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手懸
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てがか
ふりがな文庫
“
手懸
(
てがか
)” の例文
それから白山から原町、林町の
辺
(
へん
)
をぐるぐる廻って歩いたがやはり何らの
手懸
(
てがか
)
りもない。その晩は疲労のため寝る事だけはよく寝た。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし別に
手懸
(
てがか
)
りになるようなものも見えません。台をして上の方もよく見ました。だんだんと反対の側を下の方へ見て行きましたが
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
たつた
一人
(
ひとり
)
きりで
暮
(
くら
)
していたというのだからそういう
特徴
(
とくちょう
)
から
判断
(
はんだん
)
してみて、
捜査
(
そうさ
)
の
手懸
(
てがか
)
りは、かえつてつけやすいほどのものであつた。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
調べれば調べるほど、いよいよ混沌として、
手懸
(
てがか
)
りが
掴
(
つか
)
めぬ。厳密な検査を施してみたが、
頸
(
くび
)
飾りの
偽物
(
にせもの
)
からは何の異なった指紋も現れぬ。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「うム、それは疑問であるが、何となく予感がする——お蝶のことが分らねば、夜光の短刀の
手懸
(
てがか
)
りでもありそうな……」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
救いに
来
(
きた
)
った人々に
仔細
(
わけ
)
を話して、七兵衛も共々に
其処
(
そこ
)
らを尋ね廻ったが、何分にも
暗黒
(
くらがり
)
と云い、
四辺
(
あたり
)
には森が多いので、更に何の
手懸
(
てがか
)
りも無かった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
始
(
はじ
)
め村中
殘
(
のこら
)
ず存じ申さずとの
答
(
こた
)
へなれば少しも
手懸
(
てがか
)
りはなきに次右衞門の思ふ樣是は村中
申合
(
まをしあは
)
せ掛り合を恐れて
斯樣
(
かやう
)
に申立るならんと
席
(
せき
)
を
改
(
あら
)
ため
威儀
(
ゐぎ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「昨日一日必死の探索をいたしたが、誰の仕業ともわからず、何處へ持去られたものか
手懸
(
てがか
)
りもない、——恥を忍んでお願ひに參つたのは斯ういふわけだ」
銭形平次捕物控:204 美女罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
現在は
成
(
な
)
るほど夢に近い
幽
(
かす
)
かな
手懸
(
てがか
)
りではあろうが、ただ試みに心づいたことを述べておくと、宮崎県の西端、
霧島山
(
きりしまやま
)
の
麓
(
ふもと
)
、
日向
(
ひゅうが
)
真幸郷
(
まさきごう
)
の小さな或る部落では
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
多くの場合、二人が別れる時に言い交わす、次の逢う瀬の打合わせが、彼の尾行の
手懸
(
てがか
)
りとなった。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
だが、母と弟の消息は、ほんの
手懸
(
てがか
)
りさえつかめない。一体あれだけの人間が何処へ行ってしまったのだろう。翌日も、又その翌日も彼は血走った眼をして捜し歩いた。
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
但
(
たゞ
)
し
茲
(
こゝ
)
に
一
(
ひと
)
つの
研究
(
けんきゆう
)
の
手懸
(
てがか
)
りが
出來
(
でき
)
たといふのは、
地球
(
ちきゆう
)
の
表面
(
ひようめん
)
近
(
ちか
)
くから
放
(
はふ
)
つた
斥候
(
せつこう
)
が
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
それどころか、庸三は今葉子の
手懸
(
てがか
)
りを一色に求めようとさえしているのだった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
と、何だか
手懸
(
てがか
)
りがありさうに言つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
探偵の
手懸
(
てがか
)
り
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
あるいは寂光院事件の
手懸
(
てがか
)
りが潜伏していそうだ。白状して云うと、余はその時浩さんの事も、御母さんの事も考えていなかった。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
早いところ地上との通信連絡を回復しておかないと、気球がどこへ流れていったか、
皆目
(
かいもく
)
手懸
(
てがか
)
りがなくなる
虞
(
おそ
)
れがあるのである。
空中漂流一週間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鎌倉勢は、その
詮議
(
せんぎ
)
に、手をやいた。
翻弄
(
ほんろう
)
されているようだった。
躍起
(
やっき
)
になって、探しぬいたが、
手懸
(
てがか
)
りもない。
日本名婦伝:静御前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
委敷
(
くはしく
)
申立且昌次郎の鼻の下に
黒
(
くろ
)
き
黒子
(
ほくろ
)
ありと云ければ越前守殿二人
共
(
ども
)
多分
存命
(
ぞんめい
)
にてあらん其方に
手懸
(
てがか
)
りはなきやとのことなれども一同
更
(
さら
)
に手懸りなき
旨
(
むね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この小娘のような若夫人から、何らかの
手懸
(
てがか
)
りが得られようとは、思われぬ。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「で、
手懸
(
てがか
)
りは少しもないとおっしゃるのですか」
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかしピポスコラ族が何ものであるかは、遂に
手懸
(
てがか
