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種々
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いろん
ふりがな文庫
“
種々
(
いろん
)” の例文
私
(
わたし
)
が
児心
(
こどもごゝろ
)
にも、アレ
先生
(
せんせい
)
が
嫌
(
いや
)
な
顔
(
かほ
)
をしたなト
斯
(
か
)
う
思
(
おも
)
つて
取
(
と
)
つたのは、まだモ
少
(
すこ
)
し
種々
(
いろん
)
なことをいひあつてからそれから
後
(
あと
)
の
事
(
こと
)
で。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その顔を、
凝乎
(
じっ
)
と見ると、
種々
(
いろん
)
な苦労をするか、今朝はひどく
面窶
(
おもやつ
)
れがして、先刻洗って来た、
昨夕
(
ゆうべ
)
の白粉の痕が青く
斑点
(
ぶち
)
になって見える。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
なアにさ、ここが
観音
(
くわんおん
)
の
仲見世
(
なかみせ
)
だ。梅「
何
(
なに
)
かゞございませう
玩具店
(
おもちやみせ
)
が。近「べた
玩具店
(
おもちやみせ
)
だ。梅「どれが……。近「あの
種々
(
いろん
)
なものを
玩具
(
おもちや
)
と
云
(
い
)
ふのだ。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
正に此新潮に
棹
(
さをさ
)
して彼岸に達しようと
焦慮
(
あせ
)
つて居る人なので、彼自身は、其半生に
種々
(
いろん
)
な黒い影を伴つて居る所から、殆ど町民に信じられて居ぬけれど
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
眤
(
じっ
)
と
立
(
たっ
)
ていると手足がしびれて来てだんだん気が遠くなった。遂に何処に
何
(
どう
)
しているのやら分らなくなった。——
種々
(
いろん
)
なものが見えた。種々な音が聞え始めた。
越後の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
許婚
(
いいなづけ
)
の人も居たんだけれど、寄りつきもしなくなったわ。あなた許婚なんてこと嫌いだわね。私も嫌いよ。で、けっきょくその方がよかったわ。それから
種々
(
いろん
)
な惨めな目を見て来たわ。
掠奪せられたる男
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「
種々
(
いろん
)
な奴が入り込むから、油断がなりませんな」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
けれどもそうして書箱に、そんな
種々
(
いろん
)
な書籍があって、それを時々出して見ていれば、其処に生き
効
(
がい
)
もあれば、また
目的
(
あて
)
もあるように思えた。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
串戯
(
じょうだん
)
ではなくってよ。
貴郎
(
あなた
)
が持って来て、あそこへ据えてから、玄関の
方
(
かた
)
なんぞも、この間中
種々
(
いろん
)
な事を言ってるんですよ。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それは兎も角もまた茂之助さんが来て
種々
(
いろん
)
な事をいうのをハイ/\と柳に受けて
居
(
お
)
れば、また増長して手出しをする
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『胃の惡いのは喰ひ過ぎだ。朝から煙草許り
喫
(
の
)
んでゐて、怠屈まぎれに
種々
(
いろん
)
な物を間食するから惡いんだよ。』
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
やはり雪が
降
(
ふっ
)
たので水の上には雪が溜っていた。きっとこの池の
周囲
(
まわり
)
に住んでいる狐か狸が大雪で、食物に困って
種々
(
いろん
)
な
真似
(
まね
)
をやるのだろうと思って、その夜は寝た。
北の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
もう
両親
(
ふたおや
)
のことなんかすっかり忘れてしまったの。許婚の男のことも、
種々
(
いろん
)
な面白いことやらつらいことも。そして今は人の妾の身分だわ。けれどもそれもすぐに忘れてしまうわ、屹度。
掠奪せられたる男
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
二度に
割
(
さ
)
いたりなどして受取っているのだが、分けても此の頃は
種々
(
いろん
)
なことが心の面白くないことばかりで、それすら碌々に書いてもいない。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
まずいものを
内服
(
のま
)
せて、そしてお菓子を食べては悪いの、林檎を食べては
不可
(
いけな
)
いの、と
種々
(
いろん
)
なことを云うんですもの。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『胃の悪いのは喰過ぎだ。
朝
(
あさ
)
ツから煙草許り
喫
(
の
)
んでゐて、
躰屈
(
たいくつ
)
まぎれに
種々
(
いろん
)
な物を間食するから悪いんだよ。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
三「いえ
然
(
そ
)
うじゃア無いんですが、方々へ
種々
(
いろん
)
な会がありますと、ビラなんぞを
誂
(
あつら
)
えられてるんでげすが、
御飯
(
ごはん
)
を召上るてえなら是非此処じゃア
松源
(
まつげん
)
さんでげしょう」
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
はたから見ると私は年よりもずっと
老
(
ふ
)
けてるでしょう。
種々
(
いろん
)
な苦労をしたからよ。小さい時に母親を失ったのよ。そしてその後で父は失敗してしまったので、どうにもすることが出来なかったわ。
掠奪せられたる男
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そればかりではなかった、私の
児心
(
こどもごころ
)
にも、アレ先生が嫌な顔をしたな、トこう思って取ったのは、まだモ少し
種々
(
いろん
)
なことをいいあってから、それから後の事で。
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
真黒
(
まつくろ
)
に煤びた屋根裏が見える、壁側に積重ねた布団には白い毛布が
被
(
かか
)
つて、
其
(
それ
)
に並んだ箪笥の上に、枕時計やら鏡台やら、
種々
(
いろん
)
な手廻りの物が
整然
(
きちん
)
