トップ
>
効目
>
ききめ
ふりがな文庫
“
効目
(
ききめ
)” の例文
旧字:
效目
いずれは、うんと言って頂かなきゃルチアノの顔が立たねえが、そんな
強面
(
こわもて
)
は百万だら並べたところで、先生にゃ
効目
(
ききめ
)
もありますまい。
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
敵国は空中よりの爆弾が
一向
(
いっこう
)
効目
(
ききめ
)
がなくなったことを確認し、そして遂に、その軍用機整備の縮小を決行するに至った
次第
(
しだい
)
であります。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
母は満足らしくも見えたが、そう
蝶蝶
(
ちょうちょう
)
しくは
饒舌
(
しゃべ
)
り得なかった。髪結はより
効目
(
ききめ
)
のある相手として、すぐ年の若い千代子を選んだ。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
温度四十五度内外のものですから、いったん沸かして入らなければならないのですが、それでも
効目
(
ききめ
)
は大したものでありました。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いつの間にか病人のところへ
洩
(
も
)
れてしまって、
枕元
(
まくらもと
)
へ呼び寄せての度重なる意見もかねがね
効目
(
ききめ
)
なしと
諦
(
あきら
)
めていた父親も、今度ばかりは、打つ
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
▼ もっと見る
それは困る……折角今日まで美酒
佳肴
(
かこう
)
をさしあげて、貴殿の精をよくしておいたのに、今になってお食事が細ると、貴殿の人胆の
効目
(
ききめ
)
がうすくなる。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その薬は
効目
(
ききめ
)
がいちじるしかつただけに、値段も高かつた。武士は身につけてゐるお金を全部畳の上に並べて見たが、薬の代の半分にもならなかつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
満洲の土人は薬をめったに飲んだことがないので、日本人にくらべると非常に薬の
効目
(
ききめ
)
がある。現に宝丹をのんで肺炎が癒ったなどという話もきいた。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その人達が、吾々に教へてくれたやりかたは、お前達にも分るだらうが、不意の出来事の場合にする仕事の中で、一番
効目
(
ききめ
)
のある、そして一番速い方法なのだ。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
一方に医者の薬を浴びるほど飲んでも一方で食物の注意を怠ればそれがために
癒
(
なお
)
るべき
病
(
やまい
)
も急に癒らず、場合によると薬の
効目
(
ききめ
)
を打消して一層病を重くする事もあります。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
ファラデーよりもっと
効目
(
ききめ
)
があるように説教の出来る者は無数にあるという評で、講演の時の熱心な
活
(
い
)
きいきとした態度は全々無く、ただ信心深い
真面目
(
まじめ
)
という一点張りで
ファラデーの伝:電気学の泰斗
(新字新仮名)
/
愛知敬一
(著)
「よう
効目
(
ききめ
)
がありまつせ——」向うにゐた三十先きの女が
莞爾
(
につこり
)
しながら
戯談
(
じようだん
)
半分に言つた。
浴室
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
神父さまのお祷りも
効目
(
ききめ
)
がなかつたとすると、悪魔のせゐではなかつたかも知れません。それなら、一体何のせゐだらう。やはり何か悪者でもうろついてるんぢやないかしら……。
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
病者自身が、生かせてほしいと仏に願っておればともかくであるが、女王にすれば、病になったのを幸いとして死にたいと念じていることであるから、
祈祷
(
きとう
)
の
効目
(
ききめ
)
もないわけである。
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
あまりに早いことづけの
効目
(
ききめ
)
におどろきながら、みだれた
髪
(
かみ
)
を結いもせずに
迎
(
むか
)
えた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
何とぞ愛国篤志の人士が一人たりともこれを読んでその要を摘み、
効目
(
ききめ
)
のあるよう演説されんことを望む。約は博より来たるというゆえ、心中存するところ一切余さず書き綴るものなり。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
牛の脚の肉などよりは、直接、舌のほうに
効目
(
ききめ
)
があろうという心意気らしい。
女人訓戒
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
取り出さうとするには、自分で自分に
