“編輯:へんしゅう” の例文
“編輯:へんしゅう”を含む作品の著者(上位)作品数
永井荷風8
野村胡堂6
夏目漱石5
柳宗悦3
長谷川時雨3
“編輯:へんしゅう”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 工芸 > 工芸33.3%
文学 > 日本文学 > 日本文学1.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
主人岩崎氏を説いて文学雑誌『活文壇かつぶんだん』を発行せしめ、井上唖々と共に編輯へんしゅうのことをつかさどりぬ。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
日本の文化界はだらしがなく、いまだに旧態依然として男の子が編輯へんしゅうの席の大半を占めているから、全然ダメである。
インチキ文学ボクメツ雑談 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
江湖雑誌こうこざっし編輯へんしゅうで二十円、英和字典の編纂へんさんで十五円、これが道也のきまった収入である。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
明治の末の年から大正のはじめへかけ当時西村渚山しょざん君が編輯へんしゅうしている博文館の雑誌「中学世界」に毎月連載した。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
雑誌『解放』は、吉野博士を中心にして、帝大法科新人会の人たちが編輯へんしゅうをしていた、高級な思想文芸雑誌だった。
柳原燁子(白蓮) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
わたしはこの劇場のなおいまだ竣成しゅんせいせられなかった時、恐らくは当時『三田文学』を編輯へんしゅうしていた故であろう。
十日の菊 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
日本鳥学界で編輯へんしゅうした『狩猟鳥類方言』の中には、この類の方言の十数種が載せられてある。それを一々ここに引くのは無益だが、
グレタ・ガルボ主演の「接吻せっぷん」というのを見たが、編輯へんしゅうのうまいと思うところが数箇所あった。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
日本の農村生活の変遷をうかがうべき好史料に、吾山ござんという俳人の編輯へんしゅうした『物類称呼ぶつるいしょうこ』五巻がある。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それがいつまでつづくかは、私の筆の都合つごうと、紙面の編輯へんしゅうの都合とできまるのだから、判然はっきりした見当は今つきかねる。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
拙作『雨瀟瀟』はかつて余が編輯へんしゅうせし雑誌『花月』に掲載せむがため大正七年の秋稿を起せしもの。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
雑誌の編輯へんしゅうに急がれて思うようにかけません。宿屋のランプの下で書いた日記の抄録に止めます。
日光小品 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
これはやはり開成中学にも教鞭きょうべんをとった天野という先生が編輯へんしゅうしていたが、その中に、幸田露伴先生の文章が載ったことがある。
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
時雨しぐれそぼふる午下ひるすぎ火の乏しき西洋間の教授会議または編輯へんしゅう会議も唯々わけなくつらきもののうちに数へられぬ。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「あなたは、神仙のあることをお信じになって、これを編輯へんしゅうなされておりますか、それとも、ただ面白い記録として編輯なされておりますか」
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そこの料理屋兼旅館に芝浜館という家があった。私が忘れられない追憶といったのは、そこで第二次「新思潮」の編輯へんしゅう会議をしたことである。
芝、麻布 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
売れもしない雑誌の編輯へんしゅう、そんなものはきまった職業として彼女の眼に映るはずがなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その編輯へんしゅうに従事しその協議にあずかるものは皆錚々そうそうたる第一人者であった。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「だって、あの人たちが久しぶりだから御飯をおごると言ってくれるし、編輯へんしゅうの人たちにえば女はそう事務的にばかりも行かないものなのよ。」
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ちなみに云う、これらの撰択と、それが示す美とに心を引かれる方があったら、「日本民藝美術館」の編輯へんしゅうになる『民藝叢書』を見られんことを望む。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
中川と呼ばれしは二年ほど前に大学を卒業し今は或る文学雑誌の編輯へんしゅうに従事する人物。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
