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じょうだん
ふりがな文庫
“
串戯
(
じょうだん
)” の例文
旧字:
串戲
学円 ああ、うっかり泊りなぞお聞きなさらぬが
可
(
い
)
い。
言尻
(
ことばじり
)
に着いて、宿の御無心申さんとも限らんぞ。はははは、いや、
串戯
(
じょうだん
)
じゃ。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
串戯
(
じょうだん
)
交りにいわれた事があり、そしてこの血圧の低い事と脈の柔かい事から推しますと、まず私は脳溢血に罹る事はないように思われます。
牧野富太郎自叙伝:02 第二部 混混録
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
「いえ、
串戯
(
じょうだん
)
じゃ有りませんよ、真実に見えないんですよ……洋燈の側なら何でも能く分りますが、すこし離れると最早
何物
(
なんに
)
も分りません」
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
串戯
(
じょうだん
)
ではないのですよ。この間もあなたに話した家持ちにしたいという一件……あれを是非実行したいといわれるのです。
幕末維新懐古談:74 初めて家持ちとなったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「今日まで絵にも見た事のない美しい娘を見つけ出した。なろう事なら妻にもらい受けて、江戸へ同伴致したい」それが
串戯
(
じょうだん
)
とも思われなかった。
壁の眼の怪
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
「え、何を言ッてるんだね。吉里さん、お前さん本気で……。ははははは。
串戯
(
じょうだん
)
を言ッて、私をからかッたッて……」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
遠慮であったのと御邪魔してはならぬという考えから
度々
(
たびたび
)
は参りませんでしたが、比較的に親しく御話を承り少しは
串戯
(
じょうだん
)
も申しましたが、死なれて急に何となく物足らないような心地になり
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
が、
串戯
(
じょうだん
)
ではありません、
容色
(
きりょう
)
、
風采
(
とりなり
)
この人に向って、つい(巡礼結構)といった下に、思わず胸のせまることがあったのです。——
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
最初はまるで
串戯
(
じょうだん
)
のように話した話が、三週間目には、もう柱が建っている。実に気の早いことでありました。
幕末維新懐古談:63 佐竹の原へ大仏を拵えたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
今日私の血圧は低く脈は柔かくて若い人と同じであるので、医者は
串戯
(
じょうだん
)
半分まずこの分ならばあと三十年は大丈夫ダといっていますが、しかしこれをお世辞と聞いてその半分生きても大したもんです。
牧野富太郎自叙伝:02 第二部 混混録
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
どうかすると私は
串戯
(
じょうだん
)
半分に家のものに向って
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「まあ、人様のもので、義理をするんだよ、こんな
呑気
(
のんき
)
ッちゃありやしない。
串戯
(
じょうだん
)
はよして、謹さん、
東京
(
こっち
)
は炭が高いんですってね。」
女客
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
話は
迅
(
はや
)
く、四月八日釈迦の誕生日には中心になる四本の柱が立って建前というまでに仕事が運んでいました。最初はまるで
串戯
(
じょうだん
)
のように話した話が、三週間目には、もう柱が建っている。
佐竹の原へ大仏をこしらえたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「不可いたって、可いたって、そんな
身体
(
からだ
)
で、あの中へ揉込まれて、
串戯
(
じょうだん
)
じゃアありませんぜ。髪の毛でもつかまったらどうします。」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
串戯
(
じょうだん
)
らしく言いながら、
果敢
(
はか
)
ないお蔦の姿につけ、
情
(
なさけ
)
にもろく
崩折
(
くずお
)
れつつ、お妙を中に
面
(
おもて
)
を背けて、紛らす煙草の煙も無かった。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
私
(
わっし
)
が、私が参りますよ、
串戯
(
じょうだん
)
じゃない。てッて、飛出すのも余り無遠慮過ぎますかい、へ、」と結んだ口と、同じ手つきで
天窓
(
あたま
)
を掻く。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「だっておい四
度
(
たび
)
素帰
(
すがえり
)
をしたぜ、
串戯
(
じょうだん
)
じゃあない。ほんとうに
中洲
(
なかず
)
からお運び遊ばすんじゃあ、間に橋
一個
(
ひとつ
)
