捩向ねじむ)” の例文
葭簀よしずを分けるようにして入って行くのを、象の後脚うしろあしのところにしゃがんでいた重右衛門、首だけこちらへ捩向ねじむけて、眼の隅から上眼で睨め上げ、ふふん、と鼻で、笑った。
ゆるやかに縁の端に腰をおろすとともに、手をつきそらして捩向ねじむきざま、わがかおをば見つ。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夜の色は極めてくらし、ろうを取りたるうつくしき人の姿さやかに、庭下駄にわげた重く引く音しつ。ゆるやかにえんの端に腰をおろすとともに、手をつきそらして捩向ねじむきざま、わがかほをば見つ。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「ああ、そうよ。」と捩向ねじむいてすずしく目をみひらく。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)