仕組しく)” の例文
さて、はなしなか物語ものがたり、わづらはしいからはぶく、……いはひ仲間ちうげんども一座いちざ酒宴しゆえん成程なるほど元二げんじ仕組しくんだとほり、いづれも持寄もちよりで、國々くに/″\はなしをはじめた。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かれいまから數時間すうじかんのちまた年中ねんぢゆう行事ぎやうじのうちで、もつとひとこゝろあらたにすべく仕組しくまれた景物けいぶつ出逢であはなければならなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
どういうすじ仕組しくむのか、そいつは作者さくしゃ重助じゅうすけさんにはかってからの寸法すんぽうだから、まだはっきりとはいえないとのことだった、松江しょうこううつしたおまえ姿すがたを、舞台ぶたいられるとなりゃ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
先方さき公立こうりつなりとておな唱歌しようか本家ほんけのやうなとほをしおる、去年こぞ一昨年おととし先方さきには大人おとな末社まつしやがつきて、まつりの趣向しゆこうれよりははなかせ、喧嘩けんくわ手出てだししのなりがたき仕組しくみもりき
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一方松田君に遇つてしばらく足を遠のかせた。上海の消印のある手紙を請取つてお糸さんは女に見せた。手紙の表書はお糸さんにあてたので、お糸さんから女へ届くやうに仕組しくんであつたのである。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
あくまで排斥しようとした源三郎に、つにてない愛を感じたのですもの。みずから仕組しくんだ陰謀いんぼうと、この、おのが恋心とのあいだにはさまれた彼女の胸は、どんなに苦しかったかしれない。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
是非ぜひ一読いちどくして批評ひゝやうをしてくれと言つて百五六中まいも有る一冊いつさつ草稿そうかうわたしに見せたのでありました、の小説はアルフレツド大王だいわう事蹟じせき仕組しくんだもので文章ぶんしやう馬琴ばきんまなんで、実にく出来て
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さていはひ中間ちうげんども一座いちざ酒宴しゆえん成程なるほど千助せんすけ仕組しくんだとほり、いづれも持寄もちよりで、國々くに/″\はなしをはじめた。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
近頃ちかごろ春信はるのぶで一そう評判ひょうばんった笠森かさもりおせんを仕組しくんで、一ばんてさせようと、松江しょうこう春信はるのぶ懇意こんいなのをさいわい、ぜんいそげと、早速さっそくきのうここへたずねさせての、きょうであった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
是非ぜひとも笠森かさもりおせんちゃんを、芝居しばい仕組しくんでしたいとの、たってののぞみさ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
一ツは好事家かうずか随筆ずゐひつに、物凄ものすごくもまたおそろしくしるされる。あさあんずるに、随筆ずゐひつからつて講釈かうしやく仕組しくんでえんずるのであらうとおもふが、いたはうむと、うそらしいがせられて事実じゞつこえる。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)