
)
に
捩
(
ねぢ
)
れ
込
(
こ
)
み、
車内
(
しやない
)
の
揚上機
(
やうじやうき
)
の
運轉
(
うんてん
)
と
共
(
とも
)
に、
其
(
その
)
螺旋
(
らせん
)
は
自然
(
しぜん
)
に
收縮
(
しゆうしゆく
)
して
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
外
(
そと
)
の
光
(
ひかり
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
たお
品
(
しな
)
の
目
(
め
)
には
直
(
す
)
ぐにはおつぎの
姿
(
すがた
)
も
見
(
み
)
えなかつたのである。
戸口
(
とぐち
)
からではおつぎの
身體
(
からだ
)
は
竈
(
かまど
)
の
火
(
ひ
)
を
掩
(
おほ
)
うて
居
(
ゐ
)
た。
返辭
(
へんじ
)
すると
共
(
とも
)
に
身體
(
からだ
)
を
捩
(
ねぢ
)
つたので
其
(
その
)
赤
(
あか
)
い
火
(
ひ
)
が
見
(
み
)
えたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
満身すべて
涜聖
(
とくせい
)
の言葉に
捩
(
ねぢ
)
れ
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「
根性
(
こんじやう
)
捩
(
ねぢ
)
れてつからだあ、
晩稻
(
おくいね
)
は
作
(
つく
)
んなつちのに」
女房
(
にようばう
)
の
一人
(
ひとり
)
が
又
(
また
)
いつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
捩
漢検1級
部首:⼿
10画
“捩”を含む語句
捩上
逆捩
捩込
捩向
捩子
引捩
捩放
捩伏
捩取
捩斷
觀世捩
豆捩
観世捩
襞襀捩
紙捩
棒捩
一捩
関捩
捩螺
捩曲
...