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ばんめし
ふりがな文庫
“
晩食
(
ばんめし
)” の例文
清
(
きよ
)
を
呼
(
よ
)
んで、
膳
(
ぜん
)
を
出
(
だ
)
せと
命
(
めい
)
ずると、
清
(
きよ
)
は
困
(
こま
)
つた
顏付
(
かほつき
)
をして、まだ
何
(
なん
)
の
用意
(
ようい
)
も
出來
(
でき
)
てゐないと
答
(
こた
)
へた。
成程
(
なるほど
)
晩食
(
ばんめし
)
には
少
(
すこ
)
し
間
(
ま
)
があつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
先日欧米漫遊に出かけて往つた京都大学の内田銀蔵博士が、出発
前
(
ぜん
)
のある日の事、
晩食
(
ばんめし
)
の
卓子
(
テエブル
)
で夫人を相手に頻りと洋行の面白さを話してゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
けれども、もっと皿数の多い、従ってもっと楽しかるべき
晩食
(
ばんめし
)
になると、彼は殆ど精神的な疲労さえ覚えた、猶悪いことには生憎これが降誕祭の晩ではないか。
或る日
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
賄
(
まかない
)
の食わせる
晩食
(
ばんめし
)
を
味
(
あじわ
)
おうとして、二人は連立って食堂の方へ行った。黙し勝な捨吉は多勢の青年の間に腰掛けて、あの繁子に図らず
遭遇
(
でっくわ
)
したことを思出しつつ食った。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
宿の主人は
讃岐
(
さぬき
)
の人で、
晩食
(
ばんめし
)
の給仕に出た女中は愛知の者であった。
隣室
(
となりま
)
には、
先刻
(
さっき
)
馬を頼んで居た北見の農場に帰る男が、客と碁をうって居る。
按摩
(
あんま
)
の笛が大道を流して通る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
二度とも鎌倉のある
病家
(
びょうか
)
へ往診に来たついでだという事であった。二度目の時竜子は母と先生と三人して海水を浴びに行った。
晩食
(
ばんめし
)
をも一緒にすましてから先生は最終列車で東京へ帰る。
寐顔
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「今日は吉川さんといっしょに食堂で
晩食
(
ばんめし
)
を食べる事になってるんだよ。知ってるかね。そら吉川もあすこへ来ているだろう」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と好きな仏蘭西語で
晩食
(
ばんめし
)
の事を考へてゐたところだつた。本野子は沢庵漬と武士道との外は、どんな仏蘭西語をでも知つてゐて、それで物を考へるといふ風な人だつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
間
(
ま
)
もなく三四郎は八畳敷の書斎の
真中
(
まんなか
)
で小さい膳を控へて、
晩食
(
ばんめし
)
を食つた。膳の上を見ると、主人の言葉に
違
(
たが
)
はず、かのひめいちが
附
(
つ
)
いてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのホフマンが(無論大人になつてからの事だ)ある時、
往
(
ゆ
)
きつけの料理屋で
晩食
(
ばんめし
)
を食つた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
なるほど
晩食
(
ばんめし
)
には少し間があった。宗助は楽々と火鉢の
傍
(
そば
)
に
胡坐
(
あぐら
)
を
掻
(
か
)
いて、大根の
香
(
こう
)
の
物
(
もの
)
を
噛
(
か
)
みながら
湯漬
(
ゆづけ
)
を四杯ほどつづけざまに
掻
(
か
)
き込んだ。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
トオマス嬢はある日の
夕方
(
ゆふかた
)
美しく刈込まれた学校の
校庭
(
カムパス
)
を散歩してゐた。
晩食
(
ばんめし
)
は
消化
(
こなれ
)
のいゝ物でうまく食べたし、新調の
履
(
くつ
)
は
繊細
(
きやしや
)
な足の裏で軽く鳴つてゐるので、
女博士
(
をんなはかせ
)
はすつかりいい気持になつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
二人が風に耳を
峙
(
そば
)
だてていると、下女が風呂の案内に来た。それから
晩食
(
ばんめし
)
を食うかと聞いた。自分は晩食などを欲しいと思う気になれなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分は今に長蔵さんが
恰好
(
かっこう
)
な所を見つけて、
晩食
(
ばんめし
)
をしたために自分を連れ込む事と自信して、気を永く辛抱しながら、長い町を北へ北へと下って行った。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もう
少
(
すこ
)
しの
事
(
こと
)
で、
其
(
その
)
安井
(
やすゐ
)
と
同
(
おな
)
じ
家主
(
やぬし
)
の
家
(
いへ
)
へ
同時
(
どうじ
)
に
招
(
まね
)
かれて、
隣
(
とな
)
り
合
(
あは
)
せか、
向
(
むか
)
ひ
合
(
あは
)
せに
坐
(
すわ
)
る
運命
(
うんめい
)
にならうとは、
今夜
(
こんや
)
晩食
(
ばんめし
)
を
濟
(
すま
)
す
迄
(
まで
)
、
夢
(
ゆめ
)
にも
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は
晩食
(
ばんめし
)
も
食
(
く
)
はずに、すぐ又
表
(
おもて
)
へ出た。五軒町から江戸川の
縁
(
へり
)
を
伝
(
つた
)
つて、
河
(
かは
)
を
向
(
むかふ
)
へ越した時は、
先刻
(
さつき
)
