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酒代
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さかて
ふりがな文庫
“
酒代
(
さかて
)” の例文
「おウッ! 駕籠え! いそぎだ、
酒代
(
さかて
)
エはずむぜ、肩のそろったところを、エコウ、あらららうアイ! てッんだ。やってくんねえ!」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
あちらまで辛抱して行けば
酒代
(
さかて
)
は遣ろうけれどもさもなければ一文も遣ることは出来ない。この後は決してそんな事を言うな
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
早駕
(
はやかご
)
三挺ご用意。十分に
酒代
(
さかて
)
をくれ、道中肩つぎなし、なるべくは通し約束、賃銀にかけかまいなく、足ぶし腕ぶしの達者をえらんでおくこと。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大高源吾ともあろう
武士
(
さむらい
)
が
素町人
(
すちょうにん
)
の馬子に
酒代
(
さかて
)
と詫証文を取られたのですから、骨身に沁みて口惜しかったでしょうよ。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
車夫はまるで濡鼠、
酒代
(
さかて
)
が好いかして威勢よく、先づ
雨被
(
あまよけ
)
を
取除
(
とりはづ
)
して、それから手荷物のかず/\を茶屋の内へと持運ぶ。つゞいて客もあらはれた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
お春は駕籠を下り立って、いくらかの
酒代
(
さかて
)
を二人に
遣
(
つか
)
わし、礼の言葉を後に聴いて、小走りに急ぎ
乍
(
なが
)
ら、物寂しい夜半の寺内へはいってしまうのでした。
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
さう言ふ渡し守の
猾
(
ずる
)
さうな顏を見ると、染五郎はツイ餘計な
酒代
(
さかて
)
をはずまなければならなかつたことなど——今はもう悲しい思ひ出になつてしまつたのです。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
半四郎は振拂ひ
行
(
ゆか
)
んとすれば雲助共は
追取卷
(
おつとりまき
)
どつこい
遁
(
にが
)
して成ものか
此小童
(
このこわつぱ
)
めどうするか見ろ
命
(
いのち
)
惜
(
をし
)
くば
酒代
(
さかて
)
を置て行と
懷
(
ふところ
)
へ手を入れければ
最
(
もう
)
勘忍
(
かんにん
)
はならずと半四郎は其腕を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「だが、君は貧乏人だから、酒を買う
金
(
ぜに
)
に困るだろう、ひとつ君のために
酒代
(
さかて
)
を心配しよう」
酒友
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
酒代
(
さかて
)
は
惜
(
をし
)
まぬ
客人
(
きやくじん
)
なり、
然
(
しか
)
も
美人
(
びじん
)
を
載
(
の
)
せたれば、
屈竟
(
くつきやう
)
の
壯佼
(
わかもの
)
勇
(
いさみ
)
をなし、
曳々聲
(
えい/\ごゑ
)
を
懸
(
か
)
け
合
(
あ
)
はせ、
畷
(
なはて
)
、
畦道
(
あぜみち
)
、
村
(
むら
)
の
徑
(
みち
)
、
揉
(
も
)
みに
揉
(
も
)
んで、三
里
(
り
)
の
路
(
みち
)
に八九
時間
(
じかん
)
、
正午
(
しやうご
)
といふのに、
峠
(
たうげ
)
の
麓
(
ふもと
)
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
日本に帰って千代町の役場に奉職している時は毎月五円の月給(巡査の月給二円五十銭、警部が三円時代)を貰っていたが、その殆んど全部が
酒代
(
さかて
)
になっていた事は云う迄もない。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ヴァシーリイ・セルゲーイチは黙って
酒代
(
さかて
)
を出して、馬車に乗って出掛けて行った。
追放されて
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
金を二分二朱やったほかに
酒代
(
さかて
)
を二朱出して、以前、船へ一しょに乗った野郎共を呼んで酒を呑まして、今は剣術遣いになったことをはなして笑ったら、みんなが肝をつぶしていた。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
おれはあの男にうさんくさく見えるのだろうか?
