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商売
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あきない
ふりがな文庫
“
商売
(
あきない
)” の例文
旧字:
商賣
では、どうすれば可いか、ということに成ると、事業家でない宗蔵や
商売
(
あきない
)
一つしたことの無いお倉には、何とも言ってみようが無かった。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「病弱の氏は容易なことでは、書斎から街頭へは出て行かれないが、が其代り自分ぐるみ、書斎を街頭へ持ち出して行き知識の大道
商売
(
あきない
)
をする」
小酒井不木氏スケッチ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
男
(
なん
)
を
坪太郎
(
つぼたろう
)
と名づけ、
鍾愛
(
しょうあい
)
此上無かりしが、此
男子
(
なんし
)
、生得
商売
(
あきない
)
の道を好まず、
稚
(
いとけな
)
き時より宇治
黄檗
(
おうばく
)
の道人、
隠元
(
いんげん
)
禅師に参じて学才人に超えたり。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
格子戸の奥で
商売
(
あきない
)
をされている様なお宅ばかり——それも、ご商売と申すのは、看板だけ、多くは、家代々からうけついだ、財産や家宅をもって
両面競牡丹
(新字新仮名)
/
酒井嘉七
(著)
無事に城下や近在を
徘徊
(
はいかい
)
して、
商売
(
あきない
)
のかたわらに職務上の探索に努めていたのであるが、叔父の不注意か、但しは藩中の警戒が厳重であったのか
くろん坊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
ひくか、それとも、そのまま和泉屋の
商売
(
あきない
)
につぎ込んでおいて、お前さんも
大本
(
おおもと
)
の商法に口を入れるか、それはお前さんのこころもち一つなのですよ
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
これはまた余りに
情
(
なさけ
)
ない。町内の
杢若
(
もくわか
)
どのは、
古筵
(
ふるむしろ
)
の両端へ、
笹
(
ささ
)
の葉ぐるみ青竹を立てて、縄を渡したのに、幾つも
蜘蛛
(
くも
)
の巣を
引搦
(
ひっから
)
ませて、
商売
(
あきない
)
をはじめた。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから、いつものお決りで物価のことや、
商売
(
あきない
)
のことや、モスクワの景気がどうだこうだ、という話をはじめた。やがて、ニジニ・ノヴゴロッドの
市
(
いち
)
の話も出た。
クロイツェル・ソナタ:01 クロイツェル・ソナタ
(新字新仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
と言い遺して、
平常
(
ふだん
)
商売
(
あきない
)
に出る時の風で、
草鞋
(
わらじ
)
を
穿
(
は
)
いて出て行った。この村から、高田へは三里、直江津へは二里ある。母は常に高田へも行き、直江津へも行った。
越後の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
モスクワで
商売
(
あきない
)
をしていましたがね、
免役税
(
オブローク
)
だけでも年に五百ルーブリから入れておりましたからな。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
自分もやはりそのとおり家内に相談しなければならんという。ですから妻の権力は非常に強いもので、大抵の場合には妻の命令で
商売
(
あきない
)
にも出掛けるというような訳です。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
……それからまた二年おいた
一昨年
(
おととし
)
の秋、ひょッくりやって参りまして、そン節の
詫言
(
かねごと
)
をさまざまにいたし、お種さんの
婿殿
(
むこどん
)
が
唐木
(
からき
)
の
商売
(
あきない
)
をしておるというのであッたら
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
月々定まった安月給に甘んでいて出世の見込みがあろうか、
商売
(
あきない
)
をするんだと、暇をとった。
俗臭
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
サ、何もそんなに感心する事はなかろう、今度のようなちよっとした
風邪
(
かぜ
)
でも
独身者
(
ひとりもの
)
ならこそ
商売
(
あきない
)
もできないが女房がいれば世話もしてもらえる店で商売もできるというものだ、そうじゃアないか
置土産
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
かけその日のみわれらがために
一日
(
いちにち
)
商売
(
あきない
)
の面倒をいとはざりけり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「いえ、まだちっとも、
商売
(
あきない
)
に馴れませんで」
治郎吉格子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
階下
(
した
)
に住む婦人がナカナカのエラ者で、
商売
(
あきない
)
の道にも明るく、養子の失敗を憂えていることなぞが、かわるがわる正太夫婦の口から出た。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
一晌
(
いっとき
)
ほどの後に千枝太郎は暇乞いをして帰った。それから京の町をひとめぐりしたが、きょうも都の人はちっとも彼に
商売
(
あきない
)
をさせてくれなかった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
売手は
希有
(
けぶ
)
な顔をした。が、
言
(
ことば
)
戦い無用なりと
商売
(
あきない
)
に勉強で、すぐ古新聞に、ごとごとと包んで出した。……この中に、だらしのない別嬪が居るのだそうである。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それに大道で商うとは、若いとはいえ不埒千万、しかし食うための
商売
(
あきない
)
とあれば、強いて咎めるにもあたるまい。……とまれお前には見所がある。志があったら訪ねて来い。
柳営秘録かつえ蔵
