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彼所
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あすこ
ふりがな文庫
“
彼所
(
あすこ
)” の例文
助「
馬喰町
(
ばくろちょう
)
にも知った者は有るが、
家
(
うち
)
を忘れたから、春見様が丁度
彼所
(
あすこ
)
に宿屋を出して居るから、今着いて荷を預けて湯に
入
(
は
)
いりに来た」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「さア、チヨンよ、
彼所
(
あすこ
)
にお前のお父さんが居る! お前は——もう、お父さんの所へお
出
(
い
)
で! さア早くあつちへお出で!」
山さち川さち
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
「
熱
(
あつ
)
いからです。あの日は始めて野々宮さんに逢つて、それから、
彼所
(
あすこ
)
へ
来
(
き
)
てぼんやりして居たのです。何だか心細くなつて」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
常に此筋向うの酒屋へは能く行きますが目「好し、
彼所
(
あすこ
)
で問うたら分るだろう」と云い大足に向うの
酒店
(
さかみせ
)
に
馳
(
は
)
せて入る
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
見るより
夥多
(
おほぜい
)
が
和女
(
おまへ
)
は
隣
(
となり
)
の事といひ常から親しくなさるゝゆゑ
彼所
(
あすこ
)
の事は御存じだらうが
今日
(
けふ
)
是々と結納を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
買
(
かは
)
しつたな煮付て晩飯の代りに喰ふかよと鶴的
莞爾
(
くわんじ
)
としイヤ喰て
仕舞
(
しまは
)
ぬ爲に買た今日馬を追て十八錢取つたが
彼所
(
あすこ
)
の
婆
(
ばゝ
)
の茶屋で
強飯
(
こはめし
)
を二盆やつたから跡が五錢ほきやない是を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
人足軽子其他
種〻
(
さま/″\
)
の入目を幾晩かかゝつて漸く調べあげた積り書、又一ツは
彼所
(
あすこ
)
を何して
此所
(
こゝ
)
を斯してと工夫に工夫した下絵図、腰屋根の地割だけなもあり、平地割だけなのもあり
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
田圃の中へ入らなければならんが、
彼所
(
あすこ
)
にも柵があるから、其の柵矢来の裏手から入って、藪の中にうん/\
呻
(
うな
)
っていろ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「しかしわざわざ
彼所
(
あすこ
)
いらを通って、私の
宅
(
うち
)
でも探しているんだか、また用があって通りがかりに偶然出ッくわしたんだか、それが分らないんでね」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
夫人「厭ですとて、最うソレ、返事の遅いのを待兼ねて
彼所
(
あすこ
)
へ遣って来ました」
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
内儀「はい/\、あの鳶頭、奥の六畳へ連れて行ったらよかろう、離れてゝ
彼所
(
あすこ
)
が一番
静
(
しずか
)
でもあり人が行かないから」
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「健ちゃんはたしか京都へ行った事がありますね。
彼所
(
あすこ
)
に、ちんちらでんき皿
持
(
も
)
てこ汁飲ましょって鳴く鳥がいるのを御存じですか」などと
訊
(
き
)
いた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ええ、そりゃ借手はいくらでもあるんでしょう。現にもう一口ばかり貸したんですって。
彼所
(
あすこ
)
いらの
待合
(
まちあい
)
か何かへ」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
長「へえお
出
(
いで
)
なせえ、
何
(
なん
)
です長屋なら一番奥の方が一軒明いている、
彼所
(
あすこ
)
は
借手
(
かりて
)
がねえようだが、それから四軒目の
家
(
うち
)
が明いているが、
些
(
ちっ
)
とばかり造作があるよ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
歩
(
ある
)
ければ、もう
少
(
すこ
)
し御
歩
(
ある
)
きなさい。
此所
(
こゝ
)
は
汚
(
きた
)
ない。
彼所
(
あすこ
)
迄行くと丁度休むに
好
(
い
)
い場所があるから」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
正「エヽ
彼所
(
あすこ
)
に変な訳の分からねえ侍が居るんでげすが、祝儀のくれッ
振
(
ぷり
)
が
悪
(
わり
)
いもんでげすから、何処の茶屋でも
忌
(
いや
)
がられる山田さんてえ人が持って来ているんでげす」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
何
(
なに
)
別
(
べつ
)
に
是
(
これ
)
といふ
理由
(
わけ
)
もなかつたのだけれども、——つい
彼所
(
あすこ
)
いらで
牛
(
ぎう
)
が
食
(
く
)
ひたくなつた
丈
(
だけ
)
の
事
(
こと
)
さ」
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此様
(
こんな
)
にお早く
入
(
い
)