酒代
(
さかて
)
でももらいたいのか? ところが、寺男はKに見られているのに気がつくと、右手で、その二本の指にはまだ一つまみの煙草を押えていたが
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
「いやですよ。そんな
酒代
(
さかて
)
にするやうな銭はありませんよ。」
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
酒代
(
さかて
)
に一クラウン
★
あげるよ。これを読んでいいね?
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
「どしどし駆けさしてくれ。
酒代
(
さかて
)
は二倍出す。」
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
俺たちだって、何もご隠居から毎日、
酒代
(
さかて
)
をいただいているからの、ごひいきになっているからのと、そんなケチな量見で加勢するわけじゃねえ。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そう言う渡し守の
猾
(
ずる
)
そうな顔を見ると、染五郎はツイ余計な
酒代
(
さかて
)
をはずまなければならなかったことなど——今はもう悲しい思い出になってしまったのです。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一
我等
(
われら
)
今度
(
こんど
)
下向候処
(
げこうそろところ
)
其方
(
そのほう
)
に
対
(
たい
)
し
不束之筋有之
(
ふつつかのすじこれあり
)
馬附之荷物積所
(
うまつけのにもつつみしょ
)
出来申候
(
しゅったいもうしそろ
)
に
付
(
つき
)
逸々
(
はやばや
)
談志之旨
(
だんしのむね
)
尤之次第
(
もっとものしだい
)
大
(
おお
)
きに
及迷惑申候
(
めいわくをおよぼしもうしそろ
)
依
(
よっ
)
て
御本陣衆
(
ごほんじんしゅう
)
を
以
(
もって
)
詫入
(
わびいり
)
酒代
(
さかて
)
差出申候
(
さしだしもうしそろ
)
仍而件如
(
よってくだんのごとし
)
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
時々暗い
個所
(
ところ
)
で駕籠を停めて前棒が
闇黒
(
やみ
)
に隠れることがあったが、
酒代
(
さかて
)
でも
強請
(
ねだ
)
りに客を追うのだろうくらいに考えて、辰は別に気にもとめなかったというが
早耳三次捕物聞書:01 霙橋辻斬夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
見て非人共は
耳語
(
さゝやき
)
合
(
あひ
)
何と彼の
座頭
(
ざとう
)
は幸手の富右衞門とやらの
由縁
(
ゆかり
)
の人と見えるが
何
(
どう
)
だ少しでも
酒代
(
さかて
)
を
貰
(
もら
)
つて
首
(
くび
)
を
遣
(
やら
)
うではないかと相談なしモシ/\
御座頭
(
おざとう
)
さん高くは云れねへが首を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
殊に強盗の沢山居るブータンに行ったら殺されてしまうより外はない。お前そんなに
酒代
(
さかて
)
が欲しいのか。一月七円五十銭の給金といえばチベットに居って一年も働かなければ得られない給金だ。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
おっしゃるもんじゃあございませんよ、山下の
立場
(
たてば
)
から吉原まで二百五十のきまりの上に、多分の
酒代
(
さかて
)
までいただいてあるんでございますから、今更どうのこうのっていうわけじゃございませんよ
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
駕籠やは、
酒代
(
さかて
)
にありついて、喜んで戻って行く。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
酒代
(
さかて
)
でもふんだくってやればいいに
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お袖に会わせてやる約束だったが、七面倒くせえから、駕籠やに
酒代
(
さかて
)
をくれて、途中で撒いて来てしまいました」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頼まれた仲間にしたところで、ちょいと女をこづいてから、痛くないようにころがりさえすれあ、殿様が
酒代
(
さかて
)
を下しおかれるというので、みんな手をたたいて喜んだ。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
持て夜通しに松山迄
行
(
ゆく
)
と云は怪い奴だ飛脚と云ではなし大方若いのが主人の金を
盜出
(
ぬすみだ
)
したに
違
(
ちが
)
ひはあるめへ
若
(
もし
)
達
(
たつ
)
て乘ずば
酒代
(
さかて
)
を
貰
(
もら
)
へ/\そんな奴に此街道を
只
(