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
蔵前旅籠町
(
くらまえはたごちょう
)
を西福寺門前へ抜けようとする
角
(
かど
)
に、
万髪飾
(
よろずかみかざ
)
り
商売
(
あきない
)
で亀安という
老舗
(
しにせ
)
があった。
早耳三次捕物聞書:02 うし紅珊瑚
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「その鰤は
商売
(
あきない
)
物ばい。黙って手をかけたからには、そのままには受取れん」
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と
盤台
(
はんだい
)
をどさりと横づけに、澄まして
天秤
(
てんびん
)
を立てかける。
微酔
(
ほろえい
)
のめ組の惣助。
商売
(
あきない
)
の
帰途
(
かえり
)
にまたぐれた——これだから女房が、内には鉄瓶さえ置かないのである。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
売りますよ。
気吹
(
いぶき
)
の
舎
(
や
)
の著述なら、なんでもそろえてありますよ。染め物のほかに、官服の注文にも応じるしサ。まあ
商売
(
あきない
)
をしながら、道をひろめているんですね。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
千枝太郎はその以来、叔父と一緒に
商売
(
あきない
)
に出ることもある。自分ひとりで出ることもある。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
わけても藪原の
駅
(
うまやじ
)
は、姿を見ない人までも名にあこがれて通って来るほど美しい遊女が現われてからは、人の出入りも
繁
(
しげ
)
くなり、自然に
商売
(
あきない
)
も繁昌して、
長閑
(
のどか
)
さを一層長閑にした。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
黒人
(
くろんぼ
)
の給仕に導かれて、
燈籠
(
とうろう
)
の影へ
顕
(
あらわ
)
れたつけね——主人の用に
商売
(
あきない
)
ものを運ぶ節は、
盗賊
(
どろぼう
)
の用心に
屹
(
きっ
)
と持つ……
穂長
(
ほなが
)
の
槍
(
やり
)
をねえ、こんな場所へは出つけないから
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
罪障
悉
(
ことごと
)
く許されたところから、表向きは古着
商売
(
あきない
)
、誠は横目ご用聞き、姓も飛沢を富沢と変え、昔は自分が縛られる身、今は他人を縛るが役目、富沢流取り縄の開祖、富沢甚内とは俺がこと
三甚内
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この人が日頃出入する本町のある商家から、
商売
(
あきない
)
も
閑
(
ひま
)
な頃で店の人達は東沢の別荘へ休みに行っている、私を誘って仕立屋にも遊びに来ないか、とある日番頭が誘いに来たとのことであった。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
わしは来年は男になって、烏帽子折りの
商売
(
あきない
)
をするのじゃ。わしが腕かぎり働いたら、お前たち親子の暮らしには事欠かすまい。宮仕えなどして何になる。結局は
地下
(
じげ
)
で暮らすのが安楽じゃ。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
惣助の得意先は、皆、
渠
(
かれ
)
を称して恩田百姓と呼ぶ。註に
不及
(
およばず
)
、
作取
(
つくりど
)
りのただ儲け、
商売
(
あきない
)
で儲けるだけは、飲むも
可
(
よ
)
し、
打
(
ぶ
)
つも可し、買うも可しだが、何がさてそれで済もうか。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
商売
(
あきない
)
の方はそっちのけにして、夜も昼もどこへか出歩いている。
蜘蛛の夢
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
氷店
(
こおりみせ
)
、
休茶屋
(
やすみぢゃや
)
、赤福売る店、一膳めし、
就中
(
なかんずく
)
、
鵯
(
ひよどり
)
の鳴くように、けたたましく
往来
(
ゆきき
)
を呼ぶ、貝細工、寄木細工の小女どもも、昼から夜へ
日脚
(
ひあし
)
の淀みに
商売
(
あきない
)
の
逢魔
(
おうま
)
ヶ
時
(
どき
)
、
一時
(
ひとしきり
)
鳴
(
なり
)
を鎮めると
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
効々
(
かいがい
)
しい、きりりとして
裾短
(
すそみじか
)
に、
繻子
(
しゅす
)
の帯を引結んで、
低下駄
(
ひくげた
)
を
穿
(
は
)
いた、
商売
(
あきない
)
ものの銀流を一包にして
桐油合羽
(
とうゆがっぱ
)
を小さく畳んで掛けて、
浅葱
(
あさぎ
)
の
切
(
きれ
)
で
胴中
(
どうなか
)
を結えた風呂敷包を手に提げて
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
然
(
そ
)
うすると、弟が柔かな足で、くる/\遊び廻る座敷であるから、万一の
過失
(
あやまち
)
あらせまい為、注意深い、優しい姉の、今しがた店の
商売
(
あきない
)
に
一寸
(
ちょいと
)
部屋を離れるにも、心して深く
引出
(
ひきだし
)
に入れて置いた
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
寺院は随一の
華主
(
とくい
)
なる
豆府
(
とうふ
)
屋の
担夫
(
かつぎ
)
一人、
夕巡回
(
ゆうまわり
)
にまた例の
商売
(
あきない
)
をなさんとて、四ツ谷
油揚坂
(
あぶらげざか
)
なる宗福寺に
来
(
きた
)
りけるが、数十輛の馬車、
腕車
(
わんしゃ
)
、
梶棒
(
かじぼう
)
を連ね輪を
駢
(
なら
)
べて、肥馬
嘶
(
いなな
)
き、道を擁し、
馭者
(
ぎょしゃ
)
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“商売”の意味
《名詞》
商 売(しょうばい)
商業を営(いとな)むこと。あきない。
職業、生業、なりわい。
(出典:Wiktionary)
商
常用漢字
小3
部首:⼝
11画
売
常用漢字
小2
部首:⼠
7画
“商売”で始まる語句
商売人
商売物
商売柄
商売敵
商売替
商売気
商売上
商売品
商売妓
商売家