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ふりがな文庫
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(
か
)” の例文
原氏は名高い美術骨董好きで金に飽かせて古い由緒のある芸術品を
購
(
か
)
ひ込むと同時に、美術院の画家達の面倒をも見てゐる人である。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
因より
正當
(
せいたう
)
の腕を
探
(
ふる
)
つて
儲
(
まう
)
けるのでは無い、惡い
智惠
(
ちえ
)
を
搾
(
しぼ
)
ツてフン
奪
(
だく
)
るのだ………だから他の
怨
(
うらみ
)
を
購
(
か
)
ひもする。併し金は
溜
(
た
)
まつた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
それから、道具を新しく
購
(
か
)
い、毎日々々それを
磨
(
と
)
いでは柄をすげ、道具調べの方をひたすら熱心にやっていたようでありました。
幕末維新懐古談:79 その後の弟子の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
わたしはその息子のために、あの置時計を
購
(
か
)
ってやりたかった。息子がそいつをパタンと地上に
叩
(
たた
)
きつける姿が見たかったのだ。
鎮魂歌
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
「いやその父のみかどは、今夏いらい、尊氏の歓心を
購
(
か
)
うほうへ変っておられる。なぜか尊氏にはお弱いのだ。脅されていらっしゃるのだ」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
学校には新しいオルガンが一台
購
(
か
)
ってあった。初めての日はちょうど日曜日で、校長も大島さんも来なかった。その夜は宿直室にさびしく寝た。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
我は顔して浅はかなる好みを云ひ出でんも羞かし、且は日も逼りたれば是は寧ろ此家の主人が良しと思ひて作り置けるものを良しとして
購
(
か
)
はんかた
鼠頭魚釣り
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
お雪は、ふと、美しい着物は着ていたが、なんにも、
購
(
か
)
いたいものも購えなかった、
芸妓
(
げいしゃ
)
時代の窮乏を思いうかべた。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
牡馬を買うは牝馬ほど難からねど、なお如上の作法を踏まねばならぬ。以上は血統純粋な駿馬を
購
(
か
)
う場合の事で、劣等の馬を買うは容易な事である。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
伊東とお玉とは長い知り合いで、そもそも伊東がこの町に土地を
購
(
か
)
ったことからして、お玉の周旋であった。お玉は伊東の
旧
(
ふる
)
い友人
宝沢
(
たからざわ
)
の
従妹
(
いとこ
)
である。
暴風雨に終わった一日
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
初めて目に映る蒸汽船——徳川幕府がオランダ政府から
購
(
か
)
い入れたという
外輪型
(
がいりんがた
)
の観光丸がその海岸から望まれた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
復讐と同時に、ネネの歓心を
購
(
か
)
ったと信じ、必ず帰って来ると高言し哄笑した春日の尖った顔が、ざまァ見ろ、とばかり、私の胸の中で快よく
罵倒
(
ばとう
)
され尽すのだ。
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
八、各事件を通じて、
屍
(
し
)
体発見の直前に、被告は、夕刊、食料品を
購
(
か
)
うためちょっと外出していること。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
私はふと一策を案じ出して近所の洋酒屋からスコッチ、ウイスキーのポケット入りの壜を
購
(
か
)
った。そうして、ベンチへ
凭
(
もた
)
れながら、其れをグビリ、グビリと飲み始めた。
恐怖
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その成績によっては、君の
常々
(
つねづね
)
欲しいと云っておったロードスターを
購
(
か
)
ってやらんものでもない
遊星植民説
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
わたしは、洋服に下駄といふいでたち、宿の名を大きく書いた唐傘さして、林檎を
購
(
か
)
ひに出る。
独楽
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
或時君の妹に何か
購
(
か
)