しかし二人が編輯へんしゅうを止めたので、第三号から純粋に私が引き受けねばならなくなった。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
そのとき野口冨士男が編輯へんしゅうに当って、私たちには独断で矢田津世子に原稿をたのんだ。
二十七歳 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
間人連老の作だとする説は、題詞に「御歌」となくしてただ「歌」とあるがためだというのであるが、これは編輯へんしゅう当時既に「御」を脱していたのであろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
床の間には重豪の編輯へんしゅうした「成形図説」の入った大きい木の函があったし、洋式鉄砲、香炉、掛物の万国地図。それから、棚には呼遠筒が、薄く光っていた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
私は今工場に出ていないので、Sからその編輯へんしゅうを引き受けて、私の手元に伊藤、須山の報告を集め、それをもとにして原稿を書き、プリンターの方へ廻わした。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
渠はある書籍会社の嘱託を受けて地理書の編輯へんしゅうの手伝に従っているのである。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
更に私たちは細胞会議の決議として、「マスク」の編輯へんしゅうで、工場内のファシスト、社会ファシストのバクロを新しく執拗しつように取り上げてゆくことにきめた。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
一月いちげつ二十五日津軽承昭つぐてるは藩士の伝記を編輯へんしゅうせしめんがために、下沢保躬しもさわやすみをして渋江氏について抽斎の行状をさしめた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
左隣りには三面の編輯へんしゅうにいるAという早稲田わせだ出の新進作家がいた。
六月 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
乱擾らんじょう尚全く平ぐに及ばず、剣戟けんげきの声鏘鏘そうそうたる九段坂上くだんさかうえの夜、公余に編輯へんしゅうを続行せし当時を思へば感慨未だ尽きず。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
私は易々やすやすと驚くべき図録を編輯へんしゅうすることが出来るでしょう。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
私達は『太平洋』という日本の最初のグラフィックを編輯へんしゅうしていた。
日本橋附近 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
それでこの本は私の書いたものの幾つかを年代を追ってあつめたものだが、それは全く私の著作に詳しい浅川園絵さんの注意深い配慮によって編輯へんしゅうされたものである。
古参の外交記者で、十年も警視庁のクラブの主にされて居る虎井満十が、編輯へんしゅう助手のテーブルの上へ、横合から薄禿げた頭を突き出してんなことを言うのです。
笑う悪魔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
の一首に、これまでの武子夫人の歌に見られなかったような情熱を覚えると同時に、かなり感激した心持でこの新しい歌集『白孔雀』の編輯へんしゅうに従うことが出来たのであった。
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
千種十次郎がガチャリと受話器をほうると、まだ銀座あたりを泳ぎ廻って居た編輯へんしゅう局長の織戸おりど友吉が、市内版最後の大組を見る為にフラリと編輯局を覗きました。
音波の殺人 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
と云ってきた。私は、今年四十二年六ヶ月だから「前半生」と同一年月、後半世も、生き長らえるものなら、私は八十五歳まで死なぬ事になる。これは多分、編輯へんしゅう局で、青年達が
死までを語る (新字新仮名) / 直木三十五(著)
中山は彼より二つ年上で、ある週刊雑誌の編輯へんしゅうをしている。
黄色い日日 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
編輯へんしゅうならいいが、今日は演説をやらなくっちゃならん」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それは何処の会社でもそうであるように、編輯へんしゅうには一人の職工をも加えず、集った原稿は社員だけで勝手に処理し、更に工場長が眼を通して、会社の利益に都合の悪いものを除ける。
工場細胞 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
この頃『大英百科全書』の第九版の編輯へんしゅうが進行していた。
レーリー卿(Lord Rayleigh) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ヂェー・ワルクの編輯へんしゅうした『仏蘭西現代抒情詩選』の中、レニエーの部の冒頭に追憶の意をうたった Vers le passé の一篇が掲げられている。その初の一節に、
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
