ぐん)” の例文
木曾の王滝おうたき、西野、末川の辺鄙へんぴな村々、むかぐん附知村つけちむらあたりからも人足を繰り上げて、継立ての困難をしのいでいることを告げた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そしてももいろの封筒ふうとうへ入れて、岩手ぐん西根山にしねやま、山男殿どのと上書きをして、三せんの切手をはって、スポンと郵便函ゆうびんばこみました。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
支那しな全國ぜんこくだうわかれ、だうしうまたぐんわかれ、それがけんわかれ、けんしたがうがありがうしたがある。しうには刺史ししひ、ぐんには太守たいしゆふ。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
其余そのよの四ぐんは雪のつもる㕝三郡にすれば浅し。是を以ろんずれば、我住わがすむ魚沼郡は日本第一に雪のふかくふる所なり。
将門は猨島ぐんの葦津江、今の蘆谷といふところに蟄伏ちつぷくしたが、猶危険が身にせまるので、妻子を船に乗せて広河ひろかはの江にうかべ、おのれは要害のよい陸閉といふところに籠つた。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
単に大和の国で、私はぐんも町の名も知らない、古宿の破れ二階に、独り旅の疲れたからだを据えていた、道中の様々な刺戟に頭は重くて滅入めいり込むよう、草鞋わらじの紐のあとで足が痛む。
菜の花物語 (新字新仮名) / 児玉花外(著)
それからがけになって、ぐんが違い、海のおもむきもかわるのでありますが、そのがけの上に、たとえて申さば、この御堂みどうと背中合わせに、山の尾へっかかって、かれこれ大仏だいぶつぐらいな
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
朝鮮ちようせんきたほうは、いまから千九百年せんくひやくねんほどまへ滿洲まんしゆうほうからかけて、かん武帝ぶていといふつよ天子てんしめててそこを占領せんりようし、樂浪郡らくろうぐんなどゝいふ支那しなぐんよつつもまうけたところであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ここのとりでには、富士、庵原いはら、二ぐんをまもる徳川家とくがわけ松平周防守康重まつだいらすおうのかみやすしげがいる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日本国中一度も足を入れられたことのないぐんなどはないはずの先生も、平凡な花の山の吉野に行って見られたことがなかった。まだ足腰の自由な内に、花の吉野を見ておこうと思い立たれたのであった。
花幾年 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ぐん官吏共くわんりどもでもみなつま無用むよう長物ちやうぶつだ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
其余そのよの四ぐんは雪のつもる㕝三郡にすれば浅し。是を以ろんずれば、我住わがすむ魚沼郡は日本第一に雪のふかくふる所なり。
たい日本にほんけんよりちひさいものにぐんけてゐるのは不都合ふつがふだと、吉田東伍よしだとうごさんなんぞは不服ふふくとなへてゐる。りよはたして台州たいしう主簿しゆぼであつたとすると日本にほん府縣知事ふけんちじくらゐ官吏くわんりである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
僕はぐん調しらべたのをちゃんとうつして予察図よさつずにして持っていたからほかの班のようにまごつかなかった。けれどもなかなかわからない。郡のも十万分一だしほんの大体しか調ばっママていない。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ぐん官吏共かんりどもでもみなつま無用むよう長物ちょうぶつだ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いかなる人ぞかゝる空言そらことをばいひふらしけん。さりながら魚沼うをぬまぐんひろき事ゆゑ、右やうにする処もあるやらん。たとひありとも、こは下品のちゞみに用ふるの事ならん。
ぐんから土性調査どせいちょうさをたのまれて盛岡もりおかから来たのですが。)
泉ある家 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
越後の国往古わうご出羽越中ではゑつちゆうまたがりし事国史こくしに見ゆ。今は七ぐんを以て一国いつこくとす。
越後の国往古わうご出羽越中ではゑつちゆうまたがりし事国史こくしに見ゆ。今は七ぐんを以て一国いつこくとす。
東に岩船郡いはふねごほり(古くはいはに作る海による)蒲原かんばら郡(新潟にひがたみなと此郡に属す)西に魚沼うをぬま郡(海に遠し)北に三嶋みしま郡(海による)刈羽かりは郡(海に近し)南に頸城くびき郡(海に近き処もあり)古志こし郡(海に遠し)以上七ぐん也。