いたいがというと、お前におれの妹が買物をして貰うというばかなことがあるか、買物ならおれがしてやる、
冗
(
くだ
)
らない事をいうなと言って私は叱られた。
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
人力車を一台
購
(
か
)
い、長袖の
法被
(
はっぴ
)
に
長股引
(
ながももひき
)
、黒い
饅頭笠
(
まんじゅうがさ
)
といういでたちで、南地溝の側の
俥夫
(
しゃふ
)
の溜り場へのこのこ現われると、そこは
朦朧俥夫
(
もうろうしゃふ
)
の巣で、たちまち丹造の眼はひかり
勧善懲悪
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
何万円という多額の金を出して、アメリカの最新式除雪車を
購
(
か
)
い入れ、日本へ持って来た時、或る場合にはそれが「立往生」を余儀なくされるのも当然の成り行きであると考えられる。
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
ふところに収めたる当世風の
花簪
(
はなかんざし
)
、一世一代の
見立
(
みたて
)
にて、安物ながらも江戸の
土産
(
みやげ
)
と、汗を拭きふき銀座の店にて
購
(
か
)
ひたるものを取出して、
昔日
(
むかし
)
の
少娘
(
こむすめ
)
のその時五六歳なりしものゝ名を呼べば
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
就
(
つい
)
ては誠に失礼でございますが、
持合
(
もちあわ
)
せている四十金を差上げますから、これでその真珠とやらを
購
(
か
)
い整え、御全快になれば手前に
於
(
おい
)
ても悦ばしく存じ、又お嬢様に於ても御孝行が届きますから
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
けふの
夜食
(
やしよく
)
も
焼
(
やき
)
パンにジヤムと
牛乳
(
ミルク
)
を
購
(
か
)
はんとぞ思ふ。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「旦那、あなたはキプリング先生の書いた物をお
購
(
か
)
ひになりませんか。あの先生の物は滅多に手に入らないつていふ事でがすぜ。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「宜からう。」と
頷
(
うなづ
)
いて、風早學士は林檎を一ツ
購
(
か
)
ツた。そして彼は、此の少女に依ツて、甚だ強く外部からの刺戟を受けたのであツた。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
おのれもまた
機
(
をり
)
を得て
購
(
か
)
はんと、其家の在り
処
(
か
)
など予て問ひ尋ね置きたりしかば、直ちにそれかと覚しき店を見出して、
此家
(
こゝ
)
にこそあれと
突
(
つ
)
と入りぬ。
鼠頭魚釣り
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
泉原の
周囲
(
まわり
)
の人々は一斉に振返って、奇声をあげた小さな日本人を不思議そうに
瞶
(
みは
)
っている。泉原は
突嗟
(
とっさ
)
の間に
雑沓
(
ざっとう
)
の間を縫ってM駅行の切符を
購
(
か
)
った。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
私はいよ/\電車へ乗る可く決心して、途中で酔の覚めないようにもう一本ウイスキーを
購
(
か
)
った。
恐怖
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
日本最初の使節を乗せた
咸臨丸
(
かんりんまる
)
がアメリカへ向けて神奈川沖を通過した時だ。徳川幕府がオランダ政府から
購
(
か
)
い入れたというその小さな軍艦は品川沖から出帆して来た。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
が彼はよく、その火口湖の姿をおもい浮べながら、過ぎ去った日のことを考えた。それは彼が妻とはじめてその湖水のほとりを訪れた時、何気なく
購
(
か
)
い求めた写真であった。
秋日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
四万円で
購
(
か
)
われた身だということに、今まで妙に
拘
(
こだ
)
わっていたのさえ変な気がした。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
それはまだ戦争時分だからたえ子は自転車で軽井沢にやって来て、パンとか菓子とか魚とかをやみで
購
(
か
)
い入れ、私の家で持参の弁当をつかって午後も寒くならない間に戻って行った。
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
かつて
王倫
(
おうりん
)
をここで断罪にしていらい、義をとうとび、世間へは仁愛をむねとし、かりにも非道の
誹
(
そし
)
りや恨みを民百姓に
購
(
か
)
わぬよう、仲間の内は、古参新参のへだてなく、和と豪毅の結びで
