山林さんりん)” の例文
ですから彼等かれらのゐる村落附近そんらくふきん山林さんりんは、のちにはだん/\にせまく、まばらになつてて、つひにはまき材料ざいりようにも不足ふそくするようになりました。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
と、おかあさんはいいました。海蔵かいぞうさんは、せんだって利助りすけさんが、山林さんりんでたいそうなおかねもうけたそうなときいたことをおもいだしました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
以前から彼の心のすみには“山林さんりん”があった。“後生の願い”もたぶんにあった。すべてかなわぬねがいであった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第七 一ヶげつ五六かなら村里むらざとはなれたる山林さんりんあるひ海濱はまべで、四五みち歩行ほかうすべきこと
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
それはおも海岸かいがん砂丘さきゆうおこつたものであつて根府川ねぶがは山津浪やまつなみとは比較ひかくにならなかつたけれども、雪崩なだくだつた距離きより五六町ごろくちようおよび、山林さんりん田園でんえん道路どうろなりな損害そんがんあたへた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
奇樹きじゆきしよこたはりてりようねふるがごとく、怪岩くわいがんみちふさぎてとらすにたり。山林さんりんとほそめにしきき、礀水かんすゐふかげきしてあゐながせり。金壁きんへきなら緑山りよくざんつらなりたるさま画にもおよばざる光景くわうけい也。
にちさうしてもなくつて巨人きよじん爪先つまさきには平坦へいたんはた山林さんりんあひだ介在かいざいしてかく村落そんらく茅屋あばらやこと/″\落葉おちばもたげてきのこのやうなちひさな悲慘みじめものでなければならなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
己が養女やうぢよとして支度したくも立派に調へ水呑村九助方へぞ送りける茲に又惣内は九郎兵衞に惡智慧わるぢゑを加れ村中の山林さんりんうり或ひは質入しちいれなどにせし事あらはれければ村方小前一とう百五十軒集合しふがふして惣内が不埓ふらちすぢ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「それだけ、利助りすけさ、ふんぱつしてくれないかエ。きけば、おまえ、だいぶ山林さんりんでもうかったそうだが。」
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
以上いじようわたしがおはなししてたことは、山林さんりんはわれ/\人間にんげんにとつては大變たいへん關係かんけいふかく、いろいろの意味いみでずいぶんやくつてゐること、それから有用ゆうよう樹木じゆもくのこと、日本につぽん森林帶しんりんたいはなし
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)