たゞ
)
通
(
とほ
)
られて
詰
(
つま
)
るものかオイ若衆酒代を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「そうだ、かご屋も真面目なやつはだめだぜ。
酒代
(
さかて
)
さえウンとにぎらせれば、どんな事でもやッてのけるというような、
頼母
(
たのも
)
しいやつをさがしてくれ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「賃銀はいくらでもとらせる。
酒代
(
さかて
)
も存分につかわそうほどに、めちゃくちゃにいそいでくれっ!」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そう思い立つと、眼が冴えてしまい、おまえを起すのも気の毒と思ったから、
旅籠
(
はたご
)
賃や
酒代
(
さかて
)
も、枕元に包んで置いてある。少ないが、あれを納めてくれ。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長庵がこっそりふところを探って駕籠屋につかませたのは、
酒代
(
さかて
)
を
先
(
さき
)
にやったのだろう。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
駕の者をねぎらッて、手代が
酒代
(
さかて
)
をつつんで与えている間に、二人の侍はおッとりと駕を抜けて、衣紋ただしく
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「よけいなことをおいいでないよ。じゃ
酒代
(
さかて
)
ぐるみ一分上げるから急いでおくれ」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
あれだ! というと棟梁が、三人の船頭に、十両ずつの
酒代
(
さかて
)
を投げだして、腕ッ限り
漕
(
こ
)
がせました。何がなんだか分りゃあしません、途方もねえ
大暴風雨
(
おおあらし
)
です。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「オイ、イソ的の
小父
(
おじ
)
さん、駕籠賃をはらってくんな。
酒代
(
さかて
)
もたんまりやってな」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そう筑前守様にはおおせられて、他意なく働くからには、
酒代
(
さかて
)
も充分とらせて励ませとの御沙汰だ。ありがたくお礼をのべて、酒代をいただき、すぐ仕事にかかれ
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
酒代
(
さかて
)
をハズんで一気に急がせ、例の獄門橋の
藪
(
やぶ
)
だたみに身を隠して、お蝶の通るのを、待ち伏せている。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なるべく、たんまり
酒代
(
さかて
)
が出ますように、ひとつ、退屈しのぎに、ごきげんを伺いやしょうかね」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
同時に彼は、自分から半日の駄賃と
酒代
(
さかて
)
を
詐取
(
さしゅ
)
した十幾人もの人間が世間に満ちてはいるが
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『拙者を、振り落してもかまわぬと思って駈けろ。金はくれるぞ、
酒代
(
さかて
)
ははずむぞ』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「太い奴だ。手ぶらで帰るのが嫌ならのべ
金
(
がね
)
をやろう! どいつだ、
酒代
(
さかて
)
がほしいのは」と、さなきだに、弦之丞を討ち損じた腹立ちまぎれ、そぼろ助広を抜いて
脅
(
おど
)
しにふりこむと
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
旦那、ちょっとお待ち下さい。——いつぞや頂戴した
酒代
(
さかて
)
で、実はきょう、みんなと相談の上、蜜柑と切餅を買って来ました。碑のできた慶びと、祭の祝いに、見物に来た女子供に、それを
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そやつの挨拶とは、何かいいがかりをつけて
酒代
(
さかて
)
をねだるつもりであろう。押しの太い尺八乞食め、見せしめに
素
(
そ
)
ッ
首
(
くび
)
をぶち落してくれるから召し連れて来い」ひどく
癇
(
かん
)
にさわったらしく
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あいつらが、
酒代
(
さかて
)
を貰ってくれというんですが……」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
酒
常用漢字
小3
部首:⾣
10画
代
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
“酒”で始まる語句
酒
酒肴
酒場
酒宴
酒瓶
酒杯
酒精
酒屋
酒樽
酒盃