日当ひあ)” の例文
旧字:日當
時計とけいすら、数字すうじきざんであるものよりは、日時計ひどけいのほうが、正確せいかくだといって、ふねかたちをした、日時計ひどけい日当ひあたりにして、帆柱ほばしらのような
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
野には、日当ひあたりのいい所には草がすでにもえて、なずなど青々としている。関さんはところどころで、足をとめて、そろそろ芽を出し始めた草をとった。そしてそれを清三に見せた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「こんなかわに、なにがいるもんか。もっとみずふかい、日当ひあたりのいいところでなくては、さかなってきはしない。」と、猟師りょうしはいいました。
北の国のはなし (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとき、おなじように、となりのおばあさんが、やはりうちまえて、日当ひあたりのいいあたたかな場所ばしょにむしろをいて、ひなたぼっこをしていました。
善いことをした喜び (新字新仮名) / 小川未明(著)
女中じょちゅうは、さっそく、かえって、このことをおくさまにげ、そして、みずで、帽子ぼうしあらって、まどそと日当ひあたりにして、かわかしておいたのであります。
奥さまと女乞食 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど日当ひあたりのいい縁側えんがわに、おばあさんがすわって、したいて、ぷうぷうと糸車いとぐるまをまわしていとつむいでいました。
おじいさんの家 (新字新仮名) / 小川未明(著)
子供こどもらは、いろいろのはなわっているにわっていきました。そのにわは、たいそう日当ひあたりがよかった。ちょうもくれば、みつばちもやってきたのです。
花と人の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
日当ひあたりがいいから、まあ、よくいたこと。」といって、はなゆびさきでつついていましたが、ふとあしもとをて、そこに、とんぼがちているのにづくと
寒い日のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
あくる、やまがらのことを心配しんぱいしながら、学校がっこうかえりに、そのみせまえまでくると、ちょうどおじさんは、日当ひあたりのぐちで、にわとり小屋こやをそうじしていました。
山へ帰ったやまがら (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのあかを、またざくろのにさしておこうかともおもったが、それよりは、おにわ日当ひあたりのいいやわらかなつちにうずめてやったほうがいいとおもって、そうしました。
赤い実 (新字新仮名) / 小川未明(著)
くろんぼは、日当ひあたりのみちあるいて、あたりを物珍ものめずらしそうに、きょろきょろとながめながらやってきますと、ふと、町角まちかどのところで、うすあお着物きものをきたむすめあいました。
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼっちゃんは、あか帽子ぼうしをかぶって、女中じょちゅうにおぶわれて、雪晴ゆきばれのした、日当ひあたりにて、雨滴うてきのぴかぴかひかり、ちるのをおもしろがって、きゃっきゃっとわらいながらていました。
奥さまと女乞食 (新字新仮名) / 小川未明(著)
はたけえた年郎としろうくんのいちじゅくは、日当ひあたりがよくまたかぜもよくとおったから、ぐんぐんとびてゆきました。翌年よくねんには、もうえだができて、おおきなが、うえくろかげをつくりました。
いちじゅくの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ゆうちゃんは日当ひあたりにて、はなみずうえうつった雲影くもかげをじっとながめながら
すいれんは咲いたが (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふゆあいだじゅう、二ひきのねこは、このあたりの屋根やねをすみかとし、終日しゅうじつ日当ひあたりをさがして、あるいていました。そのうち、はるとなるころには、ねこは、もうだいぶおおきくなっていました。
どこかに生きながら (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼女かのじょは、にわのすみにあって、日当ひあたりのいいからたちのえらびました。
冬のちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ああ、これは、いいものがにはいった。」といって、おじいさんはまり一鉢ひとはちって、よろこんでいえかえりました。おじいさんは、それにみずをやり、日当ひあたりのいいところへしてやりました。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
「じゃ、ぼくも、こんど日当ひあたりのいいところへえかえてやろう。」といって、吉雄よしおくんは、自分じぶんのうちのいちじゅくが、くらべものにならぬほど、成長せいちょうのおそいのをかわいそうにかんじたのでした。
いちじゅくの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
縁側えんがわ日当ひあたりに、とおばかりの少女しょうじょが、すわって、にいさんのかえるのをっていました。そのは、病気びょうきおもわれるほど、やせていました。しかし、は、ぱっちりとして、くろおおきかったのでした。
少年と秋の日 (新字新仮名) / 小川未明(著)