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丸顏
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まるがほ
入れ
違に、十二三になる
丸顏の
眼の
大きな
女の
子と、
其妹らしい
揃のリボンを
懸けた
子が
一所に
馳けて
來て、
小さい
首を
二つ
並べて
臺所へ
出した。
暫く
靜に
聽耳を
立ててゐた
僕はさう
言つて、
友人の
方を
振り
返つた。いつの
間にか
彼の
膝の
上には
丸顏の
女が
牡丹のやうな
笑ひを
含みながら
腰かけてゐる。
氣の
寄る
時は、
妙なもので……
又此處へ
女一連、これは
丸顏の
目のぱつちりした、
二重瞼の
愛嬌づいた、
高島田で、あらい
棒縞の
銘仙の
羽織、
藍の
勝つた。
背は
左まで
高くはないが、
骨太の
肉附の
良い、
丸顏の
頭の
大きな
人で
眦が
長く
切れ、
鼻高く
口緘り、
柔和の
中に
威嚴のある
容貌で、
生徒は
皆な
能く
馴れ
親しんで
居ました。
窓際の
紫檀の
卓を
挾んで
腰を
降し、お
互に
疲れ
顏でぼんやり
煙草をふかしてゐると、
女が
型通り
瓜子と
茶を
運んでくる。
一人は
丸顏、
一人は
瓜實顏、
其に
口紅赤く、
耳環の
翡翠が
青い。