、お大抵ではございませんよ。」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
串戯
(
じょうだん
)
じゃない。」と余りその
見透
(
みえす
)
いた世辞の
苦々
(
にがにが
)
しさに、織次は我知らず
打棄
(
うっちゃ
)
るように言った。
些
(
ち
)
とその
言
(
ことば
)
が激しかったか
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私あ何とも思やしない、
串戯
(
じょうだん
)
さ。なぜね、そういうことを聞いたら、そりゃ可愛がってくれますとも、とこうお言いじゃないッて云うのさ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いかにも
伸々
(
のびのび
)
と
寛容
(
ゆったり
)
して、
串戯
(
じょうだん
)
の一つも言えそうな、何の隔てもない様子だったが、私は何だか、悪い処へ来合せでもしたように、
急込
(
せきこ
)
んで
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
串戯
(
じょうだん
)
ではなくってよ。
貴郎
(
あなた
)
が持って来て、あそこへ据えてから、玄関の
方
(
かた
)
なんぞも、この間中
種々
(
いろん
)
な事を言ってるんですよ。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ちょいと、
串戯
(
じょうだん
)
じゃあないよ、お
前様方
(
まえさんがた
)
はどうしたもんです。これお放し、あれさ、お放しというに、両方とも恐しい力だ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あら、
真個
(
ほんとう
)
だ、
串戯
(
じょうだん
)
じゃないわ、叔母さん、こたまだ、こたまだッて鳴いてるわね、中でも大きな声なのねえ、叔母さん。
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夜昼を分けるように、下の土は冷たく濡れて、黒くなって、裾が薄暗く見えたんで、いや、
串戯
(
じょうだん
)
はよして余り
艶麗
(
あでやか
)
過ぎる。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
言った方も
戯
(
たわむれ
)
に、聞く
女
(
ひと
)
も
串戯
(
じょうだん
)
らしく打消したが、松崎は、かえって、うっかりしていた
伝説
(
いいつたえ
)
を、夢のように思出した。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
串戯
(
じょうだん
)
じゃありません。……(お手水……)の時のごときは、頭から霜を浴びて潟の底へ引込まれるかと思ったのさ。」
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
久女八が土蜘蛛をやっている、能がかりで評判なあの糸が、
破風
(
はふ
)
か、棟から抜出したんだろう。そんな事を、
串戯
(
じょうだん
)
でなくお思いなすったそうです。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一の烏 いや、
串戯
(
じょうだん
)
は
措
(
お
)
け。俺は
先刻
(
さっき
)
から思う事だ、待設けの珍味も
可
(
い
)
いが、ここに目の前に転がった餌食はどうだ。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一の烏 いや、
串戯
(
じょうだん
)
は
措
(
お
)
け。俺は
先刻
(
さっき
)
から思ふ事だ、
待設
(
まちもう
)
けの珍味も
可
(
い
)
いが、こゝに目の前に転がつた餌食は
何
(
ど
)
うだ。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
串
(
じょう
)
、
串戯
(
じょうだん
)
をいっちゃ不可ません。誰がそんな、だってお前さん、火の玉の一件じゃありませんか。ええ、おかみさん。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
串戯
(
じょうだん
)
を云っちゃ困る……これから行って逢えるようなら、橋の上で巡査に
捉
(
つか
)
まる、そんな色消しは見せやしない。……
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ほんとうに
串戯
(
じょうだん
)
ではないわ! 一家の浮沈と云ったような場合ですからね。私もどんなに苦労だか知れないんだもの。御覧なさい、
痩
(
や
)
せたでしょう。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
串戯
(
じょうだん
)
にも、
女
(
にょ
)
の字へ、紅をつけたろうなぞッてお話でした。塔婆は包んでありません。婦人の裸もおなじです。」
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
招いたような形だが、
串戯
(
じょうだん
)
じゃあない、人が行ったので閉めたのさ。あとで思ってもまったく色が白かった、うつくしい女の手だよ——あ、どうした。
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何、
串戯
(
じょうだん
)
なものか。」と言う時、織次は
巻莨
(
まきたばこ
)
を火鉢にさして
俯向
(
うつむ
)
いて
莞爾
(
にっこり
)
した。
面色
(
おももち
)
は
凛
(
りん
)
としながら
優
(
やさ
)