らつしやるてえのは
余
(
よ
)
ツ
程
(
ぽど
)
お
好
(
すき
)
でなければ
出来
(
でき
)
ない事でエヘヽヽ
先達
(
せんだつて
)
は
番附
(
ばんづけ
)
の時に
上
(
あが
)
りましたが、
何
(
ど
)
うも
彼所
(
あすこ
)
から
入
(
い
)
らしつたかと思ふと
実
(
じつ
)
に
恟
(
びつく
)
りする
位
(
くらゐ
)
なもので
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
彼所
(
あすこ
)
がもう
少
(
すこ
)
し
廣
(
ひろ
)
いと
可
(
い
)
いけれども」と
危險
(
あぶな
)
がるので、よく
宗助
(
そうすけ
)
から
笑
(
わら
)
はれた
事
(
こと
)
があつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お
母
(
っか
)
さんに知れて悪くば知れないように何うでも出来ます、奥の六畳は狭いけれども、
間
(
ま
)
が
隔
(
へだ
)
って宜うございます、
彼所
(
あすこ
)
なれば知れませんから、お泊りなすっても宜うございます
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼所
(
あすこ
)
、
此所
(
こゝ
)
に席を立つものがある。
花道
(
はなみち
)
から
出口
(
でぐち
)
へ掛けて、
人
(
ひと
)
の
影
(
かげ
)
が
頗
(
すこぶ
)
る
忙
(
いそ
)
がしい。三四郎は
中腰
(
ちうごし
)
になつて、
四方
(
しほう
)
をぐるりと
見廻
(
みまは
)
した。
来
(
き
)
てゐる
筈
(
はづ
)
の
人
(
ひと
)
は
何処
(
どこ
)
にも見えない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
はい
此方
(
こつち
)
へお
出
(
いで
)
なさい、
骨
(
こつ
)
を
入
(
い
)
れる物を
持
(
もつ
)
てお
出
(
いで
)
なすつたか。金「イエ、
何
(
なに
)
か
買
(
か
)
はうと
思
(
おも
)
つたが
大分
(
だいぶ
)
高
(
たけ
)
えやうですから、
彼所
(
あすこ
)
に二
升
(
しよう
)
壜
(
どつこり
)
の口の
欠
(
かけ
)
たのがあつたから
彼
(
あれ
)
を
持
(
もつ
)
て
来
(
き
)
ました。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼
(
あ
)
の時私が
彼所
(
あすこ
)
を通り掛り麦藁細工の有ったのが目に付いて居ります、
葮簀張
(
よしずっぱり
)
でねえ
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それを
彼所
(
あすこ
)
まで押して行くには、全く情愛の力でなくっちゃ出来る
筈
(
はず
)
のものでない。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
はア…
何
(
ど
)
うしたんだろう、心の迷いじゃアないか知ら、
先刻
(
さっき
)
彼所
(
あすこ
)
を通り掛ったのは
武士
(
さむらい
)
と思ったのが狐か何かで私を
化
(
ばか
)
したのじゃアないか知らん、私がお鳥目を欲しいと思う其の気を
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼
(
かれ
)
は、
彼所
(
あすこ
)
で切り
上
(
あ
)
げても、五分十分の後切り上げても、必竟は同じ事であつたと思ひ出した。自分と三千代との現在の関係は、
此前
(
このまへ
)
逢つた時、既に発展してゐたのだと思ひ出した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
定「あら………仕様がないな、
彼所
(
あすこ
)
に持っているのだもの、道理で無いと思った」
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼は、
彼所
(
あすこ
)
で切り上げても、五分十分の後切り上げても、
必竟
(
ひっきょう
)
は同じ事であったと思い出した。自分と三千代との現在の関係は、この前逢った時、既に発展していたのだと思い出した。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わたくし
)
はお隣座敷に相宿に成りました者で、只今
彼所
(
あすこ
)
にて承われば重々貴方様の御尤もで、実に此の者共は
怪
(
け
)
しからん奴で、先刻より様々の
不礼
(
ぶれい
)
を申し上げ何とも申し様もございませんが
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
彼所
(
あすこ
)
が
老師
(
らうし
)
の
住
(
す
)
んでゐられる
所
(
ところ
)
です」と
宜道
(
ぎだう
)
は
比較的
(
ひかくてき
)
新
(
あた
)
らしい
其
(
その
)
建物
(
たてもの
)
を
指
(
ゆびさ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わし
)
毎日々々
炭車
(
すみイくるま
)
に積んで青山へ
往
(
ゆ
)
きやんすが、
押原横町
(
おしはらよこちょう
)
のお組屋敷へは車を
曳込
(
ひきこ
)
む事が出来やしねえから、横町へ車を待たして置いて、
彼所
(
あすこ
)
から七八町の
長
(
なげ
)
い間
炭
(
すみイ
)
担いで
往
(
ゆ
)
きやんすのだが
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
彼所
(
あすこ
)
いらは
皆
(
みんな
)
掛茶屋ばかりで大変賑やかになりました」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“彼所”で始まる語句
彼所迄