所爲しよゐ)” の例文
新字:所為
其代そのかはり二十八にちには大失敗だいしつぱいをして、あなるとたちま異臭ゐしう紛々ふん/\たるもの踏付ふみつけた。これは乞食こじき所爲しよゐだとおもふ。
うばひ取れし趣き尤も盜賊の所爲しよゐならば老人の事故金子を奪ひ取とも殺害せつがい迄には及ぶまじいづれ平兵衞に面體めんてい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
勘次かんじたびこゝろ苛立いらだつたけれど、きりでもつかやうな、たれ所爲しよゐとも判明はんめいしない惡戯いたづらをどうすることも出來できなかつた。しか表面へうめんあらはれた影響えいきやう惡戯いたづらなが持續ぢぞくしなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
櫻町さくらまち殿との面影おもかげいまくまでむねうかべん、良人をつと所爲しよゐのをさなきもしひかくさじ、百八ひやくはち煩惱ぼんなうおのづからえばこそ、殊更ことさらなにかはさん、かばほのほえばもえよとて
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
既に述べしが如く、石器製造せききせいざうの順序は未開人民實際の所爲しよゐと、遺跡にぞんする原料、破片、作り掛け、作り損じ、製造用具せいざうようぐと思はる物品等の比較研究とにつて窺ひ知るを得るなり
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
大人が書かせたのではあるまいかと云ふ念が、ふと萌した。續いて、上を僞る横着物わうちやくもの所爲しよゐではないかと思議した。それから一應の處置を考へた。太郎兵衞は明日の夕方迄曝すことになつてゐる。
最後の一句 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
是等石器の製法用法は現存げんぞん未開人民みかいじんみん所爲しよゐに由つても充分に推考すゐこうするを得るなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
見返れば笹簑さゝみのたる者の居るにぞ是はと吃驚びつくりし然るにても斯る山中に人の居るこそいぶかしけれ但し妖怪えうくわい所爲しよゐなるかとうたがひつゝ聲を掛け夫なる者は何者ぞ旅人りよじんか又は山賊さんぞくたぐゐなるか狐狸こりなるかこたへを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さりとてはほど人品じんぴんそなへながらおぼえたげいきか取上とりあげてもちひるひときかあはれのことやとはまへかんじなり心情しんじやうさら/\れたものならずうつくしきはなとげもあり柔和にゆうわおもて案外あんぐわい所爲しよゐなきにもあらじおそろしとおもへばそんなもの
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
きゝ如何樣盜賊たうぞく所爲しよゐなるべし此品々は其方共へもどわけには參らず欠所藏けつしよぐらへ入置るゝなり何分にも不便ふびんの至りなりとて其場は相濟あひすみたりさても寶澤は加田浦にて盜賊たうぞくに殺され不便の者なりとて師匠ししやう感應院の石塔せきたふそばかたばかりのはか
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)