宮地翁はその時「神仙記伝」と云うものを編輯へんしゅうしていた。
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
僕らが「言葉」という飜訳ほんやく雑誌、それから「青い馬」という同人雑誌をだすことになって、その編輯へんしゅうに用いた部屋は芥川龍之介あくたがわりゅうのすけの書斎であった。
青い絨毯 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
この取り扱い方は、学而篇が単に孔子の智慧を伝えるためばかりでなく、孔子およびその弟子の智慧を、すなわち孔子学派の智慧を伝えるために編輯へんしゅうせられた、ということを示している。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
六本木の古本屋で、大杉栄の獄中記と、正木不如丘まさきふじょきゅう編輯へんしゅうの四谷文学という古雑誌と、藤村の浅草だよりという感想集三冊を八十銭で求める。獄中記はもうぼろぼろなり。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
英国ロンドン府、アワリー、テレグラフ社編輯へんしゅう
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
最初は疑いが濃厚で、関東新報以外の新聞は、筆を揃えて真犯人扱いにしましたが、千種十次郎は、不安がる編輯へんしゅう長を説き伏せて、最後まで美保子を疑うような記事は掲げずにしまいました。
悪魔の顔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
丁度食事の頃だったので、マダムは昼餉ひるげのテーブルに鶴子を案内して、亡夫の遺著を編輯へんしゅうするについて、第一に社寺または古器物の写真の不足しているのを補うためにこれを買集める事
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「——××××の編輯へんしゅうをしていなさるのよ」
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
肉親からの仕送りがまるで無い様子で、る時は靴磨くつみがきをした事もあり、また或る時は宝くじ売りをした事もあって、この頃は、表看板は或る出版社の編輯へんしゅうの手伝いという事にして
渡り鳥 (新字新仮名) / 太宰治(著)
一昨年の元日に虚子が年始に来たから、東北とうぼくと云ううたいをうたったところ、虚子が鼓を打ち出したので、余のうたい大崩おおくずれになったという一段を編輯へんしゅうへ廻した。
元日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼は中学生対手あいての雑誌を編輯へんしゅうしている文学者の話した、某劇場の前にいた二人の露西亜ロシア女の処へ往って、葡萄ぶどう酒をたくさん飲まされて帰って来たと云う話を思いだした。
青い紐 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
日頃「編輯へんしゅう者は、窓の外で人殺しがあっても、卓子テーブルから動くな、冷静を欠くのは一番悪いことだ」と言って居る編輯長の手前、用事にかこつけて外へ出るわけにも行かなかったのです。
踊る美人像 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
色々いろいろ作家さっか逸話いつわっていられるので、もし今後こんご中央公論ちゅうおうこうろん編輯へんしゅうたれかにゆずってひまときるとしたら
夏目先生と滝田さん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
長兄が三十歳のとき、私たち一家で、「青んぼ」という可笑おかしな名前の同人雑誌を発行したことがあります。そのころ美術学校の塑像そぞう科に在籍中だった三男が、それを編輯へんしゅういたしました。
兄たち (新字新仮名) / 太宰治(著)
編輯へんしゅうの方について申せば、私の持論に、執筆者は勇をして自由自在に書くべし、他人の事を論じ他人の身を評するには、自分とその人と両々相対あいたいして直接に語られるような事に限りて
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
無駄を言いながら、ストーブの側を離れた早坂勇、部長の廻転椅子いすの肘掛に腰を下すように、新聞社の編輯へんしゅう局にだけ許されて居る不作法な様子で、千種十次郎の手から受話器をたぐり寄せました。
流行作家の死 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
ついで昭和四年に『鴎外全集』の普及版が計画せられて、潤三郎は編輯へんしゅう校正に当りましたが、その後も遺文は続々発見せられますので、それに遺族の思い出をも加えて一冊にしたのが『鴎外遺珠と思ひ出』です。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
打明けていえば、『女人芸術』の頁数の都合で、いつも締切りすぎに短時間で書き、二枚五枚と工場へはこび、しかも編輯へんしゅうの都合で伸縮自在のうきめにあったもので、そのために一層ありのままで文飾などありません。
「僕は、今でも、僕の雑誌の詩壇の選者を頑張ってやっています。だんだん投書も少くなるし、内地の現代向の人に代えろと始終、編輯へんしゅう主任に攻撃されもしますが、なに、これだけは死ぬまで人にはやらせない積りです」
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