)
りがなかった。私は更にそのまま、次の
日暦
(
にちれき
)
の領域に入っても、調べを続けることにした。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
屈竟
(
くっきょう
)
の
手懸
(
てがか
)
りに、
砕
(
くだ
)
けよとばかり尾を
啣
(
くわ
)
えながら左右にふると、尾のみは前歯の間に残って胴体は古新聞で張った壁に当って、揚板の上に
跳
(
は
)
ね返る。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「妙な方角から、思いがけない
手懸
(
てがか
)
りがつきまして、近いうちには、きっと、お手元に戻るだろうと存じます」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後の
手懸
(
てがか
)
りにもと存じ拾ひ
取
(
とり
)
能々
(
よく/\
)
改
(
あらた
)
め見る處同宿にて同商賣を仕つる杉戸屋富右衞門と申者
所持
(
しよぢ
)
の品にして又其
煙草入
(
たばこいれ
)
の下には主人平兵衞より送りたる手紙が之あり候とて
其節
(
そのせつ
)
の樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「そんな筈はないんだが……もし、蓄音機が暗号に無関係だとすると、これはもう簡単に
手懸
(
てがか
)
りを発見することは不可能だ」
暗号音盤事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
御母さんも知らず、余も知らぬ、あの女の事があるいは書いてあるかも知れぬ。よしあからさまに記してなくても一応目を通したら何か
手懸
(
てがか
)
りがあろう。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
遺憾
(
いかん
)
ながら、はやここへ来てからみな半歳の余になるが、いま以て、伊丹城内へ忍び入って獄中の主君に近づくべき方策や
手懸
(
てがか
)
りは、まったく見出せないのであった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なにしろ早朝のことだったから、目撃した市民も意外に
尠
(
すくな
)
い。
手懸
(
てがか
)
りを探したが、一向に有力なのが集らない。事件は全く
迷宮
(
めいきゅう
)
に入ってしまった。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
何の
手懸
(
てがか
)
りもなく引っ返して来たところを、万太郎様に呼びとめられたのでございました
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は四郎の屍体の
口腔
(
こうくう
)
を開かせ、その中に手をグッとさし入れると咽喉の方まで
探
(
さ
)
ぐってみたのが、
果然
(
かぜん
)
手懸
(
てがか
)
りがあって、耳飾の宝石が出てきた。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私は
駭
(
おどろ
)
きを思わず声に出した。辻永が急に活発に歩きだしたのだ。どうやら何か又新しい
手懸
(
てがか
)
りを
掴
(
つか
)
んだものらしい。
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
長さ二尺ばかりの杉角材が四本と古新聞紙が詰めありたる
外
(
ほか
)
めぼしきものも、
手懸
(
てがか
)
りとなるものも見当らず。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
手袋の繊維をすくなくとも数十本は
喰
(
く
)
わえこんでいる筈だ、それから
手懸
(
てがか
)
りが出るかも知れなかったのだ。
電気看板の神経
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
さあ、これで
一
(
ひ
)
と安心です。警察隊と医者の来るのを待つばかりです。その間に私は
現場
(
げんじょう
)
を
検
(
しら
)
べて、事件の
手懸
(
てがか
)
りを少しでも多く発見して置きたいと思ったのでした。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
遅くなりそうだったら、途中から電話か使いかを
寄越
(
よこ
)
す
筈
(
はず
)
だった。それが何も云って寄越さないのだから不審だった。といって須永を探しにゆくにも
手懸
(
てがか
)
りがなかった。
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「必ず、この附近に、何かの
手懸
(
てがか
)
りが残っているはずだ。それを探しあてないうちは、われわれは、いつまでも、ここから引上げない決心だ。さあ、しっかり探してくれ」
火星兵団
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
正に奇想天外の一大事件がもちあがったのだ。それは如何なる大事件であろうか? ところがその後が難解だ。残っているタッタ一つのものは、曰く『獏鸚!』こいつが
手懸
(
てがか
)
りなのだ。
獏鸚
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
然しお由の死後七日までは、これぞと思う
手懸
(
てがか
)
りは何等得ることが出来ずにいた。
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ナニ脳髄に
黴
(
かび
)
が生えてはたまらんと思ったからネ。ちょっと外へ出て、冷していたんだよ。しかしこの病院の
外壁
(
がいへき
)
と来たら、
手懸
(
てがか
)
りになるところがなくて、下りるのに非常に不便にできている。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
矢走千鳥
(
やばせちどり
)
の
誘拐事件
(
ゆうかいじけん
)
は、なんの
手懸
(
てがか
)
りもなく、それから一日過ぎた。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「ふうん。一つの有力なる
手懸
(
てがか
)
りだ」
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
新しい
手懸
(
てがか
)
り
宇宙戦隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
重大な
手懸
(
てがか
)
り
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
懸
常用漢字
中学
部首:⼼
20画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