愛相
(
あいさう
)
が尽きて、あとで胸が悪くなる位のことをいはなくつちや、何の
効目
(
ききめ
)
があるものか。むかうから
煽
(
おだ
)
てられて、いゝ気になつてゐるなぞ若い、若い。
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
雨が人間の力では自由に降らすことのできぬものであるゆえに、こうでもしたならばという試みがいろいろと考えられ、それがまた偶然に、たしかに
効目
(
ききめ
)
があるという経験にもなっていたのである。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
必死に喚いたり、止めに入ったりしてみたが、
効目
(
ききめ
)
はなかった。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「おどかしたつて、もう
効目
(
ききめ
)
がないわ。危篤なんですもの」
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「
莫迦
(
ばか
)
ッ。
折角
(
せっかく
)
の
訓辞
(
くんじ
)
が、
効目
(
ききめ
)
なしに、なっちまったじゃないか!」口のところへ持ってゆきかけた
盃
(
さかずき
)
を途中で停めて、長造は
破顔
(
はがん
)
した。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そうじて、お上役人というのにぶっつかるには、更に、も一段上から出るか、側面から当るのが最も
効目
(
ききめ
)
のあるものだ。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「そうね。そんな事おっしゃるはずがないわね。またおっしゃったところで
効目
(
ききめ
)
がなければ仕方がありませんからね」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その舌先の
効目
(
ききめ
)
もなく、新九郎が真っ向へ第一刀を振り込んで来たので、なおさら彼は
後手
(
ごて
)
になり、危うく身をかわしながら、
包光
(
かねみつ
)
の大刀を横に払って
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
枯れてしまっては
呪
(
まじな
)
いの
効目
(
ききめ
)
もあるまいと思ったので、お琴は庭から新らしい葉を折って来て、人に頼むまでもなく、自分がその葉を吊り換えようとする時
半七捕物帳:55 かむろ蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
効目
(
ききめ
)
が
卓
(
すぐ
)
れていたから、薬がよく売れた、——そんな
莫迦
(
ばか
)
げたことは、お前も言うまい。
勧善懲悪
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
彼女はそこで
貪
(
むさぼ
)
るように、あの煙草を喫ったのだった。喫っているうちに、次第に薬の
効目
(
ききめ
)
はあらわれた、彼女は
平衡
(
へいこう
)
な心を取りかえしたのだった。
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
産婆は細い
硝子
(
ガラス
)
の管のようなものを取って、
小
(
ち
)
さい口の
内
(
なか
)
へ強い
呼息
(
いき
)
をしきりに吹き込んだが、
効目
(
ききめ
)
はまるでなかった。生れたものは肉だけであった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さっき余分の祝儀をやった
効目
(
ききめ
)
があらわれて、女中はしきりに世辞を云いながら二人を二階へ案内した。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「そんな事をきくのではない、体の工合はどうか、入湯の
効目
(
ききめ
)
はあったかと問うているのじゃ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と神尾主膳が
柄
(
がら
)
にもないことを呟きました。けれどもお絹の頭には何の
効目
(
ききめ
)
もなく
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
前に
怪
(
あや
)
しい病気に
罹
(
かか
)
り、そのとき蝶子は「なんちう人やろ」と
怒
(
おこ
)
りながらも、まじないに、
屋根瓦
(
やねがわら
)
にへばりついている
猫
(
ねこ
)
の
糞
(
ふん
)
と
明礬
(
みょうばん
)
を
煎
(
せん
)
じてこっそり飲ませたところ
効目
(
ききめ
)
があったので
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
そういう防毒手段のわかっている毒瓦斯は、今じゃどこへ持っていって
撒
(
ま
)
いても、
効目
(
ききめ
)
がありません。もっとよく効く、目新らしいものがいいですなあ
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
なに若い女の? それは知らない。無論若い女の口から出れば
効目
(
ききめ
)
