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しんざう
ロミオ はて、それは
深切の
爲過し。いっそ
迷惑。おのが
心痛ばかりでも
心臟が
痛うなるのに、
足下までが
泣いてくりゃると、一
段と
胸が
迫る。
と、
其れから
其れへと
話を
續けて
息の
繼ぐ
暇も
無い、ドクトルは
耳がガンとして、
心臟の
鼓動さへ
烈しくなつて
來る。
産婆は
出産のあつたつい一
週間前に
來て、
丁寧に
胎兒の
心臟迄聽診して、
至極御健全だと
保證して
行つたのである。
愛ちやんは
其れが
其の
心臟も
碎けよとばかり
大きな
溜息を
吐くのを
聞きました。
やさしく
照つて、
折りしもあれ
風一しきり、
無慙にもはかなくなつた
幾萬の
人たちの、
燒けし
黒髮かと、
散る
柳、
焦げし
心臟かと、
落つる
木の
葉の、
宙にさまよふと
見ゆるのを、
撫で
慰さむるやうに
ロミオ
心臟が
此處に
殘ってゐるのに、
何で
歸ることが
出來ようぞい?
鈍な
土塊め、
引返して、おのが
中心を
搜しをれ。
彼は
普通の
場合の
樣に
病人の
脉を
取つて、
長い
間自分の
時計を
見詰めてゐた。それから
黒い
聽診器を
心臟の
上に
當てた。それを
丁寧に
彼方此方と
動かした。
動悸は
躍つて、
心臟は
裂けむとする。
「
貴方は
人に
對して
濟まない
事をした
覺がある。
其罪が
祟つてゐるから、
子供は
決して
育たない」と
云ひ
切つた。
御米は
此一言に
心臟を
射拔かれる
思があつた。
マーキュ あゝ、ロミオの
奴め、
奴は
最早死んでゐるわい! あの
眞白な
小婦の
黒い
目でしてやられた、
耳は
戀歌で
射貫される、
心臟の
眞中央は
例の
盲小僧の
彼の
稽古矢で
打碎かれる。