しかった。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いや、
串戯
(
じょうだん
)
はよして、その
貴女
(
あなた
)
、恋しい、
慕
(
した
)
わしい、そしてどうしても、もう
逢
(
あ
)
えない、とお言いなすった、その
方
(
かた
)
の事を御覧なさるでしょうね。」
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
串戯
(
じょうだん
)
じゃありませんぜ。ね、それ、何だか
薄
(
うっす
)
りと美しい五色の霧が、
冷々
(
ひやひや
)
と
掛
(
かか
)
るようです。……変に
凄
(
すご
)
いようですぜ。亀が昇天するのかも知れません。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いや、師匠、
串戯
(
じょうだん
)
は止してさ、蝶吉が帰りさえすりゃ、是非その御一統が一杯ありつこうという寸法があるんでさ。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
実際、
串戯
(
じょうだん
)
ではない。そのくらいなんですもの。仏教はこれから
法燈
(
ほうとう
)
の輝く時です。それだのに、
何故
(
なぜ
)
か、
貴下
(
あんた
)
がたが
因循
(
いんじゅん
)
して
引込思案
(
ひっこみじあん
)
でいらっしゃる。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
串戯
(
じょうだん
)
にしてもと、私は
吃驚
(
びっくり
)
して、
言
(
ことば
)
も出ぬのに、女はすぐに
幅狭
(
はばぜま
)
な帯を解いた。膝へ
手繰
(
たぐ
)
ると、
袖
(
そで
)
を両方へ
引落
(
ひきおと
)
して、雪を分けるように、するりと脱ぐ。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
串戯
(
じょうだん
)
じゃあがあせん、
私
(
わっし
)
ゃ
一期
(
いちご
)
で、ダーだと思ったね、
地
(
つち
)
ん中へ顔を
埋
(
うず
)
めてお
前
(
め
)
さん、ずるずると
引摺
(
ひきず
)
られたから、ぐらぐらと来て気が遠くなったんで。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
嬰児
(
あかんぼ
)
が、
串戯
(
じょうだん
)
にも、心中の仕損いなどという。——いずれ、あの、いけずな御母堂から、いつかその前後の事を聞かされて、それで知っているんだね。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
親身に心配して下さるのを私、
串戯
(
じょうだん
)
を云って済みません。まったく身でも投げそうに、それは見えましたでしょうとも。一人で、こんな処にぼんやりして。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
串戯
(
じょうだん
)
に瓶の底を傾けて、一つ
医師
(
せんせい
)
が振った時、底の
沈澱
(
よどみ
)
がむらむらと立って、
煙
(
けむ
)
のように蛇身を
捲
(
ま
)
いたわ。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と云ってな、どっかり知らぬ
家
(
うち
)
の
店頭
(
みせさき
)
へ腰を
落込
(
おとしこ
)
んで、一服無心をした処……あすこを読むと
串戯
(
じょうだん
)
ではない。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一船のせよう。あいかわらず女の出来ない精進男に、すじか、竹輪か、こってりとした処を食わせたい。いや
串戯
(
じょうだん
)
はよして、内は
柳町
(
やなぎちょう
)
、菎蒻閻魔のすぐ
傍
(
わき
)
だ。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「音がしましたわ、
串戯
(
じょうだん
)
ではありません。さぞお痛かったでしょうねえ。怪我をしたんじゃありませんか。」
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あれ、
串戯
(
じょうだん
)
じゃねえ。これが嘘なら、
私
(
わっし
)
の
鯛
(
てえ
)
は
場違
(
ばちげえ
)
だ。ええ、旦那、河野の本家は静岡で、医者だろうね。そら、
御覧
(
ごろう
)
じろ、河野ッてえから気がつかなかった。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
実は
串戯
(
じょうだん
)
だけれどもね、うっかり、人を信じて、
生命
(
いのち
)
の親などと思っては
不可
(
いけま
)
せん。人間は
外面
(
そとづら
)
に出さないで、どういう
不了簡
(
ふりょうけん
)
を持っていないとも限りません。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ほんとうに
夫人
(
おくさん
)
、気を落着けて下さらんでは
不可
(
いけ
)
ません。
突然
(
いきなり
)
海へ飛込もうとなすったりなんぞして、
串戯
(
じょうだん
)
ではない。ええ、
夫人
(
おくさん
)
、心が
確
(
たしか
)
になったですか。」
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
串
常用漢字
中学
部首:⼁
7画
戯
常用漢字
中学
部首:⼽
15画
“串戯”で始まる語句
串戯口