と列べられた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
成程
彼
(
あれ
)
は旦那のお気に入りましょうよ、旦那は
種々
(
いろん
)
な真似をなすって諸方で
食散
(
くいちら
)
かして居らっしゃるから、
却
(
かえ
)
ってあんなうぶなお嬢さん筋で無くちゃアいけますまい
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「舟の中で沢山
種々
(
いろん
)
なものを
食
(
いただ
)
きましたから。」
湖水と彼等
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
雁
(
がん
)
もどきッて、ほら、
種々
(
いろん
)
なものが入った
油揚
(
あぶらあげ
)
があらあ、
銀杏
(
ぎんなん
)
だの、
椎茸
(
しいたけ
)
だの、あれだ、あの中へ、え、
肴
(
さかな
)
を入れて
交
(
ま
)
ぜッこにするてえことあ
不可
(
いけ
)
ねえのかなあ。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一廻り廻って向うの横町に附いて
往
(
い
)
くと、菓子屋だの蕎麦屋だの
種々
(
いろん
)
なものがあるから、其の間を這入って、突当りが手水場だから、其の傍の井戸へ附いて左へ曲って
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
野村は力が抜けた様に墨を磨つて居たが、眼は
凝然
(
ぢつ
)
と竹山の筆の走るのを見た儘、
種々
(
いろん
)
な事が胸の中に急がしく往来して居て、さらでだに不気味な顔が一層険悪になつて居た。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
雁
(
がん
)
もどきツて、ほら、
種々
(
いろん
)
なものが
入
(
はひ
)
つた
油揚
(
あぶらあげ
)
があらあ、
銀杏
(
ぎんなん
)
だの、
椎茸
(
しひたけ
)
だの、あれだ、あの
中
(
なか
)
へ、え、
肴
(
さかな
)
を
入
(
い
)
れて
交
(
ま
)
ぜツこにするてえことあ
不可
(
いけ
)
ねえのかなあ。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
種々
(
いろん
)
な人に接触して居たし、随つて一寸
普通
(
なみ
)
の人には知れぬ種々な事が、目に見えたり、耳に入つたりする所から、「要するに釧路は慾の無い人と真面目な人の居ない所だ。」
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
種々
(
いろん
)
な方に
出会
(
でっくわ
)
しますな、花魁え、何うもすっかり御様子が変りましたから間違いたんでげすが、花魁ばかりは何うも只の花魁じゃアない、お姫さまの筋の花魁だっていってましたが
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ですから御飯になさいなね、
種々
(
いろん
)
な事を
言
(
いっ
)
て、お
握飯
(
むすび
)
を
拵
(
こしら
)
えろって言いかねやしないんだわ。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
急造
(
にはかづくり
)
の新聞だから
種々
(
いろん
)
な者が集まつたので、一月経つか経たぬに社内に
紛擾
(
さわぎ
)
が持上つた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
新「夢を見たのだよ、
種々
(
いろん
)
な事で気を揉むから
然
(
そ
)
う云う夢を見るのだ、夢だよ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ウアツハハ」と高く笑つて、薄く
雪明
(
ゆきあかり
)
のした小路を、大跨に歩き去つた。——其後姿が目に浮ぶと、(此朝私の
頭脳
(
あたま
)
は余程空想的になつて居たので、)
種々
(
いろん
)
な事が考へられた。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
妙にお客あしらいで、私をばお大事のもののようにして、その癖ふざけるから、
皆
(
みんな
)
が
種々
(
いろん
)
なこと云うんじゃアあるまいかね。立派に姉さんの顔をして、貢、はい、というようにして御覧。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから
種々
(
いろん
)
な面倒が起るかも知れないから、何処までも他人で居て、子のようにしようと思うからの事だ……おゝ寒い、
斯様
(
こん
)
な所で云合ったッて仕方がない、速く帰って
緩
(
ゆっ
)
くり相談をしよう
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
辛
(
やつ
)
と
少許
(
すこし
)
入口の
扉
(
と
)
を開けては、
種々
(
いろん
)
な道具の
整然
(
きちん
)
と列べられた
室
(
へや
)
の中を覗いたものだ。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
汐見橋
(
しおみばし
)
の上で見た者がある、前兆だなんて
種々
(
いろん
)
なことを謂ったもんです。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
へえゝ……
種々
(
いろん
)
な
物
(
もの
)
が
有
(
あ
)
りますな、
此間
(
このあひだ
)
ね
山田
(
やまだ
)
さんの
坊
(
ぼつ
)
ちやんが
持
(
も
)
つていらしつたのを
私
(
わたし
)
が
握
(
にぎ
)
つたら、
玩具
(
おもちや
)
だと
仰
(
おつ
)
しやいましたが、
成程
(
なるほど
)
さま/″\の
物
(
もの
)
が
有
(
あ
)
りますよ、
此方
(
こつち
)
も
玩具
(
おもちや
)
……
彼方
(
あつち
)
も
玩具
(
おもちや
)
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
種々
(
いろん
)
な事が胸に持上がつて来る。渠はそれと戦つて居る。思出すまいと戦つて居る。
幾何
(
いくら
)
圧しつけても持上がる。あれもこれも持上がる。終には幾十幾百幾千の事が皆一時に持上がる。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
父
(
ちゃん
)
の脛ばかりは咬っていねえ、是でもお客がえら有れば
種々
(
いろん
)
な手伝をして、
洗足
(
すゝぎ
)
持ってこ、
草鞋
(
わらじ
)
を脱がして、
汚
(
きたね
)
え物を手に受けて、湯う
沸
(
わか
)
して脊中を流してやったり、
皆
(
みんな
)
家
(
うち
)
の為と思ってしているだ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
種
常用漢字
小4
部首:⽲
14画
々
3画
“種々”で始まる語句
種々相
種々樣々
種々雜多
種々作
種々力
種々報
種々多様
種々雑多