“捩向”のいろいろな読み方と例文

読み方	割合
ねじむ	66.7%
ねぢむ	33.3%

ねじむ

葭簀（よしず）を分けるようにして入って行くのを、象の後脚（うしろあし）のところに蹲（しゃが）んでいた重右衛門、首だけこちらへ捩向（ねじむ）けて、眼の隅から上眼で睨め上げ、ふふん、と鼻で、笑った。

平賀源内捕物帳：山王祭の大像 (新字新仮名) ／ 久生十蘭(著)

ゆるやかに縁の端に腰をおろすとともに、手をつきそらして捩向（ねじむ）きざま、わがかおをば見つ。

竜潭譚 (新字新仮名) ／ 泉鏡花(著)

ねぢむ

身體さへ少許（すこし）捩向（ねぢむ）けて、そして、そして、繁を仰ぎ乍らニタ／＼と笑つた。紅をつけ過した爲に、日に燃ゆる牡丹の樣な口が、顏一杯に擴がるかと許り大きく見える。

葬列 (旧字旧仮名) ／ 石川啄木(著)

満枝は彼の遽（にはか）に捩向（ねぢむ）きて膝（ひざ）の前（すす）むをさへ覚えざらんとするを見て、歪（ゆが）むる口角（くちもと）に笑（ゑみ）を忍びつ

金色夜叉 (新字旧仮名) ／ 尾崎紅葉(著)

捩	漢検1級 部首:⼿ 10画
向	常用漢字 小３ 部首:⼝ 6画