散歩からの帰りの様に精神の困憊を感じてゐなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は
晩食
(
ばんめし
)
も食わずに、すぐ又表へ出た。五軒町から江戸川の
縁
(
へり
)
を伝って、河を向うへ越した時は、
先刻
(
さっき
)
散歩からの帰りの様に精神の
困憊
(
こんぱい
)
を感じていなかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうして
晩食
(
ばんめし
)
の時刻になって、細君から起されるまでは、首を切られた人のように何事も知らなかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼が暗い所から出て、
晩食
(
ばんめし
)
の
膳
(
ぜん
)
に着いた時は、小六も六畳から出て来て、兄の向うに
坐
(
すわ
)
った。御米は忙しいので、つい忘れたと云って、座敷の戸を
締
(
し
)
めに立った。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
(
かれ
)
が
暗
(
くら
)
い
所
(
ところ
)
から
出
(
で
)
て、
晩食
(
ばんめし
)
の
膳
(
ぜん
)
に
着
(
つ
)
いた
時
(
とき
)
は、
小六
(
ころく
)
も六
疊
(
でふ
)
から
出
(
で
)
て
來
(
き
)
て、
兄
(
あに
)
の
向
(
むか
)
ふに
坐
(
すわ
)
つた。
御米
(
およね
)
は
忙
(
いそが
)
しいので、つい
忘
(
わす
)
れたと
云
(
い
)
つて、
座敷
(
ざしき
)
の
戸
(
と
)
を
締
(
し
)
めに
立
(
た
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
晩食
(
ばんめし
)
の時、丸善から小包が届いた。
箸
(
はし
)
を
措
(
お
)
いて開けて見ると、余程前に外国へ注文した二三の新刊書であった。代助はそれを
腋
(
わき
)
の下に抱え込んで、書斎へ帰った。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もう少しの事で、その安井と同じ家主の家へ同時に招かれて、隣り合せか、向い合せに坐る運命になろうとは、今夜
晩食
(
ばんめし
)
を済ますまで、夢にも思いがけなかった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
晩食
(
ばんめし
)
の
時
(
とき
)
、丸善から
小包
(
こづゝみ
)
が
届
(
とゞ
)
いた。
箸
(
はし
)
を
措
(
お
)
いて
開
(
あ
)
けて見ると、余程前に外国へ注文した二三の新刊書であつた。代助はそれを
腋
(
わき
)
の
下
(
した
)
に
抱
(
かゝ
)
へ
込
(
こ
)
んで、書斎へ帰つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
昨夕は川崎造船所の
須田君
(
すだくん
)
からいっしょに
晩食
(
ばんめし
)
でも食おうと云う案内があったが、例のごとく腹が痛むので、残念ながら辞退して、寝室で
肉汁
(
ソップ
)
を飲んで寝てしまった。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私はまた先生夫婦の事を
想
(
おも
)
い浮べた。ことに二、三日前
晩食
(
ばんめし
)
に呼ばれた時の会話を
憶
(
おも
)
い出した。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
晩食
(
ばんめし
)
を食って行けと云うのを学校の下調があると云って辞退して誠太郎は帰った。帰る前に
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
晩食
(
ばんめし
)
を
食
(
く
)
つて
行
(
い
)
けと云ふのを学校の下調があると云つて辞退して誠太郎は帰つた。帰る前に
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
袴を着けて、与次郎を
誘
(
さそ
)
ひに、西片町へ行く。勝手
口
(
ぐち
)
から這入ると、茶の
間
(
ま
)
に、広田先生が小さな食卓を控へて、
晩食
(
ばんめし
)
を食つてゐた。
傍
(
そば
)
に与次郎が
畏
(
かしこ
)
まつて御給仕をしてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
袴
(
はかま
)
を着けて、与次郎を誘いに、西片町へ行く。勝手口からはいると、茶の間に、広田先生が小さな食卓を控えて、
晩食
(
ばんめし
)
を食っていた。そばに与次郎がかしこまってお給仕をしている。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
不思議に思ったのは、宿へ着いた時の取次も、
晩食
(
ばんめし
)
の給仕も、
湯壺
(
ゆつぼ
)
への案内も、床を敷く面倒も、ことごとくこの小女一人で弁じている。それで口は
滅多
(
めった
)
にきかぬ。と云うて、
田舎染
(
いなかじ
)
みてもおらぬ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
次に大通りから細い横町へ
曲
(
まが
)
つて、
平
(
ひら
)
の
家
(
や
)
と云ふ看板のある料理屋へ
上
(
あ
)
がつて、
晩食
(
ばんめし
)
を食つて酒を呑んだ。
其所
(
そこ
)
の下女はみんな京都弁を使ふ。甚だ
纏綿
(
てんめん
)
してゐる。表へ出た与次郎は赤い顔をして、又
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
仕方がないから
晩食
(
ばんめし
)
を済ましてその晩はそれぎり寝る事にした。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
やがて
晩食
(
ばんめし
)
の食卓でみんなが顔を合わせる時刻が来ました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
晩
常用漢字
小6
部首:⽇
12画
食
常用漢字
小2
部首:⾷
9画
“晩食”で始まる語句
晩食時