信仰しんこう)” の例文
そんな信仰しんこうのないものは、あのへゆくことはできない。おまえは、ちょうになって、もう一下界げかいかえって、よくかんがえてくるがいい。
ちょうと三つの石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたくしなに貴方あなた自分じぶん信仰しんこうむかわせようと権利けんり主張しゅちょうはせんのです。』院長いんちょう自分じぶんわかってくれいので、さも残念ざんねんうように。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
どうかして宗教しゅうきょうにはいらしめようとこころみたが、多少たしょう理屈りくつの頭があったから、どうしても信仰しんこうにはいることができない。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
たとえば療法りょうほうにも信仰しんこうだの加持祈祷かじきとうだのを混合する。もちろん病気によってはいわゆるやまいもあるから、心の持ちようでなおる病気もあろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
ふかいご信仰しんこうでいらっしゃいます。ついては、なにかお祈祷のお願いがあるとのこと、ごめいわくでも城内までお越しあそばしてくださいませぬか
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここにかかげたのはそのうちの一せつです。だい二に、十あまりの戯曲ぎきょくがあり、そのなかで、フランス革命かくめいについてのものと信仰しんこうについてのものとが、おもなものです。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
わたくしはうれしくもあれば、また意外いがいでもあり、わるるままにいそいで建物たてもの内部なかはいってますと、中央ちゅうおう正面しょうめん白木しらきつくえうえにははたして日頃ひごろ信仰しんこう目標まとである
運命うんめい人間にんげんかたちきざめり、境遇けふぐう人間にんげん姿すがたつくれり、不可見の苦繩人間の手足を縛せり、不可聞の魔語人間の耳朶を穿てり、信仰しんこうなきのひと自立じりつなきのひと寛裕かんゆうなきのひと
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
アイヌの信仰しんこう葬式そうしきの事、二三風習ふうしゅうの質問などして、最後に、日本人シャモに不満な点はと問うたら、ヤイコクは重い口から「日本人シャモのゴロツクがイヤだ」とき出す様に云った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
けれども、もしおまえがほんとうに勉強べんきょうして実験じっけんでちゃんとほんとうの考えと、うその考えとを分けてしまえば、その実験じっけん方法ほうほうさえきまれば、もう信仰しんこう化学かがくと同じようになる。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ん、はじめのうちは、むら御先祖ごせんぞたちの信仰しんこうのこもったものだからとか、ご本山ほんざんのおゆるしがなければとかいって、ぐずついていたけれど、けっきょくまえよく献納けんのうすることになったよ。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
この人たちは、『死人のたましいは、海象せいうちの頭といっしょに踊らせておけばいい』という、この人たちなりの信仰しんこうに従って考えていたのです。心も、も、歌と踊りにばかり向けられていました。
そのくせ、隆吉に対する二人の愛情は信仰しんこうに近いほど清らかなものであった。
河沙魚 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
そうした彼は、事実上において熱心な仏教信者でもあった。彼の信仰しんこうの中には、仏教的な輪廻りんね永生思想があり、それがヘルンらしい純情の詩人的想像によって、一種独特の人生観にまで展開していた。
青年せいねんは、だれからぬが、うみのかなたから自分じぶんむかえにくるものがあるようながしました。そして、それが、もうながあいだ信仰しんこうでありました。
希望 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いかに、とるにらないあぶれ者とはいえ、一ねんに自分の信仰しんこうする地蔵菩薩じぞうぼさつのおすがたを、馬糞まぐそだらけな土足にかけられては、もうかんべんすることができない!
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
我々われわれ到底とうてい合奏がっそう出来できません、わたくし貴方あなた信仰しんこうせしむるわけにはきませんから。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
まれわるという信仰しんこうが、どれほど味気あじけない生活せいかつ活気かっきをつけたかしれません。「」ということがこんなに、このときほど意義いぎのあることにおもわれたかわかりません。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
信仰しんこうねっしてくると、おのずから手がふるえ、声もわれ知らず高くなって
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貴方あなたはそうしんじていなさるから結構けっこうだ。そう信仰しんこうがありさえすれば、たといかべなか塗込ぬりこまれたって、うたうたいながら生活せいかつしてかれます。貴方あなた失礼しつれいながらどこで教育きょういくをおけになったか?
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そして、こうなったのは、まだ信仰しんこうりないからでしょうと、こたえました。
きつねをおがんだ人たち (新字新仮名) / 小川未明(著)