大正八九年頃、当時、私は「主潮」と謂う雑誌を編輯へんしゅうしていたのであるが、その中で、私は「大菩薩峠」と、後藤宙外の大阪朝日新聞に書いた小説とを比較して、「大菩薩峠」の優れていることを賞讃したことがあったが
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
……昨夜宿めてくれた長谷川はせがわは、そんなに困っているならお伽噺とぎばなしでも書いたらどうか、少年雑誌の編輯へんしゅうをしている人を知っているからそれへ売りつけて上げることにしてもいい、と言ってくれた。
六月 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
ネイション編輯へんしゅう足下
撥陵遠征隊 (新字新仮名) / 服部之総(著)
白隠和尚はくいんおしょうの弟子の東嶺とうれい和尚とかいう人の編輯へんしゅうしたもので、重に禅を修行するものが、浅い所から深い所へ進んで行く径路やら、それに伴なう心境の変化やらを秩序立てて書いたものらしかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
巴里の Bingビング は美麗なる月刊雑誌 Japon Artistique(『日本の美術』)を編輯へんしゅうしよく原画の趣を伝へたる精巧なる挿画とまた英仏独三国語の解説とによりて極力日本趣味の普及につとめたり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
翁は郷里の師範学校を出て、中年にして東京に来り、海軍省文書課、慶応義塾図書館、書肆しょし一誠堂編輯へんしゅう部其他に勤務したが、永く其職に居ず、晩年はもっぱ鉛槧えんざんに従事したが、これさえ多くは失敗に終った。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
が、少年の筆らしくない該博の識見に驚嘆した読売の編輯へんしゅう局は必ずや世に聞ゆる知名の学者の覆面か、あるいは隠れたる篤学であろうと想像し、敬意を表しかたがた今後の寄書をも仰ぐべく特に社員を鴎外の仮寓かぐうに伺候せしめた。
鴎外博士の追憶 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
またこの正蔵君はもちろん前に書いた流弁なりし先々代で、さらにその文章の中にはワクでかこんで先々代正蔵君の私の落語界入りのための口上文が書いてあったが、これは当時「苦楽」を編輯へんしゅうしていた川口松太郎君が執筆したものだった。
わが寄席青春録 (新字新仮名) / 正岡容(著)
十二月号を今編輯へんしゅうしていますので、一両日中に頂けますと何よりです。どうか御聞きとどけ下さいますよう御願い申します。十一月二十九日。栗飯原梧郎。太宰治様。ヒミツ絶対に厳守いたします。本名で御書き下さらば尚うれしく存じます。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
退院まで四十日も掛り、その後もレントゲンとラジウムを掛けに通ったので、教師をしていた間けちけちとめていた貯金もすっかり心細くなってしまい、寺田は大学時代の旧師に泣きついて、史学雑誌の編輯へんしゅうの仕事を世話してもらった。
競馬 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
事件の中には、あまりにそれが重大で、影響するところが大き過ぎる為に、又は、あまりにそれが幻怪不可思議で、そのままでは、とても信じられない為に、闇から闇へと——イヤ編輯へんしゅう長のテーブルの上から紙屑籠の中へと——葬られて行く事件は
呪の金剛石 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
今更贔屓分ひいきぶんでいうのではありません、——ちょッ、目力めか(助)編輯へんしゅうめ、女の徳だ、などと蔭で皆憤懣ふんまんはしたものの、私たちより、一歩ひとあしさきに文名をせた才媛さいえんです、その文金の高髷たかまげの時代から……
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この時代の珍重すべき武鑑は——もはや武鑑とはいわず『藩銘録はんめいろく』と題されているのだが、わたしの手もとにあるのは明治三年庚午こうご初春荒木氏編輯へんしゅう、御用書師和泉いずみ屋市兵衛、須原屋茂兵衛共同出版の、袖珍しゅうちん十九丁ものである。
武鑑譜 (新字新仮名) / 服部之総(著)
ある時などは、婦人文芸雑誌の編輯へんしゅうをしているF——氏の前で、はしなく二人の雰囲気ふんいきが険しくなり、庸三は帰って行くF——氏と一緒に玄関を降りぎわに烈しい言葉で彼女をののしったのだったが、そうして別れた後で、彼はやはり独りで苦しまなければならなかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
長い間叔父の雑誌の編輯へんしゅうをしたり、校正をしたり、その間には自分の原稿を書いて、金をくれそうな所へ方々持って廻ったりして、始終しじゅう忙がしそうに見えた彼は、とうとう東京にいたたまれなくなった結果、朝鮮へ渡って、そこの或新聞社へ雇われる事に、はぼ相談がきまったのであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私には成算ございましたので、二、三日、様子を見て、それから貴方へ御寄稿のお礼かたがた、このたびの事件のてんまつ大略申し述べようと思って居りましたところ、かれら意外にも、けさ、編輯へんしゅう主任たる私には一言の挨拶もなく、書留郵便にて、玉稿御返送敢行いたせし由、承知いたし、いまは、私と彼等二人の正義づらとの、面目問題でございます。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)