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何だつて、貴方、東京で
購
(
か
)
つた靴ですから東京へ送り返すのです。
製
(
こしら
)
へた店でなくつちや、直しやうがないぢやありませんか。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其日昼過ぐる頃、弟は学校より帰り来りて、おのれが釣竿、
装置
(
しかけ
)
など検めゐしが、見おぼえぬ竿のあるを見出して、
此
(
こ
)
は兄上の新に
購
(
か
)
ひ給ひしにやと問ふ。
鼠頭魚釣り
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「フン、女の
癖
(
くせ
)
に二合も
飮
(
い
)
けりや
豪儀
(
がうぎ
)
だゼ。」とお房は
冷
(
ひやゝか
)
に謂ツて、些と傍を向き、「だツて、
一月
(
ひとつき
)
儉約
(
けんやく
)
して
御覧
(
ごらん
)
なさいな、チヤンと
反物
(
たんもの
)
が一
反
(
たん
)
購
(
か
)
へますとさ。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
知つてゐて
購
(
か
)
はずに歸つたらそれは神經に少しくらゐ應へるにちがひない。
京洛日記
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
額安
(
かくやす
)
に、手取早く味覚の満足を
購
(
か
)
ふといつた風になり勝なので、感覚の
敏
(
さと
)
さが
段々
(
だん/″\
)
と
弛
(
ゆる
)
んで、
終
(
しま
)
ひには
痺
(
しび
)
れかゝつて来るのではあるまいか。
茸の香
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それから
繻珍
(
しゆちん
)
の
夏帶
(
なつおび
)
とお
召
(
めし
)
の
單衣
(
ひとえ
)
と
綾絹
(
あやぎぬ
)
の
蝙蝠傘
(
かふもりがさ
)
とを
強請
(
ねだ
)
られて
購
(
か
)
はせられたが、これは彼の
消極的經濟
(
せうきよくてきけいざい
)
に取ツて、
預算
(
よさん
)
以外の
大支出
(
だいししゆつ
)
で、確に一
大
(
だい
)
打撃
(
だげき
)
であツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
だが、
画家
(
ゑかき
)
といふものは、
時々
(
ちよい/\
)
木炭を
購
(
か
)
ふ
銭
(
ぜに
)
にも事を欠くもので、そんな時には猿は
定
(
き
)
まつたやうに
墨汁
(
すみ
)
の使ひ残しを
嘗
(
な
)
める。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「いや、近頃何時も
購
(
か
)
ふ林檎賣が出て居らんから、それで中止さ。」
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ベルンの
市街
(
まち
)
を歩きながら、氏は
瑞西
(
スヰツツル
)
製の懐中時計が世界に名高い事を思ひ出して記念のため一つ
購
(
か
)
つて置きたいと思つた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と言つて女房に約束の
黒繻子
(
くろじゆす
)
の帯を
倹約
(
しまつ
)
して、それを
購
(
か
)
つて帰つた。——言ふ迄もなく画は黒繻子の帯と同格の値段だつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
名士といはれる人達が、かういふ所へ出掛けると、記念のため何か
購
(
か
)
ひ取らなければならないのを原敬氏はよく知つてゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
偶
(
たま
)
には茶入や黒茶碗を
購
(
か
)
はないとも限らないが、それは自分で薄茶を
啜
(
すゝ
)
らうためではなくて、物好きな東京の成金に売りつけようとするからだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
平瀬家の入札に先代赤星家の主人は、この香炉と
卓
(
しよく
)
とを七千円で
購
(
か
)
ひ取つた。出入の骨董屋の値ぶみで
卓
(
しよく
)
が千円、香炉が六千円といふ積りであつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
(どこの国でも文学者や
画家
(
ゑかき
)
などいふ
輩
(
てあひ
)
は、滅多に物を
購
(
か
)
はないで、直ぐ楽書をしたがるものなのだ。)
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
つまり亭主は
女房
(
かない
)
の
年齢
(
とし
)
で笑窪を二つ
購
(
か
)
つた事になつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
購
常用漢字
中学
部首:⾙
17画
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