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まへあし
一廻くるりと
環にまはつて
前足をついて、
棒杭の
上へ
乗つて、お
天気を
見るのであらう、
仰向いて
空を
見た。
晴れるといまに
行くよ。
恐ろしく
大きな
犬ころが、
大きな
圓い
眼をして
愛ちやんを
見下して
居ました、
愛ちやんに
觸らうとして
前足を一
本恐る/\
伸ばして。
引掻きさうな
権幕をするから、
吃驚して
飛退かうとすると、
前足でつかまへた、
放さないから
力を
入れて
引張り
合つた
奮みであつた。
『
其邊には』と
云ひながら
猫は、
其右の
前足を
振つて
弧を
描き、『
帽子屋が
住んで
居る、それから
其方の
方には』と
他の
前足を
振つて
凄じく
嘶いて
前足を
両方中空へ
飜したから、
小な
親仁は
仰向けに
引くりかへつた、づどんどう、
月夜に
砂煙が
𤏋と
立つ。
前足を
舐めたり、
顏を
洗つたりしてゐるの——
飼つて
見れば
可愛いものよ——
鼠捕りの
名人だわ——オヤ、
御免よ!
兎は
躍つて、
仰向けざまに
身を
飜し、
妖気を
籠めて
朦朧とした
月あかりに、
前足の
間に
膚が
挟つたと
思ふと、
衣を
脱して
掻取りながら
下腹を
衝と
潜つて
横に
抜けて
出た。
馬は
背、
腹の
皮を
弛めて
汗もしとゞに
流れんばかり、
突張つた
脚もなよ/\として
身震をしたが、
鼻面を
地につけて、一
掴の
白泡を
吹出したと
思ふと
前足を
折らうとする。
のはうづに
大きな
犬なので、
前足を
突張つて
立つたから、
脊は
小ぽけな、いぢけた、
寒がりの、ぼろツ
兒より
高いので、いゝ
氣になつて、
垢染みた
襟の
處を
赤い
舌の
長いので、ぺろりとなめて