大得意だいとくい)” の例文
大得意だいとくい船町倉次郎ふなまちくらじらうは、さらいうして圓石まるいし取除とりのぞくと、最初さいしよ地面ぢづらより一ぢやう尺餘じやくよ前面ぜんめんおいて、ぽかりと大穴おほあな突拔つきぬけた。
気が気でないので、一同があわてふためく中で、医道いどうの用はこの時にありとばかり、長庵は大得意だいとくいだ。意識不明の幸吉を仰向あおむけに寝かして
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
白い歯をむきだして、虚空こくう凱歌がいかをあげた蛾次郎がじろうは、口にくわえていた細竹ほそだけつえを持ちなおし、ここ、竹童そッくりの大得意だいとくい
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
途中とちう武村兵曹たけむらへいそう大得意だいとくいで、ヤンヤ/\の喝釆かつさい眞中まんなかつて、口沫こうまつとばして、今回こんくわい冐險譚ぼうけんだんをはじめた。
一番首いちばんくび一番乘いちばんのり、ソレ大得意だいとくいときであるからなんとなく了簡れうけんやはらかに、首筋くびすぢもぐにや/\としてをりから、自然しぜんあめさびしくなどはお念佛ねんぶつひとつもとなへるところ
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
權勢家けんせいかなにがしといふが居てこの靈妙れいめうつたき、一けんもとめた、雲飛うんぴ大得意だいとくいでこれをとほして石を見せると、なにがしも大に感服かんぷくしてながめて居たがきふぼくめいじて石をかつがせ
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
曾婆加里そばかりはこれでいよいよ思いがかなったと言って大得意だいとくいになって喜びました。水歯別王みずはわけのみこ
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
ガンのむれといっしょにんでいる大きなガチョウは、ガンの仲間なかまにはいってスウェーデンの南の地方を飛びまわり、地上のい鳥たちとふざけられるので、大得意だいとくいになっていました。
りともらぬミハイル、アウエリヤヌヰチは、大得意だいとくいで、佛蘭西フランス早晩さうばん獨逸ドイツやぶつてしまふだらうとか、モスクワには攫客すりおほいとか、うま見掛計みかけばかりでは、其眞價そのしんかわからぬものであるとか。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
鸚鵡あうむはこれで大得意だいとくい
鸚鵡:(フランス) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
地下坑道ちかかうだうからすゝんで敵砲臺てきほうだい陷落かんらくせしめた勇士いうしくやと、われながら大得意だいとくいであつた。
かちつたる秀吉ひでよし一騎驅いつきがけにうませると、こしよりさいいだし、さらりとつて、れは筑前守ちくぜんのかみぞや、又左またざ又左またざ鐵砲てつぱうつなと、大手おほて城門じやうもんひらかせた、大閤たいかふ大得意だいとくい場所ばしよだが
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もののみごとに、ガンを助けてやることができたので、大得意だいとくいだったのです。
さりともらぬミハイル、アウエリヤヌイチは、大得意だいとくいで、仏蘭西フランス早晩そうばん独逸ドイツやぶってしまうだろうとか、モスクワには攫客すりおおいとか、うま見掛みかけばかりでは、その真価しんかわからぬものであるとか。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
カラスたちはこれをなんどもなんどもくりかえしました。このダンスになれていないものには、すこし変化へんかがなさすぎるように思われます。ところが、カラスはじぶんたちのダンスが大得意だいとくいです。