が多いだろう。市蔵も若い男の事だから、求めてそう云う所へ近づいたかも知れない。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
失
(
う
)
せもの
尋
(
たず
)
ねもの、まあ早くいえば世間一統の行者の祈祷に、うらないの判断を
搗
(
つ
)
きまぜたようなもので、それがひどく
効目
(
ききめ
)
があるというので、ばかに信仰する奴らがあるようです。
半七捕物帳:26 女行者
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
というような
噂
(
うわさ
)
が出る、自分たちの旅の経験や、あたり近所の温泉の
効目
(
ききめ
)
を並べる。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その妖酒を飲んで例のバーを出るとフラフラと歩き出すころ一時に
効目
(
ききめ
)
が現れてくるのだ。まず第一に
尿意
(
にょうい
)
を
催
(
もよお
)
す。第二に怪しい興奮にどうにもしきれなくなる。
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
宵子
(
よいこ
)
はうとうと
寝入
(
ねい
)
った人のように眼を半分閉じて口を半分
開
(
あ
)
けたまま千代子の
膝
(
ひざ
)
の上に支えられた。千代子は平手でその背中を二三度
叩
(
たた
)
いたが、何の
効目
(
ききめ
)
もなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この不意撃に一同も総立となって、井神は屈せず鉄砲を放ったが、
空砲
(
からづつ
)
とは云いながら何の
効目
(
ききめ
)
もなく、石はますます降るという始末に、
何
(
いず
)
れも殆ど匙を投げて、どうにもこうにも手の
着様
(
つけよう
)
がない。
池袋の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
、
睡気
(
ねむけ
)
を
醒
(
さ
)
ます
効目
(
ききめ
)
のある話——それもなるたけ、あまり誰にも知られていないという
話
(
やつ
)
を、此の場かぎりという条件で、
喋
(
しゃべ
)
ることにしちゃ、どうだろうかね
恐しき通夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
けれども不意に座を立った姉の挙動が、もうすでにその状態を
崩
(
くず
)
していたので、お延の
慫慂
(
しょうよう
)
は何の
効目
(
ききめ
)
もなかった。母はとうとうすべてに対する責任を一人で
背負
(
しょ
)
わなければならなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
やっぱり
効目
(
ききめ
)
があった。燻製料理は、金博士にとって、
恰
(
あたか
)
もジーグフリードの
頸
(
くび
)
に貼りついた
椎
(
しい
)
の葉の跡のようなものであった。それが巨人に只一つの弱点だった。
共軛回転弾:――金博士シリーズ・11――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
医者はまた自分の用いた眠り薬が比較的新らしいもので、学理上、他の睡眠剤のように有害でない事や、またその
効目
(
ききめ
)
が患者の体質に
因
(
よ
)
って、程度に大変な相違のある事などを語って帰った。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところがそのバーの主人も、その酒の本当の
効目
(
ききめ
)
というものを知らないのだから
可笑
(
おか
)
しな話じゃないか
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「飲みましたが思ったほど
効目
(
ききめ
)
がないようでした」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
阿弗利加の原地人は、こいつを槍や矢の先に塗って敵と闘いますが、これが傷口から入ると心臓
麻痺
(
まひ
)
をおこします。用量が
極
(
きわ
)
めてすくなくてよいので
効目
(
ききめ
)
があるのです
麻雀殺人事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「ふふふ、洋酒百四十函が、こんなにすばらしい
効目
(
ききめ
)
があろうとは、すこし気の毒だったなあ」
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
だが、毒瓦斯の
効目
(
ききめ
)
の方が、もう一歩お先であった。マリ子は、ハンドルを握ったまま、顔色を紙のように白くして、どうと、前にのめったのである。おそるべき第五列の女スパイの死だ。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「ほほう。蠅が生長してゆくぞ。なんという素晴らしい薬の
効目
(
ききめ
)
だ」
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
効
常用漢字
小5
部首:⼒
8画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“効”で始まる語句
効
効験
効果
効能
効力
効々
効性
効無
効驗
効能書